ドージコインの特徴
ドージコイン(DOGE)は2013年12月、プログラマーのBilly Markus氏およびJackson Palmer氏によってジョークとして開発された仮想通貨です(その後、両氏はドージコインプロジェクトから離れました)。
Markus氏に関しては、2015年に手持ちのドージコインをすべて売却済みで、「中古のホンダ・シビックが買える程度の利益しか得られなかった」と発言しています。
またMarkus氏は「(ドージコインに)意味はありません。超シュールだ。コインのデザインもシュールだった」などと述べています。
ソースコードとしてライトコイン(LTC)が元となっており、マイニングのアルゴリズムにもライトコインと同じScryptが採用されています。
ブロック生成時間がライトコインよりも短く、約1分でブロックが生成すること、さらにコインの発行上限が定められていないことが大きな特徴です。
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ドージコインは、海外の掲示板サイトである「4chan」で話題になった、柴犬の写真にテキストを追加した「Doge」というインターネット・ミーム(インターネット上でシンボル的に用いられて流行になる画像など)が発端となりました。
Dogeとビットコイン(BTC)のパロディとして作られ、日本の掲示板「2ちゃんねる」におけるアスキーアートのキャラクターから派生した仮想通貨モナコイン(MONA)に似た成り立ちをもっています。
パロディ通貨としての側面を持つ一方で、通貨の開発・改良も積極的に行われ、難易度調整やブロック報酬の仕様、発行上限の撤廃など、利用者のニーズに合わせ臨機応変なシステム変更が度々行われています。
概要
通貨コード | DOGE |
---|---|
公開日 | 2013年12月8日 |
発行上限 | なし(現在の供給量:約1,320億DOGE) |
コンセンサスメカニズム | Proof of Work(PoW) |
公式サイト | Dogecoin公式サイト |
エクスプローラーURL | |
White paper | なし |
草コインの代表格としてのドージコイン
ドージコインはいわゆる「草コイン」の代表格としての扱いを受けることも多く、時価総額の小さい草コインを多く取り扱うCoinExchange、Cryptopia、Tradesatoshiといった取引所で、基軸通貨としてドージコインが用いられていました。
草コインの中には1枚あたりの価値が1satに満たない通貨もあるため、BTC、USD等の通貨への橋渡しとして、1枚あたりの価値が100sat以下であるドージコインをブリッジ通貨として使用。
また、このような背景から草コイン全体の動向がドージコインの値動きに影響されるため、ドージコイン価格をベンチマークとして参照する投資家も多く見られます。
ドージコインを支える強力なコミュニティ
ドージコインの強みの一つに、多くのファンに支えられている強力なコミュニティが存在していることが挙げられます。
2014年のソチ冬季オリンピックの際には、ジャマイカのホブスレーチームが大会に出場するための資金調達手段として同志によるドージコインでの寄付活動が行われ、1日で3万ドル(約345万円)を集めたことで大きな話題となりました。
ドージコインのコミュニティは、英語圏で人気のSNS「Reddit」上に存在しています。
ドージコインの使い方や目的
以前は実社会で使われる通貨や、ユーティリティトークンとしての側面よりも、インターネット上での少額のチップや投げ銭、寄付の資金として使われることが多かったようです。
また、人気SNSのRedditでは、ドージコインによって商品を購入できるプラットフォーム「DogeMarket」が利用でき、一部コミュニティでは通貨としての機能を果たしている事が窺えます。DogeMarketでは、ドージコインを使い、アマゾンギフトカードや商品の購入、ビットコインとの交換などが可能です。
ドージコインは、迅速な支払いができ、少額な決済に向いていることから、マイクロペイメントのような使い方が好まれています。というのも、従来のマイクロペイメントでは、少額の支払いをするのに高い手数料をとられてしまうことがあるものの、ドージコインなら手数料を安く抑えられるという利点があるからです。
ウォレット
ドージコインを保有するために、公式ウェブサイトでは2つのウォレットを紹介しています。
1つ目は「Multidoge」。これはライトウォレットで、ブロックチェーンと速く同期ができる軽量タイプです。2つ目は「Dogecoin Core」。こちらはノードの運営もできる完全版のウォレットです。
2021年、ドージコインの急騰を裏付ける要因
2021年5月5日、ドージコインの価格は0.50ドル(約57円)を初めて超え、1年間で20,000%以上の価格上昇を見せました。その要因として、ビットコインの値動きへの連動だけでなく、社会的影響力の高い著名人のSNS上での発言による変動も挙げられます。
米テスラ・最高経営責任者のイーロン・マスク氏は、「ドージ・ファーザー(ドージコインの父)」を自称しており、彼のツイートによるパンプ(価格高騰)は、日本でも話題になりました。
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また、マスク氏の率いる航空宇宙メーカー「スペースX」が、ドージコインで決済された世界初の商用月輸送ミッション「DOGE-1 Mission to the Moon」を2022年の第1四半期に実施する計画も明らかとなっています。
イーロン・マスクはこれについて「来年(22年)、DOGE-1を月に打ち上げる。ドージコインで支払われるミッション。宇宙(に進出する)初の仮想通貨。」などとツイートしています。
SpaceX launching satellite Doge-1 to the moon next year
— Elon Musk (@elonmusk) May 9, 2021
– Mission paid for in Doge
– 1st crypto in space
– 1st meme in space
To the mooooonnn!!https://t.co/xXfjGZVeUW
ユースケースの増加
ドージコインに対する注目度が高まったことで、2021年にはユースケースが増加。決済手段として新たにドージコインを取り入れる企業も誕生しました。
2021年12月には、東証1部上場企業で、オンラインゲーム制作企業の株式会社ネクソンが、連結子会社が仮想通貨でゲーム内アイテムを購入できるようにすることを発表。対応銘柄にドージコインも採用されました。
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また、2022年1月にはテスラがドージコイン決済を開始。2月には特定のスーパーチャージ(急速充電)施設でドージコインの利用を可能にする計画も明かしました。
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他には、英プレミアリーグのチーム「ワトフォードFC」がドージコインのロゴが入ったユニフォームを着用することも判明。試合のチケットや関連商品を購入する際の決済手段でドージコインを採用した米NBAのチーム「ダラス・マーベリックス」が、ドージコインを保有する方針を示したといった事例もあります。
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DogeDEXの誕生
2021年3月にはドージコインを主体にした分散型取引所(DEX)「DogeDEX」がローンチされました。ビットコイン、ライトコイン、イーサリアム(ETH)など多くの銘柄とドージコインをスワップ(交換)したり、流動性を提供したりできるDEXです。
Android端末やiOS端末、パソコンで利用が可能。秘密鍵を自分で管理できる自己ホスト型ウォレットとしても機能します。
ドージコイン財団が復活
2021年8月、ドージコイン財団が活動を再開することを発表しました。2014年に設立された後、活動を休止していましたが、ドージコインのエコシステムやコミュニティのサポートを再開しています。
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再開時にはイーサリアムの共同創設者ヴィタリック・ブテリン氏がアドバイザーとして参加。ドージコイン財団は、以下の3つを活動の柱にすると説明しました。
- 開発や支援を通してドージコインをサポート
- ドージコインの商標の保護
- ドージコインのロードマップ作成やガバナンスに参加
また、財団は2021年12月に、その後の計画「Trailmap」を発表。ドージコインのプルーフ・オブ・ステーク(PoS)版を導入する提案がされていて、ステーキングを行えるようにする計画も明らかになっています。
本記事執筆時点の「Trailmap」の内容は以下の通り。
- ウェブサイト「Dogecoin.com」の内容変更
- プロダクト開発用のライブラリ「Libdogecoin」の提供
- 「Dogecoin Standard」として仕様を提供
- プラットフォーム導入サービス「GigaWallet」の提供
- Dogecoin Keyring(アプリ開発キット)
- RadioDoge
- パートナーシップ:販売時点情報管理システム(L2アプリ)
国内暗号資産取引所での取扱
執筆時点の22年3月現在、ドージコインは日本国内の仮想通貨取引所に未上場ですが、暗号資産取引所BTCBOXが「かんたん売買」サービスにてドージコインを扱う準備を進めていると発表しています。
BTCBOXでは、2022年4月中に「かんたん売買」において、新たに「ドージコイン(DOGE)」の取扱いを予定しております。
— BTCBOX 公式(BTCボックス) (@BtcBox_Co_Ltd) March 29, 2022
ドージコインはインターネット・ミームである「ドージ(@dogecoin)」の柴犬をモチーフとした暗号資産です。https://t.co/Ltwh0MweJ7
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