著名ファンドの見解は?
大物投資家George Soros氏が立ち上げた投資会社「ソロス・ファンド・マネジメント」が暗号資産(仮想通貨)ビットコインを評価しているようだ。
ソロス・ファンド・マネジメントは総額5,800億円相当の資産を運用し、伝統アセットのほか、仮想通貨インフラにも投資している。
同社の最高投資責任者Dawn Fitzpatrick氏はブルームバーグTVで、ビットコイン(BTC)に関する見解を語った。
ビットコインの現在のステータスについて、Fitzpatrick氏は「外縁資産(フリンジアセット)から脱出しており、興味深い資産だ」と評価。そう評価する背景には、経済政策による米ドルのマネーサプライ急増があり、「一年前ではビットコインが外縁資産に留まるという考えがあったが、現在のマネーサプライを見れば、インフレのリスクが高くなっている」、「一方、ビットコインの発行枚数は固定されており、簡単に移動できる資産だ。ゴールド投資家からもシェアを取っている」と話した。
一方、個人またはソロス・ファンド・マネジメントがビットコインやその他の仮想通貨に投資しているかという質問についてはコメントを控えた。
マネーサプライ急増を懸念し、ビットコインへの投資に動いた企業は複数出ている。ビットコインを最も保有する上場企業のMicroStrategyやテスラ、Squareなどがその一例だ。また、投資企業の中でも、One River社やStoneRidgeなどもビットコインに投資している。
CBDCとビットコインの関係
Fitzpatrick氏は取材で、中国版CBDC(中央銀行デジタル通貨)デジタル人民元の開発の進展やビットコインへの影響についても見解を披露した。
「CBDCの開発は想像より加速している。特に中国はこの分野でリードしている」と述べ、「中国はおそらく世界にデジタル人民元を普及させ、ビットコインの影響力を牽制しようとしているかもしれない」と推測。一方、中国がビットコインの発展を阻害することはできないとした。
中国の中央銀行はすでにデジタル人民元の大規模テスト運用を行っており、一部の国営銀行が専用ウォレットの申請窓口を一般市民に開放し始めている。一方、米国のFRB(連邦準備制度理事会)は依然としてCBDCに対して慎重な姿勢を取り、パウエル議長は先日、現時点では発行するかも含め、何かを決断しているという状況ではないと話した経緯がある。
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