はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

【Vol.1】Lisk日本人開発者の遠田秀説氏に独占インタビュー

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

Lisk唯一の日本人、遠田秀説氏
海外の大学を卒業後、日本のITベンチャーに3年勤務。その後、もともと興味のあったブロックチェーン業界で最初の基盤となるプロジェクトに参加したいと考え、Developerを促進するというビジョンを掲げるLiskへジョインしたという遠田氏。現在はLiskCommander(元Lisky)、Lisk Elements(元Lisk-js)の二つにコミットされています。
Lisk Core1.0の4つのポイント
Core1.0について、新APIのデザインと導入やP2P転送レイヤー書き換えなど、そのゴールとなる4つのポイントの詳細についてお聞きしました。全体としての進捗はスケジュール通りとのことで、今後の新たな情報公開が期待されます。

CoinPost主催でLisk CEO Max氏をお招きする初のイベントに先立って、Lisk社唯一の日本人開発者である遠田秀説氏に独占インタビューを行いました。

今回のインタビューはvol.1とvol.2に分けてお届けいたします。

vol.1では日本人開発者の遠田秀説氏の経歴やLiskでの役割について伺いつつ、Core1.0の話題を含むLiskの今とこれからについてお話していただきました。

Liskで働く唯一の日本人

―Lisk入社以前はどのようなお仕事をされていたのですか?

元々はカナダ、アメリカの大学を卒業して2013年に日本でサイバーエージェントに入社し、そこから3年間、2016年までゲーム関連の事業に携わりました。

その後日本のAPCommunicationsという会社からベルリンに子会社を作りたいという募集があり、それに参加して現地で子会社設立に動きつつ、他のスタートアップとレストラン関係のアプリやビジネスをやっていました。

Liskで働くことになったきっかけを教えてください。

もともと2014年ごろからブロックチェーンに興味があり、次第に開発者として仕事をしたいなと思うようになりました。

その中でLiskを選んだのは、ブロックチェーン業界が全体としてまだアーリーステージという中でインフラや最初の基盤となるプロジェクトにまずは参加したいと考えていて、まさにLiskがそういう状況だったからです。

また、LiskのDeveloperを促進するというビジョンにも共感しました。

―他の通貨を開発している会社ではなく、Liskだった理由についてもう少し詳しくお聞きしてもよろしいでしょうか。

LIiskが一番これまでのスタートアップの文化に近く、プロダクトを中心としたチームを作っていたからですね。

あとはやはり将来的に自分が使いたいと思えるプロダクトだったというのが大きいです。

―Lisk内にもプロジェクトが色々ありますが、どのプロジェクトにコミットされているのでしょうか。また、他のプロジェクトの進行状況などはわかりますか。

現在はLiskCommander(元Lisky)、Lisk Elements(元Lisk-js)の二つにコミットしています。毎朝スタンドアップのような形で話してある程度は聞くのですが、詳しいところまでは入っておらずわかりません。

日本人であるというのは開発者として海外で働くに当たって何かメリットはあるのでしょうか。また、採用に関して特に日本人を入れたいなどといった部分はありますか。

日本人であることのメリットは業務面では特にないですね。

ただ、日本を好きな人が多く、話すきっかけになるというのはあります。

採用についても、どこの国の方を採用したいとかは特には無いと思います。

コミュニティマネージャーなどであれば国にこだわる場合もあるかもしれませんが、開発者は特に国籍は関係無いですね。

―現在Liskには開発者は何人ほどいらっしゃるのでしょうか。

開発者だけですと20〜30人ほどではないでしょうか。

―Max氏(Lisk CEO)が仰るには、Liskはベルリンに集まってどちらかというと中央集権的にやった方が良いプロダクトができるとのことでしたが、海外で開発をされている方などはいないのでしょうか。

開発に関しては基本フルタイムの方はベルリンに集まっていると思います。

また、Github上で世界中のコミュニティの方々からのコミットやフィードバックなども頂いています

オフィスを移転したと伺いましたが現在のオフィス環境はいかがでしょうか。

現在はWeWorkを1フロア全体貸し切って働いています。

もちろんオフィス自体は綺麗ですし、場所もベルリンの中心で使いやすいですね。

―Max氏(Lisk CEO)やOliver氏(Lisk CTO)はオフィスにいることが多いのでしょうか。

基本的にOliverはオフィスにいますが、Maxはカンファレンスなどによく行ったりしていますので、そういった場合は彼はオフィスにいないですね。

Max氏とOliver氏のお二人はどのような方々でしょうか?遠田さんからご覧になっていかがでしょう。

Maxは日本が好きで、気さくに話しかけてくれます。

ビジョンをしっかり持っていますし、チーム作りにちゃんとこだわっていたりとスタートアップ気質を守っているところがすごいと思っています。

OliverはCTOとして開発の全体を見ていますし、プロダクトのクオリティといいますか、コードのクオリティだけでなくセキュリティやテストなどを含めてすごく気を配っています

やはり小さなミスが大きなお金を動かすことになりますからね。

Core1.0のゴールと進捗について

―リブランディング、リローンチイベントはいかがでしたか。

マーケット的には下落しましたが、そのイベントに来てくださった方たちは皆期待してくれていましたし、いろんな方とお話ししましたがやはり期待感は高いと感じました。

―ユーザー、フォロワーからはコア1.0を待ち望む声が挙がっています。Thomasからはセキュリティやクオリティをスピードより重視しており現在は延期していると伺いましたが進捗はいかがでしょうか。

現状は特に大きい問題が見つからない限りはスケジュール通り進んでいます。

―スケジュール通りということですとLisk Core1.0 に関して第1Qと伺っていますが、これは3月末などにもしかしたら発表があるのでしょうか。

リブランディングの時に4〜6週間と言っていましたので、そのスケジュール通りと聞いています。

―Core1.0のゴールについて少し詳しく聞いてもよろしいでしょうか?

①新APIのデザインと導入

Coreに完全に入っているわけではないので知っている限りのシェアになりますが、まずは新APIのデザインと導入について。

ウォレットであったり要はこのLiskCoreを使っている人たちですね、例えば取引所なども使っていると思うのですが、その方たちが使っているネットワークへのインターフェイスをより使いやすく拡張性があるように再定義しました。

②P2P転送レイヤー書き換え

次にP2P転送レイヤーの書き換えについてですが、これはDecentralized networkなので、ノード同士が通信をしてネットワークが成り立っていますが、その通信方法の変更/書き換えがこれにあたります。

③Atomic block writesを完全サポートするためのデータベースレイヤー書き換え

また、アトミックブロックライト完全にサスポートするため、というのは、今までどういう方法を取っていたか私は把握していないのですが、現状のLiskCoreではpostgressというリレーショナルのデータベースを使っているんですね。

すると、ブロックを生成する時にいろんなテーブルに書き込むのですが、コードベースでアトミックになるように制御素していたというのが1.0以前の話でした。

その部分をデータベースの機能を使って処理をすりようにし、クオリティを上げる、というのがここで説明されている内容です。

④タイプ0トランザクションに64byteデータフィールドを追加

最後に、タイプゼロトランザクション64バイトのデータフィールド追加に関してですね。

タイプゼロのトランザクションというのは基本的なお金の受け渡し、すなわちLiskの受け渡しがそれに当たっているかと思います。

64バイトのデータフィールドというのは、プロトコルレベルの変更にはなるのですが、そのトランザクションに対して何か新しいデータを付け加えられるようなフィールドを追加するということです。

こちらは今後の拡張性に大きく関与してきます。

―SDKに関してはロードマップの進行状況と同じように進んでいますか。

SDKに関しては、コアリリースの次の大きい開発目標の1つということです。詳細に関しては後日情報が公開されるとのことだそうです。

―現状CommanderとElementsにコミットされているということですが、その二つについて簡単にご紹介いただけますでしょうか。

Commanderに関してはPCの黒い画面、CLI(コマンドラインインターフェイス)というんですがそれ用のプログラムで、Commanderからあるノードに対してお金の受け渡しにあたるトランザクションを投げたり、トランザクションをローカル内で作ったりということをします。

開発者やノードを管理している人、デリゲートとかのですね、そういった方向けのツールというのが現在の位置付けになります。

Commanderは今後いろんな機能が追加されていきます。

今後はデリゲートの人たちが使えるようなノード管理などもCommanderでできるようになっていくはずです。

Elementsに関しては、Commanderの中で使われているものなのですが基本的にはライブラリ集になっています。

現状はまだ使われていませんが、これからcoreでも使われるようになって行って、暗号系のライブラリであったりAPIを繋ぐためのライブラリであったり、トランザクションを作ったり確認したりする用のライブラリであったりと、そういいたものが全部詰まっているのがElementsになります。

vol.2では業界全体へ話題を広げ、「日本のブロックチェーン業界とこれからブロックチェーン関連で働く人たちへ」をお届けいたします。

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
08/22 金曜日
10:00
ビットコイン需要3分の2減少、利確フェーズ継続=クリプトクアント週次分析
クリプトクアント最新分析で仮想通貨ビットコイン需要が7月ピーク17万4000BTCから5万9000BTCへ大幅減少。ETF購入も4月以来最低水準で利確フェーズ継続。
08:30
米CFTC、仮想通貨スプリント第2段階開始 トランプ政権デジタル資産報告書勧告を全面実装へ
米CFTC代行委員長が8月21日、仮想通貨スプリント第2段階開始を発表。トランプ政権デジタル資産市場報告書の全勧告実装に向けステークホルダー協議も開始。
07:50
米下院国防予算法案、CBDC禁止条項追加
米下院が国防予算法案にCBDC発行禁止条項を追加。エマー議員の反CBDC監視国家法案が組み込まれ、FRBの個人向け中央銀行デジタル通貨発行を阻止。
07:25
メタマスク、独自ステーブルコイン「mUSD」をローンチへ
仮想通貨ウォレットのメタマスクは、独自ステーブルコインmUSDをローンチすると正式発表。まずは2025年内にイーサリアムとLinea上にローンチする計画である。
06:55
ステートストリート、JPモルガンのデジタル債務サービス初のサードパーティー保管機関に
金融大手ステートストリートがJPモルガンのブロックチェーン債券保管サービスに参加。OCBC発行1億ドルのコマーシャルペーパー取引でキネクシス基盤のT+0決済を実現。
06:00
JPモルガン分析、イーサリアムパフォーマンス向上の4つの要因とは
JPモルガンが仮想通貨イーサリアムの好調な理由を分析。54億ドルのETF資金流入、企業財務採用、規制明確化、構造改善の4要因でビットコインを上回ると見ている。
05:45
米上場バーブテクノロジー、1000億円相当のトンコイン(TON)を取得
ナスダック上場のバーブテクノロジーが7億1300万ドル相当のトンコインを取得し、循環供給量の8.5%を保有。TON戦略会社への社名変更も計画中。
05:30
コインベース、トランプ関連ステーブルコインUSD1の上場検討を発表
仮想通貨取引所コインベースがトランプ大統領関連のワールドリバティファイナンシャルのステーブルコインUSD1を上場ロードマップに追加。総供給量24億ドルに拡大し注目集まる。
08/21 木曜日
17:48
シンプレクス、ステーブルコイン参入を支援へ アバランチ実証実験を受け
シンプレクスが金融機関のステーブルコイン事業参入支援を本格化。Ava Labsとの実証実験でアバランチ基盤の高性能インフラを実証し、参入障壁の解消を目指す。
17:23
カニエ・ウェスト、仮想通貨YZY発表
カニエ・ウェスト(Ye)が暗号資産(仮想通貨)「YZY」をソラナ上で発行し、発表直後にバイナンスに上場。YZY Moneyエコシステムの中核トークンとして決済サービス「Ye Pay」やYZYカードを展開予定。
16:39
メルカリとソニー、NFT・デジタルコンテンツ普及で基本合意 Soneium活用へ
メルカリとソニーグループがNFT・デジタルコンテンツ普及で基本合意。ソニー独自ブロックチェーン「Soneium」を活用し、メルカリの月間2300万人ユーザー基盤でWeb3技術の大衆化を目指す。アイドル関連NFT販売を皮切りに新エコシステム構築へ。
14:00
米上院議員、仮想通貨市場明確化法案の年内成立を目指す
シンシア・ルミス米上院議員は、仮想通貨規制の明確化を図るクラリティ法案の年内成立を目指すと発表した。先月発表された上院の独自案ではなく、超党派の支持を得た下院案を基本法案とする方針に切り替え、11月末にはトランプ大統領への提出を見込んでいる。
13:40
ゴールドマンサックスとベッセント財務長官、ステーブルコイン急成長を予測
米財務長官とゴールドマンサックスがステーブルコイン市場の急拡大を予測。規制整備により数兆ドル規模の成長期待が高まる中、JPモルガンは慎重姿勢を示す。
12:50
「ビットコインは2030年までに100万ドルへ」コインベースCEOが強気予想
コインベースCEOが2030年のビットコイン価格を100万ドルと予想した。機関投資家流入など強気シナリオの要因を挙げている。仮想通貨の今後のユースケースについても話した。
12:00
「多様なイノベーション促進へ」金融庁・今泉参事官が語る、暗号資産規制やETFの展望
金融庁の今泉宣親・暗号資産ブロックチェーンイノベーション参事官が語る、ビットコインETF、制度改革、ステーブルコインの展望。利用者保護とイノベーション両立への取り組みを詳述。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧