- Q.イーサリアム財団での目標は?
- A.元々教員だったこともあり、コミュニティを広げていくことや、より知ってもらうためのコーディネートを今後していき、この技術の本来の重要性を理解していけばさらなる発展にも繋がると思っています。
- Q.宮口礼子氏が思うICOは?
- A.本来、VCがサポートできなかったものをサポートできるのがICOですが、ネガティブな騒がれ方をしているので、それゆえに規制も強まってしまい、元々の意味が失われてきていると思います。ICOの本質をきちんと理解して欲しいです。
イーサリアム財団Executive Director宮口礼子氏にCoinPost編集部が独占インタビューを実施致しました。
インタビューにご協力いただいた宮口礼子氏に御礼申し上げます。
インタビュー内容一覧
- ―Q.イーサリアムファンデーションに入り、このプロジェクトに関わろうと決めた理由を教えてください。
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A.元々はKrakenで仕事をしていました。
その時にイーサリアム開発中のVitalikに出会って、それが出来上がっていくのを実際に見ていました。
テクノロジーとしては革命的だと思いましたし、コミュニティがつくる技術といったところが大きなインパクトを作れると思いました。
また、私自身ソーシャルインパクトのブロックチェーンでやりたいアイデアがたくさんあったのですが、そこにおいてイーサリアムはあまりに重要で、イーサリアムがちゃんとスケーリングしないと自分が考えていたアイデアがどれも機能しないということに気づきました。
そしてこの機会を頂いた時に、他のやりたいこともありましたがまずこれをサポートしてからじゃないと他のこともやれないなと思い参加しました。
- ―Q.他に日本人の方はイーサリアムファンデーションにいらっしゃるのでしょうか?
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A.ドイツ在住の日本人エンジニアが一人います。
- ―Q.宮口さんが今後イーサリアムで成し遂げたいことを教えてください。
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A.元々教員だったこともあり、コミュニティを広げていくことや、みんなにもっと知ってもらうための教育、などといったコミュニティのコーディネーションはやっていきたいです。
それと、たまたま私が日本出身だからという理由ではありますが、日本ではまだまだなのでもっと頑張って欲しいなと思います。
今はまだネガティブな話やお金儲けのみに特化した話が多いので、本当にこの技術で何ができるのか、なぜ重要なのかを理解してもらう方が日本のためにもなるはずです。
面白いプロダクトも日本から出てきて欲しいと思うので、そこの教育をしていきたいです。
- ―Q.そのためには今後何が必要だとお考えでしょうか。
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A.私もエンジニアではないですが、やはり最低限、技術がどう機能するかは皆に知って欲しいです。
なぜイーサリアムが他と違うのかを理解してもらえれば、この技術がどういうことに利用できるかが見えてくると思います。
本来であれば自分で学んでいって欲しいという思いもありますが、そういう学びの機会をこちら側がサポートできればと考えています。
まさに今夜も、その良い機会の内のひとつですね。
- ―Q.孫泰蔵さんがICOについて「we do not need VC anymore」と仰っていましたがそれについては宮口さんはどうお考えですか?
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A.VCの方々がいなくなればいいということではなくて、VCがサポートできなかったものをサポートできるのがICOであり、本来ならそういう素晴らしいものなのですが。
今はあまりにもネガティブな騒がれ方をしているので、それゆえに規制も強まってしまい、元々の意味が失われてきているということがあります。
それをもっと広い視野、長い目で見て、どういう規制が必要なのか考えたりする動きが行われていかないと、本来持っている意味がなかなか活かされないままです。
現在は単なる一攫千金のお金稼ぎというようなことになっていますが、本来なら本当にサポートしたいプロジェクトを誰でも、どこの国にいてもサポートできるという点に意味があると思いますので、そうなるために良い例を増やして欲しいです。
スキャムみたいなものばかり取り上げられてしまいますが、良いプロダクトは沢山あります。
そういった良い例を出せるようになれば、本当に意味があると思います。
そうなれば本当に孫さんが仰るようになるのではないでしょうか。
孫さんご自身もVCをやって今までブロックチェーンをサポートされていますが、長期的な意味のあるプロジェクトに投資されているので。
あまりそういうことをやっている企業や投資家はいないですけどね。
- ―Q.2017年は仮想通貨・ブロックチェーン元年と言われましたが、規制も進む中2018年はこれらの市場がどう変わっていくと思いますか?
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A.日本では色々なICOなどが国外からくるばかりで、プロダクトを中から作っているケースがまだ少ないですよね。
ですので、その始まりとしてエンジニアの人が業界により興味を持ってもらって、日本人は上手にプロダクトを作っていける文化もありますから、日本からプロダクトが生まれてくる始まりの年になればいいなと思います。