仮想通貨指標分析プラットフォームを構築へ
ビットコイン(BTC)を財務資産として購入する企業の先駆けである米MicroStrategy社が、事業の面でも暗号資産(仮想通貨)分野への参入を計画しているようだ。
MicroStrategy社は現在、ブロックチェーン・データアナリストとブロックチェーン・データエンジニアを求人募集している。募集内容によると、新たに雇用された者は「ビットコインについての指標やインサイトを備えた分析プラットフォーム」を構築し、現在成長中のチームに参加することになるという。
現在、MicroStrategy社の主な事業は、エンタープライズ向けに情報分析のためのソフトウェアなどを提供することだ。求人情報では「データインテリジェンスをブロックチェーンと仮想通貨の分野に導入する」としており、これまでの知見を活かして、仮想通貨データに関わる事業を展開する計画であることが窺える。
データアナリストについては「統計とモデリングの知識を用いて、ブロックチェーンとその関連データセットを理解・考察し、高度な指標構築や分析を行う能力」が求められるという。
また、データエンジニアについては「パフォーマンスの高いデータの供給経路と分析プロジェクトを構築、データの視覚化を通じて高度な分析やインサイトを、幅広いオーディエンスと共有する」ことを役割として挙げている。
どちらの職でも「分散型システムおよびビットコインなどの仮想通貨プロトコルに関する確かな経験」、「パブリック、プライベート、および許可されたブロックチェーンとのインターフェースになる製品およびサービスの作成経験」、「株式または通貨のモデリング手法に通じ、データモデリング、統計、および視覚化手法の経験がある」ことなどが要件とされている。
MicroStrategy社はまだ新事業について詳細を発表していないが、仮想通貨の情報を分析し、統計を構築・視覚化して提供するサービスを開発するという方向性が浮かび上がる。
同社のMichael Saylor CEOは、昨年10月に仮想通貨を巡るデータは取引量が水増しされているなど正しくないものが多く、ビットコイン採用を抑制していると発言していた。その点を改善するサービスになる可能性もありそうだ。
2021年に入ってからもビットコイン増資
MicroStrategy社は今月2日にも、約295枚のビットコインを追加購入したと報告。同社はこれで2020年の購入分も含めて合計71,079 BTC(時価約3,560億円)を所有していることになる。
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また、MicroStrategy社は今月3日よりビットコイン投資に関する企業向けカンファレンスを開催した。
ビットコインを準備資産として保有することを検討する企業をサポートするために開かれたものだ。事前に約1,400社の企業が登録し、イスラエルやスイス、ブラジル、イタリアなど少なくとも世界16ヵ国の一般企業が参加している。
Saylor CEOは主にインフレヘッジを目的としてビットコインに投資を決めたが、その後Square社やMassMutualなどの大手企業によるビットコイン購入の事例が続いた。ファンドや投資信託の需要も増加しており、企業のビットコイン需要が増えつつある。
さらに、米電気自動車メーカー、テスラ社が1~2月にビットコインに総額15億ドル(1,600億円相当)を投資していたことも判明して話題を呼んでいる。
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