BitcoinCash ABCの分裂
暗号資産(仮想通貨)ビットコインキャッシュ(BCH)はプロトコルアップグレードに伴う意見の対立によってフォークが行われ、11月15日21時前後に二つのチェーン(通貨)に分岐する可能性がある。
現在のビットコインキャッシュ(BitcoinCash ABC)はビットコインキャッシュノード(BCHN)とビットコインキャッシュABC(BCHABC)に分岐する予定で、現在のところBCHNが支持するノードで優勢となっている。
今回、ネットワークが対立した主なポイントはプロトコルアップグレードで実装される「マイニング報酬の8%を開発者資金に充当する」とした内容だ。
不足しているとされる開発者資金を増やし、ネットワークの維持、開発に役立てるとされているが、これに対してコミュニティ内で反対が起き、元のネットワークを維持する勢力はビットコインキャッシュノード(BCHN)を新たに立ち上げることを計画している。
Coin.danceのデータによると、過去7日間で、ABCを支持しているのは1%未満で、その他や無支持を除き約85%がBCHNを支持している状況だ。
それに伴い、現在、取引所ではハードフォーク後にBCHNをBCHとして継承する方針が優勢となっている。
いわゆる、通貨が分裂する可能性がある事例のひとつだ。日本でビットコインキャッシュの取引を行う投資家は、日本の仮想通貨取引所がどのような対応方針を取るのか、把握しておく必要がある。
14日時点の取引所の対応方針は以下の通り。分裂後にビットコインキャッシュとして採用する明確な方針を示しているのは、クラーケンとBITPointで、ハッシュパワーが大きいBitcoinCash NodeをBCHとして認識する予定であるとの発表を行なっている。
国内取引所の対応方針
取引所 | 通貨分裂に係る対応方針 | サービスの一時停止等 |
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ビットポイント(11/13時点) | 「現時点においてハッシュパワーの大部分を占めているBitcoinCash NodeをBCHとして継承する予定」でBitcoinCash ABCの取扱いについては引き続き検討する。 |
アップグレードに伴いビットコインキャッシュにおけるサービスを停止中。アップグレード後、安定稼働が十分に確認できた後、サービス再開時期を案内する。 |
クラーケン(11/9時点) | ・クラーケンはフォークの結果に関係なくBCHNをサポートする。 ・BCH ABCについては「BCH ABCネットワークのハッシュパワーがBCHNネットワークのハッシュパワーの少なくとも10%以上の場合にのみ、KrakenはBCH ABCをサポートする」。 ・BCH ABCをサポートする場合は、フォーク時点のBCH残高と同量のBABを付与する。 |
取引は中断無く可能、フォークの約2時間前にBCHの入出庫を停止し、安全稼働をKrakenが確認した後、入出庫が可能になる。 |
GMOコイン(11/11更新) | 11/4よりレバレッジ取引でのBCH/JPYの新規注文を停止、11/11より暗号資産FXおよび取引所(レバレッジ取引)でのBCH/JPYの決済注文、販売所および取引所(現物取引)での注文、預入および送付を停止 |
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楽天ウォレット(11/10更新) | 「分岐した後に主流となった一方を支持」し、BCHサービスを提供 | ビットコインキャッシュ現物取引の停止、入出庫の停止は11/14(水)の14:00から行う。安全が確認できるまで、関連サービスは再開しない。< |
ディーカレット(10/10時点) |
アップデートに伴い、利用者の資産の保全及びお客様の取引に支障が生じるおそれがある場合には、当社が提供するサービスの全部又は一部の提供を一時停止する場合がある。 |
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OKcoin(11/9更新) | 11月14日(土)18:00頃から、BCHの入庫及び出庫並びに現物取引を停止。問題ないことを確認したうえで再開日時等を別途知らせる。 |
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bitbank(11/13更新) | 11月13日(金)17:00~より、暗号資産取引所のBCC/JPY、BCC/BTC、販売所のBCC/JPYペアを停止。暗号資産を貸して増やすサービスも停止。 安定稼働が十分に確認できた後、サービス再開時期等を案内する。 |
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TAOTAO(11/10更新) | 11/11(水)13時の定期メンテナンス終了以降、ポジション(建玉)上限を700BCHから100BCHへ変更。(11月10日追記として、発注上限については引き下げを行わない方針に変更。) 11/13(金)07:00~よりBCHの取引をすべて停止(市場の状況によって事前通知の上、前倒し実施する可能性あり) 安定稼働が十分に確認できた後、サービス再開時期等を案内する。 |