4億ドル投資のマイクロ・ストラテジーが加速させる、ビットコインと主流投資機関の接点

主要投資機関が間接的にビットコインを保有

この2ヶ月の間に企業戦略の一環として、総額4.25億ドル(444億円相当)のビットコインを購入した米ナスダック上場企業MicroStrategy社の行動が、仮想通貨業界で大きな注目を集めている。

一方、ビジネス・インテリジェンス(BI)分野をリードする同社の筆頭株主は、運用資産規模世界一を誇るBlackRockであり、運用資産額世界第2位のVanguard Group、そして政府系ファンドで世界最大のノルウェー政府年金基金も、同社の株式を所有していることから、これらの主流投資機関とビットコインとの接点が生まれたことが指摘された。

ノルウェー政府年金基金

北海の石油・ガス資源からの収益を長期的に管理するノルウェーの「政府年金基金グローバル」は「石油ファンド」として知られている。1990年に設立されたが、世界の全株式の1.4% %を含む1.2兆ドル弱(約125兆円)の運用資産を有し、今年7月末の時点で、世界最大の政府系ファンドとなっている。

仮想通貨分野のデータ分析会社、Arcane Researchによると、同ファンドは昨年12月末の時点でMicroStrategy社の株式の1.51%を所有しているという。

このファンドの保有株式の割合をMicroStrategy社保有のビットコインに換算すると、577.6BTCとなる。

BlackRock

MicroStrategy社の筆頭株主であるBlackRockは、今年6月末時点で運用総資産世界一位、7.32兆ドル(約765兆円)の巨大投資運用企業。MicroStrategy社の株式の15.24%を保有する。(注1)BlackRock保有株式の割合をMicroStrategy社保有のビットコインに換算すると5829.30BTCとなる。

Vanguard Group

運用総資産5.3兆ドル(約553兆円)で世界2位のVanguard Groupは、MicroStrategy社の株式の11.72%を保有。(注1)この割合をMicroStrategy社保有のビットコインに換算すると4482.90BTCとなる。

(注1)Arcane Research発表のデータより

これら主流投資会社が間接的ではあるが、MicroStrategy社への投資を介して、ビットコインを保有することなったことは興味深い。さらにArcane Researchは、他の投資を介して、間接的にビットコイン を保有している可能性も低くないだろうと主張している。

価値の保存手段としてのビットコイン投資

MicroStrategy社の創業者でCEOのMichael Saylorをビットコイン投資に駆り立てたのは、同社が現金で保有していた5億ドル相当の余剰資金が、利息もつかない上、資産インフレにより「氷のように溶けていく」ことに脅威を感じたからだという。

Saylorは新型コロナの感染拡大で、経済が大きな打撃を受ける中、3月から4月にかけ、株価がV字回復したことから、大規模な資産インフレが起こっていることを強く認識するに至り、「1年後に価値が25%減る環境」で現金を持っていてはいけないと主張する。

そんな中、公正な値段で購入することが難しい事業用の不動産や、期待値が限定的なGAFAなどの株式ではなく、金や銀などの貴金属でもなく、「半値になる恐れもあるが、10倍になる可能性のある資産」として、ビットコインが唯一の選択肢として残ったと述べている。

Saylorは2013年のツイートでは、ビットコインに対し否定的な立場をとっていたが、コロナ禍に見舞われた今年、ビットコインについての学びを深めるにつれ、その「堅牢なデフレ資産」としての価値を確信していったようだ。

ビットコイン投資を判断するにあたり、ビットコインについて学ぶ「宿題」を出されたMicroStrategy社の役員も同様にビットコインの魅力に取り憑かれていったという。

Saylorはビットコインコミュニティの精神にも感銘を受けたと述べているが、ビットコインに対する深い信頼は、次のツイートに凝縮されている。

「ビットコインは、知恵の女神に仕えるサイバースズメバチの大群だ。それは、暗号化されたエネルギーの壁の向こうで、真実の火を常食とし、ますます賢く、より早く、そしてより強く指数関数的に成長する。」


画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します