はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

イスラエル、中銀デジタル通貨(CBDC)のフィードバックを募集

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

CBDCについてのワーキングペーパーを発行

イスラエルの中央銀行(イスラエル銀行)が、独自のデジタル通貨(CBDC)を検討するワーキングペーパーを発表、フィードバックを募集している。

文書のタイトルは「イスラエル銀行デジタルシェケル―潜在的なメリット、ドラフトモデル、調査課題」というもので、副題のとおりにCBDC発行がもたらす恩恵や、発行モデルを概観するものだ。

イスラエル銀行は、法定通貨シェケルのデジタル版となるデジタルシェケルの発行を決めたわけではない。調査を加速させ、デジタル通貨のもたらす利益がリスクやコストを上回ると評価できた場合に向けて、発行計画を準備していくという。

計画を受け、イスラエル銀行はデジタルシェケルの発行可能性に関する運営委員会を設立。同中銀副総裁が率いる専門家による様々なワーキンググループを立ち上げ、デジタルシェケルを多方向から検討する。

デジタル法定通貨のメリット

現在のところ、運営委員会が見出したデジタルシェケル発行のメリットとしては、次のようなものが挙げられた。

  • デジタル化時代において既存の新旧決済手段の代替になる、効率的で進化した安全な決済手段を構築する
  • 将来のデジタル経済のニーズに決済システムを適応させる、革新的なテクノロジーを打ち立てる
  • 決済システムにゆとりを持たせ、緊急時にも適切に機能させる
  • 国際決済のための、効率的で安価なインフラストラクチャを作成する
  • デジタル決済手段を、市民が一定レベルのプライバシーを確​​保しながら使用できるようにする
  • 不正行為に資金が流れないようにするため、現金の使用を減らす

念頭に置くべき点としては、デジタル通貨を発行しなくても以上のようなメリットの一部は、既存決済システムの改善によって得られる可能性があることだという。また別途リスクについても検討する必要があるとしている。

デジタル通貨のモデル暫定案

イスラエル銀行は、デジタルシェケルのドラフトモデルも提唱した。このモデルは暫定的なものでこれからの議論の叩き台として用意されたものだという。

ドラフトモデルでは、デジタルシェケルは「二層構造」によって発行される。中央銀行が、デジタル通貨を直接国民に配布するのではなく、規制要件を満たす民間の決済サービスプロバイダー(銀行、クレジットカード会社、国内外フィンテック企業など)に提供し、それらを通じて流通させる仕組みだ。

CBDCシステムの中核は、分散型台帳技術(DLT)または中央集権型台帳技術を採用し得るもので、イスラエル銀行は、高速で安全な決済に最小限のインフラのみを提供。より高度な技術開発(スマートコントラクト、マイクロペイメント・インターフェース、IoT:モノのインターネットでの決済)は、決済サービスプロバイダーが行うという。

またデジタルウォレットの構築や、携帯電話を持っていない人でも簡単に決済ができるようなカード型機器などの手段、オフラインペイメント機能を用意することも挙げた。

マネロンや徴税回避を防止できるように設計され、当面デジタルシェケルに利子はつかないが、将来的に利子を付与できるような技術的可能性は維持するとしている。

今回のワーキングペーパーについて、イスラエル銀行は現在、決済、金融、技術セクターや学術研究者、政府機関などの専門家から意見を募集しているところだ。

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/25 木曜日
18:01
Komlock labと東証上場TDSE、AIエージェントによる自律決済の実証実験開始
TDSEとKomlock labがAIエージェントによる自律決済の実証実験を開始。日本円ステーブルコイン「JPYC」を活用し、AIが人間を介さず決済する「Agentic Commerce」の実現を目指す。
17:38
日銀総裁、利上げ継続示す 30年ぶり高水準更新へ
日銀の植田和男総裁が25日の講演で利上げ継続方針を表明。政策金利は既に30年ぶりの0.75%水準に達しており、今後の追加利上げによる円キャリートレード巻き戻しが仮想通貨市場に与える影響が注目されている。
16:21
SBI VCトレードとアプラス、USDCによる店舗決済の実証実験を来春開始
SBI VCトレードとアプラスが米ドル建てステーブルコインUSDCを活用した店舗決済の実証実験を2026年春に開始。大阪・関西万博のデジタルウォレット成果を発展させ、QRコード決済でインバウンド顧客向けに新たな決済モデルを創出する。国内唯一の電子決済手段等取引業者であるSBI VCトレードと、豊富な加盟店ネットワークを持つアプラスが協力し、ステーブルコイン決済の社会実装を加速。
14:55
量子コンピュータは仮想通貨の脅威か 専門家が語る「共存」の可能性
量子コンピューティングが仮想通貨業界に与える影響について、楽観論と懸念論が交錯する中、専門家は「共存」の可能性を指摘。ビットコインベテラン投資家やマイクロストラテジー会長は量子が仮想通貨を強化すると主張する一方、開発者は5~10年の移行期間が必要と警告。ソラナやイーサリアムなど主要ブロックチェーンは既に量子耐性技術の実装を開始している。
13:50
アステリア、JPYC企業利用支援の「JPYCゲートウェイ」発表
アステリアは企業向けJPYC入出金管理サービス「JPYCゲートウェイ」を発表。ウォレット管理やガス代負担など企業利用の課題を解消し、100以上の既存システムと連携可能。2026年1月よりβ版提供開始。
13:30
2025年世界仮想通貨浸透率ランキング、日本は47位
Bybitは2025年世界仮想通貨ランキングで、79カ国をユーザー浸透度、取引利用度、制度整備度、文化的浸透度の観点から相対的に評価。シンガポールと米国が上位にランクインし、日本は47位となった。また国別の一人当たりGDPから分析したところ、投資主導型と実用主導型の二つの採用パターンが明確となった。
12:13
ビットコイン価格予想が二極化 来年の37000ドル悲観論と最高値更新説の根拠は
仮想通貨市況 暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコイン(BTC)は前日比+%の1BTC=87,850ドルに。 ビットコインが一時的に88,000ドルを上回ったことは、米国上場…
11:44
仮想通貨投資大手が大規模取引か、ワールドコインに3000万ドル投入の可能性
マルチコイン・キャピタルと関連するウォレットが24日、ワールドコイン(WLD)6000万トークンを約46億円で購入した疑いが浮上。オンチェーンデータ分析サービスが報告。WLD価格は史上最高値から95%下落中。
10:30
個人投資家が計22億円の詐欺被害に、米SECが仮想通貨企業などを起訴
米SECは、複数の個人投資家から最低でも計約22億円をだまし取ったとして仮想通貨企業などを起訴。詐欺の手口を説明し、投資家に注意喚起を行っている。
10:22
Aave、所有権紛争でDeFiガバナンスの課題が表面化
大手DeFiプロトコルAaveで深刻なガバナンス対立が発生。年15億円超の収益配分とブランド資産の所有権をめぐり、DAOとAave Labsが対立。Snapshot投票では反対が過半数を占め、DeFi業界のガバナンス課題を浮き彫りに。
10:05
2026年の仮想通貨市場に期待できることは? Presto Researchがビットコイン16万ドル予想
Presto Researchが2026年の仮想通貨市場を展望。ビットコイン16万ドル到達の可能性、量子耐性議論、アルトコイン投機時代の終焉など様々なトレンドを予想している。
08:30
EUの仮想通貨税務透明性法「DAC8」、2026年1月1日に発効
EUの新たな税務透明性法DAC8が2026年1月1日に発効する。仮想通貨資産サービスプロバイダーは同日からEU居住ユーザーの取引データ収集を開始し、2027年9月までに最初の報告が必要となる。
07:35
ビットコイン現物ETF、4日連続で資金が純流出
仮想通貨ビットコインの米国の現物ETFは、23日の資金フローが約294億円の純流出で、これで4日連続の純流出となった。有識者が要因を分析している。
07:12
サークルを騙る偽の金・銀トークン化サイトが出現、同社が注意喚起
USDCステーブルコイン発行企業サークルを名乗る偽のプラットフォームが12月24日に登場し、トークン化された金と銀の取引を提供すると宣伝していた。サークルの広報担当者は偽物だと否定。
06:15
アーサー・ヘイズがイーサリアム売却継続、DeFiトークンに資金移動か
アーサー・ヘイズ氏が過去1週間で1800ETH以上のイーサリアムを売却し、仮想通貨ENA、PENDLE、ETHFIなどのDeFi銘柄に資金を振り向けている。ポートフォリオのリバランス計画の一環とみられる。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧