著名アナリストが語る上昇相場の要因
今週月曜日に急落し、主要メディアでも大きく報じられたビットコインは木曜日にかけて再び一時4万ドルにまで迫るなど再び回復した。
好調な価格を支えているのはHNWI(High NetWorth Individual)と呼ばれる富裕層・超富裕層との指摘がある。オンチェーンの分析などを行うWilly Woo氏がツイッターで指摘したのは、大口投資家を示す「クジラ」の急激な増加と、ビットコイン流通量の枯渇だ。
個人の富裕層は(ビットコインへの)アロケーションが必要だと気づかされた。自分の考えでは、これ(富裕層の流入)がビットコインが23000ドルを超えて急上昇した理由だ。
ブロックチェーン分析企業Glassnodeのデータによると、ビットコイン(BTC)を1000BTC(約35億円)以上保有しているアドレスの数(大口投資家≒クジラ)は過去最高を更新している。
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またWoo氏は、こういったクジラの増加を「クジラの産卵期」と表現、超富裕層が参入するこれまでにないサイクルだと形容した。
Whale spawning season is here. (1000 BTC or more).
— Willy Woo (@woonomic) January 14, 2021
Very high net worth individuals are coming in, in droves.
This cycle is unlike any we've seen before. pic.twitter.com/ea2Slqq9wH
秘密鍵紛失などで「失われた」ビットコイン
また、Woo氏は失われたビットコインについても言及しており、仮想通貨データ企業Chainalysisの分析では最大で370万BTCが紛失されている為、一般的に流通されている供給量より実際には少ない可能性を指摘。
ビットコインにアクセスするウォレットの秘密鍵を失う、あるいは間違ったアドレスに送金してしまう、といった理由で、アクセス(引き出しなど)ができなくなったビットコインは一定数存在すると考えられる。
最近では、リップル・ラボ元CTOのステファン・トーマス氏は、7002BTC(約280億円)へのアクセスを失いかけていることを明かしている。
NYタイムズの報道によると、秘密鍵を保持するデバイスのパスワードを忘れてしまったという。
現在の価値にすれば相当な額のビットコインも、トーマス氏が受け取った当時は暗号資産を解説するビデオを制作したことで貰ったささやかな報酬に過ぎなかったと言及していた。
BTC保有者のHODL率も過去最高に
秘密鍵の紛失で「アクセス不能」となったビットコインに加え、仮想通貨データ企業glassnodeの分析によれば、既に市場に流通している流通量の中でも最大78%が流動性が低く、ビットコイン保有者に「HODL」されている状態であることが判明していた。
- (Highly liquid)流動性が高い流通量:300万BTC
- (Liquid)流動性のある流通量:120万BTC
- (Illiquid)流動性がほとんど無い流通量:1450万BTC
Woo氏はこのような結果を踏まえながら、新型コロナウイルス対策で金融政策が重なったことがビットコインの元々少ない供給量に対する需要にさらに拍車をかけたと指摘している。
And BTW, those 4.1m coins that are liquid and available is dropping really quickly ever since COVID bootstrapped this round of money printing. pic.twitter.com/vTQoMnD38H
— Willy Woo (@woonomic) January 14, 2021
又、最近では米仮想通貨投資大手グレースケール社がビットコインの新規発行量より多いペースでBTCを購入している事例も話題となっていた。
このようにアクセス不能、又はアクセスされず放置(≒HODL)されているビットコインの正確な数字は不明であるものの、オンチェーンデータを基にした推測が実質的な供給量はCMCで表示される数値より低いことを示唆している。
元々供給が限られるビットコインの希少性をさらに増す要素として今後も憶えておきたいデータとなりそうだ。