分散型SNS、仮想通貨イオス開発者が新プロジェクトに着手

EOS開発者、新たな分散型SNSに着手

暗号資産(仮想通貨)EOS(イオス)やブログプラットフォーム「Steemit」(Hive)などのプロジェクトに携わったブロックチェーン開発者のDaniel Larimer氏が2日、新たな分散型SNS「Clarion」の開発を明らかにした。21年1月、物議を醸した米トランプ元大統領のアカウント凍結など、直近のTwitterやGoogle、Amazon、AppleなどのGAFA企業の検閲に対抗する形だ。

Larimer氏はこれまでにも分散化プラットフォームのSteemitやイオスの開発に携わるBlock.oneなどの立ち上げに参画したブロックチェーン開発者。21年1月中旬にはBlock.one社のCTO辞任を表明し、第三者機関から検閲(センサーシップ)の無い「人々が自身の自由を確保するために使用できるツールの作成」に携わる意向を示していた。

今月2日にGithubに投稿された内容では、新プロジェクト「Clarion」の開発を進めていると説明。中央集権的なインフラに頼らずとも、同等レベルの高パフォーマンスで信頼できるオープンで分散化されたSNSプラットフォームの提供を目指すという。

「検閲の無い」や「分散化」など、特徴的にはブロックチェーン界隈の価値提案に近いが、Larimer氏はClarionがブロックチェーン技術は活用せず、速度の早いモバイルアプリに特化する為、Web Assemblyを活用すると述べている。

GAFA企業のグーグルやアマゾン、アップルなどの最近の動向はAppストアやホスティングサービスも将来的にはアプリやコンテンツの流通に優れないと述べ、検閲耐性を持つモバイルアプリを提供するためにはプログレッシブウェブアプリケーションを活用するべきと語った。

ブロックチェーンのネットワークは「ロジック的に中央集権的」と述べ、全てのフルノードが全てのトランザクションを処理する必要があると説明。ユーザー層を一般人までスケールする場合、少数のウェブポータルに依存する形になるため、望ましくないなどと説明している。

ツイッター上でも4日、Larimer氏はClarionがブロックチェーン・プロジェクトでは無い点を強調した。

Clarionはブロックチェーンではなく、無料(投資が不要)でオープンソースなソフトウェアだ。資金の調達や投資を将来的に呼びかける計画は無い。人々のコミュニケーションを力付ける技術を築くために(自分の)資産を費やしている。

現在Clarionの進捗状況はまだ初期段階で、初期プロトタイプの開発に携わる開発者チームを集めている最中。オープンで誰でも貢献できる仕組みで進めていく方向を示した。

またClarion OSはブロックチェーンプラットフォームではないものの、トークンやスマートコントラクトの開発も可能であるとしている。

着目される「検閲の無いプラットフォーム」

Larimer氏はブロックチェーン企業Block.oneのCTOだった際にも、Twitterの検閲は「制御不能になっている」と非難し、Block.oneが立ち上げたSNS「Voice」での投稿に移動していた。

今回の投稿では、Voiceからも教訓を踏まえてより分散化され、高出力なプラットフォームの開発を目指すLarimer氏の姿勢が見えたため、Block.oneやSteemitやVoiceなどの競合となると一部では憶測が飛び交っている。

米首都の暴動とトランプ大統領のアカウント凍結

21年1月には米国のトランプ元大統領が米国首都のワシントンD.C.で発生した暴動を煽動する言動を繰り返したことなどが「公共の安全を脅かした」などとして、ツイッター社からアカウントが凍結されていた。

ツイッター社のJack Dorsey CEOもトランプ氏のアカウント凍結後、「ツイッター社にとって正しい判断だった」と苦渋の決断を迫られたと言及。発言の自由を妨げる「良くない前例」を作り、言論の規制は「オープンなインターネットの理想に反する」したと述べた上で、「オープンで分散化された」SNSプラットフォーム「Blue Sky」の開発に出資している姿勢を明らかにしていた。

1月の暴動事件では警察官を含む5名の死者が出た他、暴動に携わった抗議者300名以上が逮捕されており、逮捕された容疑者の中には極右団体の「Proud Boys」、また武装組織のOath KeepersやThree Percentersなどの関係者も含まれている。

史上初となる米大統領のアカウント凍結を受け、米国ではトランプ支持派などのユーザーが保守派SNS「パーラー」への移動が確認された。しかし暴力を鼓舞する投稿が相次いだとしてアマゾン社は同アプリが利用したホスティング・サービス(AWS)の提供を停止する措置を講じている。

その他のGAFA企業のフェイスブック社やグーグル(傘下のYoutube)もトランプ元大統領のチャンネルを凍結するなど、ビッグテック企業による政治的な内容の検閲が社会問題に発展した。GAFA企業からすれば、近年政治的な対立が深まるアメリカで、「言論の自由」と「公共の安全」が両立が難しくなっている状況だ。

ロイターの報道では4日にも、米下院での議会への侵入計画が計画されていたため、審議が中止となった。民主党のバイデン大統領就任後は落ち着いた感があったが、再び緊張感が高まっている。

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