分散型のプロトコル経済促進へ
韓国のブロックチェーン投資企業Hashedが、ブロックチェーンや新たな分散型経済に特化したファンド設立のために1200億ウォン(約112億円)を調達したことが判明した。
このファンドは、ブロックチェーン技術企業だけでなく、市場参加者が主体的、かつ独立して相互に作用可能な開放型の「プロトコル経済」を促進する、韓国内および世界の革新的なスタートアップにも集中投資を行うものである。
同社CEOのSimon Kim氏は、分散型ネットワークの次の波は、共有のパブリック台帳を使用したネットワークによって参加者が主体的にデータや価値をグローバルに送信する「プロトコル経済」の時代だと語った。
また「これまでHashedが構築してきたブロックチェーン投資の専門知識と、グローバルネットワークを組み合わせて、革新的な投資事例を作り出していく」と意気込みを述べている。
同社はブロックチェーンプラットフォーム、金融インフラ、アプリなどに投資しており、これまでイーサリアム、コスモス、イオス、オントロジー、ICON、MakerDAO、PundiX、Kyber Networkなどを含む、数十の仮想通貨企業に投資を行ってきた。
コインデスクによると、Kim氏は「私たちは、人々が特定の企業ではなく、さまざまなネットワーク(プロトコル)で働く社会に住むことになると信じている。そこで、人々の仕事や生活を支援する様々なネットワークを見つけることが私たちの使命だ。」とビジョンを述べている。
Hashedは具体的な名前を明らかにしていないものの、今回の資金調達では韓国の大手IT企業やコングロマリットも投資に参加したという。
規制が整備される韓国
韓国では、仮想通貨関連の法規制が進んでいる。同国の金融委員会(FSC)は、金融活動作業部会(FATF)の国際基準に合わせるため11月にAML(資金洗浄対策)要件などを課すことを定める草案を発表した。
具体的には、仮想資産サービスプロバイダー(VASP)が顧客との金融取引で実名口座を使用すること、顧客資産を取引所資産とは切り離して預金しておくこと、顧客の取引記録を個別管理することなどを規定に求めた。
またプライバシー通貨も禁止されることになる方針だ。「取引履歴の把握が困難で資金洗浄リスクが大きい仮想資産」を事業者が取り扱いできなくなる予定で、ダッシュ(DASH)、Zcash(ZEC)、モネロ(XMR)などの銘柄が禁止される可能性がある。
こうした追加要件は、2021年3月25日に発効予定だ。
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さらに仮想通貨への課税に関しても整備が進んでいる。改正税法で、仮想通貨を通貨ではなく、資産価値のある「商品」とみなし、1年間の仮想通貨取引によって生じた250万ウォン(約23万円)を超えるキャピタルゲインに対し、20%が課税される。
日本では、仮想通貨の売却益に対する税率は総合課税で最大55%となるものの、韓国では分離課税方式だ。
この改正税法は当初2021年10月1日から施行される見込みだったが、インフラ整備に時間が必要との仮想通貨業界の意見を受けて、2022年1月まで正式に施行が延期された。
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