はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

日銀決済機構局長「デジタル円の導入は国民の理解が大前提」

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

国民の理解を重要視

日本銀行の神山一成決済機構局長は22日、ブルームバーグのインタビューで、中銀発行のデジタル通貨(CBDC)の導入は国民の理解を得られることが大前提になるとの見解を示した。

「デジタル円」の実証実験は2021年度の早期に開始できるようにスピード感を持って取り組むが、実際の導入には非常に高度な判断が必要になると説明。最終的に国民の充分な理解を得て、メリットが大きいと確認できないと前には進めないと語った。

今月9日には、日銀が個人や企業を含む幅広い主体の利用を想定した一般利用型のCBDCについて取り組み方針を公表するなど、デジタル円に関する取り組みが活発化している。

15日に日経のインタビューに応じた神山氏は、デジタル円の検討では3段階の実験を想定しており、2021年度中に第2段階に移行したいとの意向を示している。

関連デジタル円の実験、三段階で検討=報道

当時のインタビューと同様に、神山氏は22日も「実証実験の準備を開始している」と説明。スピード感を持ちつつ段階的・計画的に進めていくとし、必要と判断された場合に3段階目に行う民間事業者や消費者など幅広い主体が参加するパイロット実験は、「CBDCの導入を相応に意識したものになる」と語った。

日銀が検討しているデジタル円は、民間の金融機関等を介して発行される間接型になる見込みだ。このことについて神山氏は、「利用者とのインターフェースの構築に対応する役割分担を果たせるのであれば、銀行だけでなくフィンテック企業なども仲介者になり得る」としている。

そうしたノンバンクと当座預金取引を行うかについては、日銀の目的達成に資するか、また財務の健全性と事業態様を整えているか等を踏まえて検討することになると話した。

具体的な発行形態については、発行額や保有額に制限を設けた上で、支払い決済手段の役割をデジタル円に担わせることは考えられるとした。銀行預金からの移行の可能性など、信用創造機能への影響を回避したい考えだ。信用創造とは、市中銀行の受け入れた預金が貸し出しを通じてさらなる預金を生み出し、これによって預金通貨が創造される仕組みを指す。

また付利については、銀行券とデジタル円を併存する以上、マイナス金利付与が当面の検討の中で論点になることはないとした。金融政策のためにデジタル円の付利を利用する考えではないと説明している。

日銀は実際にデジタル円の導入を決めたわけではないが、神山氏は「一般利用型CBDCは国民のニーズが急速に高まる可能性がある。金融の将来のためにしっかりと今から準備していくことは、日本銀行の責務と考えている」と語った。

CBDCに関する世界の取り組み

最近は日本以外の国でもCBDCに関する取り組みが加速してきた。

すでに「デジタル人民元」のテストを重ねている中国は、深セン市政府がデジタル人民元(DCEP)の試運転のために、合計1000万人民元(約1.5億円)に相当するDCEPを抽選の形で5万人に配布するなど、複数の地域で実験を行っている。

関連中国都市、デジタル元の試運転で1.5億円相当を市民に配布

一方中国が先行する中、米国は日本と同様に「デジタルドル」の導入には慎重な姿勢を示している。

米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は、1番に発行することよりも、正しく対応を行うことの方が重要だと主張。米ドルは世界の基軸通貨であるため、メリットだけでなく、発行に潜むリスクもしっかり見極める必要があると語っている。

関連デジタルドルは慎重に──パウエル議長が語る「米国とCBDC(中銀デジタル通貨)」

参考:ブルームバーグ

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/07 日曜日
20:40
「ビットコインを価値の橋渡し役に」Bitcoin Japan CEO、繊維業からの大転換とAI戦略を語る
東証上場の堀田丸正から「ビットコインジャパン」へ大胆に転換したフィリップ・ロード(Phillip Lord)CEOが、CoinPost独占インタビューでビットコイン準備金戦略とAIインフラ投資の詳細を明かした。「日本の品質×米国の規模」で2030年までに500MW規模のデータセンター投資を目指す。
14:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ、イーサリアム「フサカ」実装完了やソラナスマホの独自通貨発行計画など
前週比で振り返る仮想通貨市場の最新動向。ビットコインやイーサリアム、XRP、ソラナなど主要銘柄の騰落率や注目材料を一挙紹介。市場トレンドと関連ニュースを詳しく解説する。
11:00
週刊ニュース|JPモルガンによるストラテジーのBTC売却回避能力の評価に高い関心
今週は、FRBの量的引き締め終了、チャールズ・シュワブの仮想通貨取引開始、JPモルガンによるストラテジーのビットコイン売却回避能力の評価に関する記事が関心を集めた。
12/06 土曜日
13:46
仮想通貨市場構造を定める「クラリティ法案」を遅滞させる3つの争点とは? 専門家見解
仮想通貨に詳しい弁護士が、ビットコインなどについて米国の規制を明確化する「クラリティ法案」の年内進捗は期待薄だと見解。3つの争点が議論のハードルだと指摘する、
11:15
メタマスク、予測市場取引機能を導入 ポリマーケットと連携しウォレット内で完結
メタマスクが12月4日、トラストウォレットが12月2日に予測市場機能を相次いで発表した。ユーザーは自己管理型ウォレット内で実世界のイベント結果を予測し仮想通貨で取引できるようになる。
10:45
SBI VCトレードとサッポロビール、黒ラベルTHE BARリニューアル記念でNFT配布キャンペーン開始
仮想通貨取引所SBI VCトレードとサッポロビールがWeb3技術を活用した実証実験を12月5日に開始した。黒ラベルTHE BARのリニューアルを記念し、応募者全員にNFTを配布。保有者は店舗で特別なビール体験が受けられる。
10:10
ブラックロックのビットコイン現物ETF「IBIT」、5週連続で資金流出 4200億円規模に
ブラックロックの仮想通貨ビットコイン現物ETF「IBIT」から5週連続で約4200億円が流出した。上場以来最長の流出超過を記録。同社の事業開発ディレクターは「正常な動き」と述べた。
09:30
米SEC、仮想通貨プライバシー円卓会議を来週開催 ジーキャッシュ創設者も参加
米証券取引委員会が金融監視とプライバシーをテーマにした円卓会議を12月15日に開催予定。ジーキャッシュ創設者ゾーコ・ウィルコックス氏を含む専門家がパネリストとして参加し、仮想通貨の匿名技術と監視措置について議論を行う。
08:35
トム・リーのビットマイン、今週約9.8万ETHを追加購入 総保有額1.8兆円相当
ビットマインは今週もETHの押し目買いを実施し9万7650イーサリアムを追加購入した。アーカムのデータによると、同社の総保有額は1.8兆円に達しETH総供給量の3.16%を占めている。
08:00
KLab、ビットコインと金を組み合わせた財務戦略を発表
KLabは、仮想通貨ビットコインと金を財務資産に組み込むデュアル・ゴールド・トレジャリー戦略を実施すると発表。同日発表した資金調達で得る約51億円のうち36億円を充当する。
07:35
ウィズダムツリー、欧州初の完全ステーキング型イーサリアムETPを上場
ウィズダムツリーが4日、Lidoプロトコル経由でミントされたstETHのみを保有する欧州初の完全ステーキング型イーサリアムETPを上場した。運用資産約5000万ドルでドイツ、スイス、フランス、オランダの取引所で取引が開始された。
06:30
ビットコイン保有企業の指数除外方針に反対、ストライブ社がMSCIに書簡
米ナスダック上場企業ストライブがMSCIに対し、ビットコイン保有企業を株式指数から除外する提案に反対する書簡を送付した。同社は7500BTC以上を保有する企業として、50%基準は不公平で実行不可能だと主張。
05:55
仮想通貨評価損不計上でフィスコとクシムに課徴金勧告 金融庁監視委が虚偽報告を指摘
証券取引等監視委員会が5日、フィスコとクシムに対し、仮想通貨の評価損を適切に計上せず有価証券報告書に虚偽記載を行ったとして、それぞれ1500万円と1200万円の課徴金納付を勧告した。
12/05 金曜日
19:26
テザー投資家が英政党に史上最高額寄付 改革党に18億円相当
ステーブルコイン発行会社テザーの投資家クリストファー・ハーボーン氏が英国改革党に900万ポンド(約18億円)を寄付し、存命個人からの政党寄付として史上最高額を記録。米国でもトランプ大統領が選挙期間中に仮想通貨業界から2600万ドル超を集めるなど、仮想通貨資金が英米両国の政治に影響力を持ち始めている。
18:40
Cloudflare障害でコインベースなど取引所が一時アクセス不能 11月に続き再発
12月5日夕方、Cloudflareの障害により、コインベースやクラーケンなど複数の仮想通貨取引所とDeFiプロトコルのユーザーインターフェースが一時的にアクセス不能に。11月18日に続く障害で、インフラ依存のリスクが再び浮き彫りとなった。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧