はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

NEMのハイブリッドブロックチェーン、企業向けソリューションとしての可能性

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ネムのハイブリッドブロックチェーン

産業界でブロックチェーン活用の気運が高まっている昨今だが、ブロックチェーンは大きく分けて、公に公開される「パブリック型」と、内部向けの「プライベート型」に分類できる。

この二つにはそれぞれ独特の課題が存在しており、エンタープライズ(法人向け製品)で採用する時のハードルになっている。こうした中、ネム(NEM)のハイブリッドブロックチェーンは、両者の欠点を補い合い、長所を活かすものとして期待されている。

企業でブロックチェーンを活用する上での課題

まずパブリックネットワークの課題としては、セキュリティ懸念や、使用コストが高くなる傾向、プライバシーや機密性の欠如がしばしば懸念されるところだ。

特に企業の場合は情報漏洩リスクの心配から、採用に踏み切れない場合も多い。さらに、万が一参加者の内51%が敵対的な組織に支配された場合に、不正なブロックを削除できないこともリスクの一つだ。

一方で、プライベートネットワークの課題としては、欠点として多くのプロジェクトで参加者が少ないことが指摘されている。

企業により中央集権的に管理されるプライベートチェーンでは、ネットワーク規模が大きくなった時に、管理者が使用手数料を上げるなど、創設者を優遇するようになることも考えられる。

こうしたリスクを懸念して参加者がなかなか集まらず、結果として幾つもの分断されたプライベートネットワークが散立した場合、利便性が下がり、コストが高くなるかもしれない。

このようにどちらのタイプのブロックチェーンにも課題が挙げられるが、こうしたことの解決に取り組もうとしている企業が登場している。

EY社はパブリックチェーンの課題を改善

世界三大会計事務所EY(アーンスト・アンド・ヤング)社は、パブリックチェーンの問題点を改善する方向を提唱する。

同社のイーサリアムを基礎とする「Nightfallツール」一式は、パブリックネットワークの欠点を解決するため、機密性を高める「ゼロ知識証明」という技術を取り入れた。

ゼロ知識証明は、個人情報などの機密情報を相手に提供することなく、その内容が正しいことを証明するやりとりの手法だ。これを採用することにより、パブリックブロックチェーンを使っていたとしても、データ内容を明かすことなく企業間でのビジネスが可能になる。

NEM(ネム)のハイブリッドチェーンによるソリューション

暗号資産(仮想通貨)ネム(NEM)のブロックチェーンは、プライベートチェーンとパブリックチェーンが互いに補い合う、ハイブリッドなプラットフォームを打ち出す。

ネムは、20年12月に大型アップデートを実施し、新チェーン「Symbol(XYM)」が誕生する予定だ。

「Symbol(シンボル)」の主な特徴には、以下が挙げられる。

プライベートチェーンとパブリックチェーンを両立

Symbolは、プライベートチェーンとパブリックチェーンの両方と互換性があり、両方の長所を生かし、短所をカバーすることができる。

相互運用性を考慮して設計されており、ユーザーは、許可型のエコシステムをプライベートチェーン上に保存し、また、分散化された情報ハブとしてのパブリックチェーンと自由に通信することが可能だ。オープンでありながら安全性が高い環境になることが期待される。

さらにネムのAPIは、既存のエンタープライズシステムや、他のネットワーク、ブロックチェーンとのシームレスな統合を保証するものとなっている。

分散化

Symbolのパブリックチェーンは、完全に分散化された台帳で、ハーベスティング(新しいブロックを生成し報酬を得ること)のメカニズム、トークン報酬、および最新のプルーフオブステークプラス(PoS+)コンセンサスを使用して、ノードがネットワークをアクティブにサポートし続けるようにする。

Symbolのコードはすべて完全にオープンソースで透明なものとなっている。

取引に暗号化されたメッセージを掲載可能

パブリックチェーン、プライベートチェーン両方で、トランザクションに暗号化されたメッセージを簡単に追加可能。

トランザクションは第三者にも表示されるが、メッセージ内容はブロックチェーンを保護するのと同じハッシュで保護され、受信者の署名がある場合にのみ読み取ることができる仕組みとなっている。

こうした特徴の他にも、Symbolはエラーやネットワーク攻撃に対してより回復力を備えており、高速でもある。

以上のような特徴を持ったSymbolは、ピアツーピアの国際決済、貴重品の追跡、アートワークの信憑性の証明、CBDC(中央銀行デジタル通貨)のプラットフォームの提供まで、 様々な用途へのソリューションになることが期待されている。

ネム(NEM)ブロックチェーンの採用事例

ネムは、トークン発行を巡る規制に準拠したフレームワークを構築しており、最近の採用事例では、リトアニアの中銀発行デジタル通貨(CBDC)などがある。

特に新ブロックチェーンSymbolは、セキュリティトークンの発行や管理に役立つ機能を多数装備しており、データ保護や証券法の徹底したコンプライアンスを可能にするものとなっている。

関連:セキュリティトークンへの活用も進むNEMブロックチェーン、CBDCなどへの導入事例も

 

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/23 火曜日
08:12
トランプメディア、451BTC追加購入で保有額10億ドル突破
トランプメディアが新たに451BTCを取得し総保有額が10億ドルを超えたと報じられた。第3四半期は5z480万ドルの純損失を計上したが仮想通貨戦略を継続している。
07:30
米仮想通貨特命官、CFTC・SEC新委員長を「ドリームチーム」と称賛
米ホワイトハウスのデビッド・サックス仮想通貨担当官がCFTC新委員長マイケル・セリグ氏とSECのポール・アトキンス委員長を称賛し、トランプ大統領が「ドリームチーム」を作ったと評価した。
07:20
仮想通貨投資商品、先週は1490億円超の資金が純流出
仮想通貨投資企業CoinSharesは、デジタル資産投資商品全体の先週における資金フローは約1,494億円の純流出だったと報告。ビットコインなどの銘柄別のデータも公開している。
06:30
ストラテジー社の米ドル準備金が3400億円超に、「仮想通貨の冬」に備え
マイケル・セイラー率いるストラテジーが普通株式の売却により7億4800万ドルを調達し、米ドル準備金を約22億ドルに増やした。仮想通貨の冬に備え配当と利払いを32カ月間カバーできるようにした。
06:05
JPモルガン、機関投資家向け仮想通貨取引の提供を検討=報道
これまで仮想通貨を否定してきたJPモルガン・チェースは機関投資家向けに仮想通貨取引サービスの提供を検討している。現物取引とデリバティブ取引が含まれる可能性がある。
05:50
ビットマイン、イーサリアム蓄積を継続 先週も約10万ETH買い増し
主要イーサリアム保有企業ビットマインが過去1週間で約10万ETHを追加購入し、保有が406万ETHに達したと発表した。弱気相場で買い増しを加速。
05:30
主要イーサリアム保有企業ETHジラ、債務返済のため116億円相当ETHを売却
ピーター・ティール氏支援のETHジラが債務返済のため2万4291ETHを売却し、仮想通貨イーサリアム蓄積戦略から現実世界資産トークン化事業への転換を表明した。
12/22 月曜日
20:05
Bybit、日本居住者向けサービス終了へ 2026年1月が最終期限
Bybitが日本居住者へのサービス終了を発表。2026年1月22日がKYC2完了の最終期限となり、未完了者は制限対象に。金融庁の規制強化を背景に、10月の新規登録停止に続く措置。世界第2位の取引量を持つ同社の撤退により、多くのユーザーへの影響が予想される。
18:00
Digital Space Conference 2026 無料チケット受付開始
ユーザーがメタディスクリプションを100文字程度で作成するよう依頼しています。DSC2026の記事内容に基づいて、SEOに適したメタディスクリプションを作成します。2026年2月17日、虎ノ門ヒルズフォーラムで「Digital Space Conference 2026」を開催。日本デジタル空間経済連盟主催、CoinPost企画・運営。AI、Web3、メタバース等を横断し次の社会像を議論。参加無料、チケット受付開始。
15:53
ユニスワップ手数料スイッチ提案が定足数達成 UNI焼却メカニズムが今週始動へ
ユニスワップのプロトコル手数料スイッチ提案「UNIfication」が定足数を達成。賛成票6,900万UNI超で12月26日の投票終了後、1億UNIの遡及的焼却と手数料連動型の継続的焼却メカニズムが今週後半に始動する見込み。
15:20
量子コンピュータは仮想通貨の脅威なのか?カルダノ創設者が示す客観的評価と対策
カルダノ創設者ホスキンソン氏が、量子コンピュータによる仮想通貨への脅威について冷静な対応を呼びかけ、米DARPA主導の、量子ベンチマーク・イニシアチブ(QBI)の参照を推奨した。
14:54
香港、保険会社の仮想通貨投資を解禁へ リスク管理100%義務付け=ブルームバーグ
香港保険監督局が保険会社による仮想通貨投資を認める新規制案を発表。100%の資本準備義務付けで慎重姿勢を示しつつ、2026年に公開協議を実施。総保険料約13兆円の業界から機関投資家資金の流入可能性。
14:03
著名投資家レイ・ダリオ、「ビットコインは中央銀行に大規模保有される可能性低い」と指摘
著名ヘッジファンド創業者のレイ・ダリオ氏がポッドキャストで、ビットコインは中央銀行の準備資産として大規模保有される可能性が低いと指摘。透明性や技術リスクを理由に挙げた。一方、個人投資家には5〜15%の配分を推奨している。
11:44
米議員、仮想通貨税制で法案起草 少額取引非課税やステーキング関連所得繰り延べも
米超党派議員が仮想通貨税制の改正法案を発表した。少額のステーブルコイン取引を非課税化することや、ステーキングやマイニング報酬の課税繰延べを盛り込んでいる。
10:51
ニューヨーク近代美術館、CryptoPunksなどNFT作品を永久所蔵
ニューヨーク近代美術館(MoMA)が12月20日、CryptoPunks8点とChromie Squiggles8点のNFT作品を永久所蔵品に追加。ブロックチェーンアートが主流美術機関に正式認められる重要な節目となった。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧