CoinPostで今最も読まれています

「仮想通貨のネガティブイメージ払拭を」JCBAがレポートでユースケースなど集約

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

仮想通貨の有用性を周知

一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)は7日、「暗号資産のユースケースに係るディスカッションペーパー 中間報告書」を取りまとめ、公表した。本レポートは、ビットコイン(BTC)など暗号資産(仮想通貨)のユースケース・有用性の周知を目的としたものであると説明している。

レポート作成の背景

出典:JCBA

JCBAはレポート作成の背景について次のように説明した。

ビットコインに代表される暗号資産については”投機の道具”といったネガティブなイメージで捉えられる傾向にあります。

このことは、暗号資産を取り扱う、あるいは取り扱おうとする事業者に係る規制や税制が他の資産や金融商品を取り扱う場合と比較して厳格なものへと傾く原動力となり、本来「暗号資産」を含むブロックチェーン技術を基盤とするトークンが備えている、社会に有用な便益をもたらす機能を十分に発揮することが妨げられていると考えられます。

このような現状は、「暗号資産」に係る理解を促進する情報発信が十分ではないことが要因の一つとして考えられます。

仮想通貨について回る「投機の道具」といったネガティブなイメージにより、事業者への規制や税制が必要以上に厳格化されている傾向があると指摘。仮想通貨・ブロックチェーンが備えている有用性や多様なユースケースについて情報発信することにより、こうした現状を変えていく試みであると明かした。

本レポートは以下の3つのテーマに分かれている。

  1. 「暗号資産」に係るユースケースの拡大及びエコシステムの整備
  2. ユースケースの構想・アイデア
  3. 「暗号資産」に係るユースケースの創出に向けた取組み
  • 「暗号資産」に係るユースケースの拡大及びエコシステムの整備

「資産価値の保全(インフレヘッジ)」「決済・支払手段としての活用」「金融機関の暗号資産業界への参入」など6つのカテゴリーに分類し、それぞれ具体的な事例を取り上げたうえで議論している。「機関投資家の参入とリテール投資商品の拡大」というカテゴリーでは米仮想通貨運用企業グレイスケールや米資産運用会社フィディリティなどの事例を取り上げ、「『暗号資産』への『投機』だけではない『投資』も含めた金融商品としてのニーズが高まっていることを示唆している」と指摘した。

出典:JCBA

  • ユースケースの構想・アイデア

仮想通貨を活用した社会問題を解決するユースケースのアイディアを提示している。地域活性化につなげていくユースケースとしては次のようなアイディアを披露した。

「暗号資産」を特定の地域内の企業が不特定多数の投資家から資金を調達する手段(いわゆるセキュリティトークンに該当するスキームを除く)として活用する。

デジタルの特性を生かすこと及び地域活性化に資するものとする観点から、数十万円から数百万円程度の小規模の資金調達と数千円程度を最低投資単位とするデジタル地域通貨による少額投資のスキームを想定する。

この手法はクラウドファンディングに近く、クラウドファンディングの持分をデジタル化したものが仮想通貨であると説明した。

  • 「暗号資産」に係るユースケースの創出に向けた取組み

JCBA は、仮想通貨・ブロックチェーン関連企業や、法律事務所など現在100社が会員となっているとし、仮想通貨だけでなくステーブルコインやNFT(非代替性トークン)などのデジタル資産に関わる領域も網羅しており、それらの分野に精通する専門家が多く関与していると説明。JCBAが持つ専門家によるネットワークを活用し、ユースケースとなるプロジェクトを推進していくことが可能であるとした。

また、ユースケースをパイロットプロジェクトとして具体的に支援することも検討していると明かした。「とりわけ、新設した団体会員を活用し、地方自治体との連携体制を構築しながら、地方創生に貢献できるユースケースの創出に向けて、ユースケース部会を中心に取り組んでいく」ことを表明している。

本レポートは「中間報告書」であるが、ユースケースに関連する取組みの進捗状況などを踏まえて最終版を公表するという。

FATFに意見書も

JCBAは4月、金融活動作業部会(FATF)が3月に公表した、仮想通貨に関する市中協議文書に対して寄せられた関係者の意見を取りまとめてFATFに提出している。「FATFが公表した改訂ガイダンスでは、暗号資産というイノベーションが期待される分野について、暗号資産やサービスプロバイダーの定義の拡大解釈等を提案」しているとし、警鐘を鳴らした格好だ。

主な内容としては「暗号資産が銀行口座を持たない人々の金融包摂に寄与することへの配慮」や「イノベーションを促進する技術へ寄り添った規制の在り方、プライバシー権など個人の権利保護への配慮」が必要であるなどといった意見を紹介。また、意見書の中ではFATFの規制基準について暗に批判する内容も盛り込まれていた。

不明確なガイダンスを確定させることは、各法域に不明確な刑罰法規を導入させることにつながるおそれが高い。これはイノベーションを委縮させるだけでなく、不明確な刑罰法規の適用による人権侵害につながりうるものである。

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
04/27 土曜日
13:00
BAYCで知られるYuga Labs、事業再編でチームメンバー削減 
Yuga Labsは、事業再編の一環としてチームメンバーの一部を削減した。「より小規模で機敏でクリプト・ネイティブなチーム」にする意向だ。
10:30
米国で仮想通貨発行の推奨事項5ヶ条、a16z明かす
大手ベンチャーキャピタルa16zは、米国で仮想通貨トークンを発行する際の推奨事項を挙げた。特に証券性など米SECをめぐる対処を中心としている。
09:30
ビットコインRunesデビュー1週間、200億円以上の手数料生み出す
手数料については、ミーム仮想通貨取引への高い需要が原因で、4月初めの5ドルから平均40ドルまで高騰している。ビットコインのマイニング報酬が半減し、収益が大幅に減少する見通しとなっていた採掘業者にとっては朗報だ。
08:00
半減期後のBTCのリターン、Nansen主席アナリストが分析
半減期後の仮想通貨ビットコインのリターンを、ブロックチェーン分析企業Nansenの主席リサーチアナリストが分析。半減期後250日までが最もリターンが高いという。
07:30
円安158円台に、米ハイテク株高 来週FOMC金利発表|金融短観
本日の米国株指数は反発。エヌビディアやアルファベットなど大手IT株がけん引役となった。前日発表の米1-3月期GDPは予想を下回って悪材料となっていたが、昨夜発表の米3月PCEデフレーターはほぼ予想通りだった。
05:55
パンテラ、FTXの仮想通貨ソラナを追加取得
FTX破産財団はこれまですでにロックアップされた仮想通貨SOLの約3分の2を手放した。その多くは4年後に完全にアンロックされる見込みだ。
04/26 金曜日
14:22
「ミームコインは危険なカジノのよう」米アンドリーセン・ホロウィッツCTOが警鐘鳴らす
米大手VCアンドリーセン・ホロウィッツの エディ・ラザリン最高技術責任者は、ミームコインを「危険なカジノ」に例え、仮想通貨エコシステムから「本物の起業家」を遠ざける可能性があると主張した。
14:00
米FBI、マネロン防止ルール非遵守の仮想通貨サービスに注意喚起
米連邦捜査局は、マネーロンダリング防止基準を遵守していない仮想通貨送金サービスを利用しないよう、アメリカ国民に対して呼びかけた。
12:55
BTC半減期後に最初に採掘されたSatoshi、3億円超で落札
仮想通貨ビットコインの半減期後に最初に採掘されたSatoshiがオークションで3億円超で落札。Ordinalsの誕生によって、今はレア度の高いSatoshiに需要が生まれている。
12:32
ビットコインの反騰失速、ブラックロックのETF(IBIT)への資金流入が初めて途絶える
暗号資産(仮想通貨)市場では、自律反発のビットコインが日足50SMAを抜けられず再反落。ブラックロックのビットコインETF「IBIT」への資金流入は、ローンチ後71日間で初めて途絶えた。
10:15
著名な「Buy Bitcoin」のサイン、1.6億円で落札
「Buy Bitcoin」と書かれた著名な法律用箋が、オークションで1.6億円で落札された。仮想通貨ビットコインで入札され、正確な落札価格は16BTCである。
09:40
フランクリン・テンプルトンの600億円規模「BENJI」トークン、P2P送信可能に
米大手資産運用企業フランクリン・テンプルトンは、米国政府マネーのトークン化ファンドFOBXXで資産のピアツーピア送信を可能にしたと発表した。
08:30
強気相場継続の兆しか? パンテラが新たな仮想通貨ファンドで1500億円以上調達計画
2024年の仮想通貨相場感が2023年から好転しておりVCの調達案件も着実に増えている状況だ。昨日、野村グループのLaser Digitalが主導するラウンドで、zkSync Era基盤のWeb3ゲーム開発会社Tevaeraは500万ドルを調達した。
07:35
ETHの証券性巡りConsensysがSECを提訴
仮想通貨イーサリアムは証券ではないとの判断などを裁判所に要請するため、 Consensysが米SECを提訴。同社は事前にウェルズ通知を受け取っていた。
07:15
米SEC、イーサリアム現物ETF申請を非承認する可能性高まる
イーサリアム現物ETFの米国での承認は不透明。SECとの一方的な会合や訴訟の影響で、2024年後半までの承認延期が予想されETH今後の価格に下落圧力がかかっている状況だ。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア