はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

バイナンス、DeFi関連出口詐欺で盗まれた仮想通貨の奪回に成功

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

バイナンスが出口詐欺の盗難資金を掌握

最大手暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンスが、そのプラットフォーム上で発覚した出口詐欺を追跡し、被害にあった顧客資金を取り戻したことが分かった。

これは、バイナンスが今年9月1日に立ち上げたばかりの新たなブロックチェーン「バイナンススマートチェーン(BSC)」に構築されたDeFiプロジェクトとして公開された「Wine Swap」によって34万5000ドル(約3600万円)相当の仮想通貨が盗まれていたもの。

バイナンスは、被害額のうち、推定99.9%を取り戻したと宣言している。

尚「バイナンススマートチェーン」は、DeFiプロジェクトの構築に焦点を当てたプラットフォームで、スマートコントラクト機能の実装や、トークンのクロスチェーン送金機能などを提供している。

関連:バイナンススマートチェーン、メインネットが稼働

DeFi詐欺「WineSwap」の経緯

バイナンスによると、10月13日にWineSwapはBSC上でリリースされたDeFiプロジェクトであったが、発売から1時間以内には集まった34万5000ドル相当のユーザー資金を集めて逃げようとしていたという。

WineSwapのアドレスに保持されている19銘柄の仮想通貨を、作成者個人アドレスに移動することによって出口詐欺を行おうとしていた格好だ。

詐欺の報告を受けたバイナンスのセキュリティチームは、資金の追跡を開始。119のアドレスから送金された被害額は、BSCからバイナンスチェーン、次にイーサリアムへとクロスチェーン転送を介して移動されたことを特定した。

また一部は2つの仮想通貨取引所と、バイナンスブリッジ(ブロックチェーン間流動性へのアクセスを提供するサービス)にも移されており、こうした集中型取引所では、盗難資金はすでに凍結処理されていたという。

盗難資金はステーブルコインや、バイナンスコイン(BNB)、イーサリアム(ETH)、リンク(LINK)に変換済だった。セキュリティチームはさらに、Wine Swapとの通信を分析し被害アドレスを特定、戻すべき金額を計算した。

中央集権組織がDeFiを扱う強み

詐欺の翌日14日に、チームは詐欺師を特定することに成功し、すぐに連絡を取った。すると詐欺師は観念して盗んだ資金をバイナンスに返却することに同意。現在バイナンスは、被害額を元のトークンに戻す作業を進めているという。

バイナンスCEOのCZ氏は、被害額を取り戻したことを受けて「集中型の組織は、このようにリソースを使ってDeFiで被害を受けたユーザーを助けることができる」とツイートした。

CeFi(中央集権型金融)である取引所がDeFi(分散型金融)を扱うことで、ユーザーのセキュリティを高められると示唆した格好だ。

ただ、バイナンスは今回の件を報告するに当たり「毎日新しいDeFi製品が登場しているため、すべてのプロジェクトの正当性を検証することは困難で、失われた資金を完全に回収できる詐欺は非常に稀な事例」であるとして、参加前にDeFiプロジェクトについて精査する必要があるとユーザーに警告している。

バイナンスチェーン上のプロジェクトであっても、精査せずに資金を入れるリスクを改めて強調した。

大手ヘッジファンドも注目

今年の夏に急速にブームとなったDeFiには、仮想通貨ヘッジファンドも注目しており、大きな利益を上げているところもある。

米国最古の大手仮想通貨ヘッジファンド「Pantera Capital」も、DeFi関連銘柄への投資を重視しており、DeFiセクターはバブルではなく金融の未来であり、これから2年か3年で大きく成長するとの見解を示している。

関連:仮想通貨のヘッジファンドがDeFiに注目 他企業と利益に大きな差=ロイター

一方で多くのプロジェクトが濫立しているため、今回のような詐欺プロジェクトを識別することが重要だ。

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/25 木曜日
18:01
Komlock labと東証上場TDSE、AIエージェントによる自律決済の実証実験開始
TDSEとKomlock labがAIエージェントによる自律決済の実証実験を開始。日本円ステーブルコイン「JPYC」を活用し、AIが人間を介さず決済する「Agentic Commerce」の実現を目指す。
17:38
日銀総裁、利上げ継続示す 30年ぶり高水準更新へ
日銀の植田和男総裁が25日の講演で利上げ継続方針を表明。政策金利は既に30年ぶりの0.75%水準に達しており、今後の追加利上げによる円キャリートレード巻き戻しが仮想通貨市場に与える影響が注目されている。
16:21
SBI VCトレードとアプラス、USDCによる店舗決済の実証実験を来春開始
SBI VCトレードとアプラスが米ドル建てステーブルコインUSDCを活用した店舗決済の実証実験を2026年春に開始。大阪・関西万博のデジタルウォレット成果を発展させ、QRコード決済でインバウンド顧客向けに新たな決済モデルを創出する。国内唯一の電子決済手段等取引業者であるSBI VCトレードと、豊富な加盟店ネットワークを持つアプラスが協力し、ステーブルコイン決済の社会実装を加速。
14:55
量子コンピュータは仮想通貨の脅威か 専門家が語る「共存」の可能性
量子コンピューティングが仮想通貨業界に与える影響について、楽観論と懸念論が交錯する中、専門家は「共存」の可能性を指摘。ビットコインベテラン投資家やマイクロストラテジー会長は量子が仮想通貨を強化すると主張する一方、開発者は5~10年の移行期間が必要と警告。ソラナやイーサリアムなど主要ブロックチェーンは既に量子耐性技術の実装を開始している。
13:50
アステリア、JPYC企業利用支援の「JPYCゲートウェイ」発表
アステリアは企業向けJPYC入出金管理サービス「JPYCゲートウェイ」を発表。ウォレット管理やガス代負担など企業利用の課題を解消し、100以上の既存システムと連携可能。2026年1月よりβ版提供開始。
13:30
2025年世界仮想通貨浸透率ランキング、日本は47位
Bybitは2025年世界仮想通貨ランキングで、79カ国をユーザー浸透度、取引利用度、制度整備度、文化的浸透度の観点から相対的に評価。シンガポールと米国が上位にランクインし、日本は47位となった。また国別の一人当たりGDPから分析したところ、投資主導型と実用主導型の二つの採用パターンが明確となった。
12:13
ビットコイン価格予想が二極化 来年の37000ドル悲観論と最高値更新説の根拠は
仮想通貨市況 暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコイン(BTC)は前日比+%の1BTC=87,850ドルに。 ビットコインが一時的に88,000ドルを上回ったことは、米国上場…
11:44
仮想通貨投資大手が大規模取引か、ワールドコインに3000万ドル投入の可能性
マルチコイン・キャピタルと関連するウォレットが24日、ワールドコイン(WLD)6000万トークンを約46億円で購入した疑いが浮上。オンチェーンデータ分析サービスが報告。WLD価格は史上最高値から95%下落中。
10:30
個人投資家が計22億円の詐欺被害に、米SECが仮想通貨企業などを起訴
米SECは、複数の個人投資家から最低でも計約22億円をだまし取ったとして仮想通貨企業などを起訴。詐欺の手口を説明し、投資家に注意喚起を行っている。
10:22
Aave、所有権紛争でDeFiガバナンスの課題が表面化
大手DeFiプロトコルAaveで深刻なガバナンス対立が発生。年15億円超の収益配分とブランド資産の所有権をめぐり、DAOとAave Labsが対立。Snapshot投票では反対が過半数を占め、DeFi業界のガバナンス課題を浮き彫りに。
10:05
2026年の仮想通貨市場に期待できることは? Presto Researchがビットコイン16万ドル予想
Presto Researchが2026年の仮想通貨市場を展望。ビットコイン16万ドル到達の可能性、量子耐性議論、アルトコイン投機時代の終焉など様々なトレンドを予想している。
08:30
EUの仮想通貨税務透明性法「DAC8」、2026年1月1日に発効
EUの新たな税務透明性法DAC8が2026年1月1日に発効する。仮想通貨資産サービスプロバイダーは同日からEU居住ユーザーの取引データ収集を開始し、2027年9月までに最初の報告が必要となる。
07:35
ビットコイン現物ETF、4日連続で資金が純流出
仮想通貨ビットコインの米国の現物ETFは、23日の資金フローが約294億円の純流出で、これで4日連続の純流出となった。有識者が要因を分析している。
07:12
サークルを騙る偽の金・銀トークン化サイトが出現、同社が注意喚起
USDCステーブルコイン発行企業サークルを名乗る偽のプラットフォームが12月24日に登場し、トークン化された金と銀の取引を提供すると宣伝していた。サークルの広報担当者は偽物だと否定。
06:15
アーサー・ヘイズがイーサリアム売却継続、DeFiトークンに資金移動か
アーサー・ヘイズ氏が過去1週間で1800ETH以上のイーサリアムを売却し、仮想通貨ENA、PENDLE、ETHFIなどのDeFi銘柄に資金を振り向けている。ポートフォリオのリバランス計画の一環とみられる。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧