DeFiにKYCを導入
大手DeFiレンディングプラットフォームAaveの創設者、Stani Kulechov氏は、今週の水曜日に登壇したイベントで、伝統的な金融機関とDeFiとの関係について見解を示した。
今週行われたオンラインイベント「Next Steps for Institutional DeFi(機関投資家のDeFiにおける次のステップ)」はBlockworksが主催するイベント。
Stani Kulechov氏のほか、大手カストディFireblocksのMichael Shaulov CEO、仮想通貨投資企業Galaxy DigitalのMichael Nvogratz CEOも同じセッションで登壇した。
Kulechov氏は現在のようなパーミッションレスなDeFiは今後も存在するとしつつ、一方でプライベートなプールとホワイトリスト化されたマーケットから成る、階層化され整備されたDeFiも生まれるだろうと語った。
また、アドレスのブラックリスト、ホワイトリスト化は全般的なリスクの逓減(ていげん)につながり、金融機関向けのマーケットの拡大に繋がると続けた。
Fireblocksは、こういった伝統的な金融機関などがデジタル資産を直接管理するためのインフラなどを提供している。
ソリューションとしてセキュリティ技術のMPC(マルチパーティ計算)を活用していることが特徴で、暗号資産の管理手法として一般的であるマルチシグにはない利便性を備えているという。
FireblocksのMichael Shaulov氏は、すでにこういった「既知の参加者によるネットワーク内での運営」は可能だと述べ、次のように語った。
我々は、基本的にはネットワークで審査、検証を行うことで、必然的にパーミッションが必要となるコミュニティを形成することは可能だ。(*パーミッション型は、コンソーシアムなどの組織によって管理されるブロックチェーンやそのエコシステムのことを指す。)
また、Galaxy DigitalのNvogratz氏は上記のような「壁で囲まれた庭園」のアプローチか、あるいは「チェーンの監視オプション」か二つの選択肢があると指摘。
チェーンの監視オプションとは、トランザクションがどこから来たのかを十分に把握できている状態だという。つまり、入口を閉ざすか、あるいは入口をしっかり見張るかという違いになる。
Kulechov氏はセッションの最後で、DeFiには、フィンテックのように裏側にまわり利用者に意識されなくなるか、それとも表立って利用されるかの二つの道があるとし、いづれにしてもDeFiは自律的に動き、それがシステムの素晴らしさだとコメントした。