米下院委員長、仮想通貨セクターを後押しするガイドラインの撤回を求める

「仮想通貨をめぐるOCCガイドラインの撤回や監視を」

米国下院の金融サービス委員会の委員長を務めるMaxine Waters議員が、次期大統領として選ばれたJoe Biden氏に向けて書簡を提出。その中で通貨監督庁(OCC)によって発行されたすべての暗号資産(仮想通貨)関連のガイダンスを撤回または監視することを推奨している。

Waters議員らはトランプ政権下において実施された政策の中で改善すべき点を精査し、書簡の中で列挙しており、その内の一つとして仮想通貨に関する政策が挙げられている。

米通貨監督庁の新ガイドライン

トランプ大統領よりOCCの次期長官として指名されている、現OCC長官代理のBrian Brooks氏は、仮想通貨を促進する可能性のあるガイドラインを次々と打ち出していた。同氏は仮想通貨取引所コインベース出身で、ブロックチェーンや仮想通貨に対して肯定的な姿勢を持つことで知られる。

今年7月には、銀行が仮想通貨カストディを行うことを可能にする解釈文書を発表。また9月には、連邦に公認された銀行が、特定のステーブルコインを発行する顧客に代わって、銀行が準備金を保有できることを明確にする文書を公表した。

どちらも、銀行の仮想通貨業界への参与を促すものとなる。

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また11月には、米貯蓄貸付組合および国民貯蓄銀行(国法銀行)に対し、業界などに関わらず公平に金融サービスを提供するよう求めることを提案した。

この案を受けて、仮想通貨取引所クラーケンのMarco Santori最高法務責任者は、「大手銀行が、合法なのに敬遠している顧客には、もちろん仮想通貨企業も含まれる」として業界への追い風となることを期待している。

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「銀行が仮想通貨をサポートするガイダンスを撤回すべき」

しかし、今回Waters議員の提出した書簡では、こうした姿勢が批判されている。

通貨監督庁(OCC)の役人は、国立銀行が、銀行ではないフィンテックやその他決済企業に保証を与えるようにするような権限を自分たちが有していると考えるべきではない。

特に、銀行がステーブルコイン発行者のための準備金を維持することや、ユーザーに仮想通貨カストディサービスを提供することを可能にするガイダンスについて、撤回すべきと訴えた。

また同時に、銀行がデジタル資産に関する活動を行う上での規則制定に関して、OCCが事前に出す通知内容を、政府が監視することも推奨した。

ステーブルコインへの規制厳格化を求める法案も

これに関連して、米国下院ではステーブルコインを厳格に規制すべきとの法案も提出されている。

この「STABLE」と称する法案は、ステーブルコインを発行するために銀行設立許可書を取得し、当局の承認を得ること、また取得後も継続的にシステミック・リスクに関する監査を受けることなどを盛り込んでいる。

仮に法律として成立すれば、米国居住者向けにサービスを提供する多くの企業が規制対象になりうるもので、仮想通貨支持派のTom Emmer議員は「イノベーション保護には不適当」な法案だとして批判している。

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著者:A.Yamada

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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します