はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

欧州連合がマネーロンダリング防止機関の設立を提案、仮想通貨送金にも新規制導入を検討

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

EUレベルのルールと監督機関設置を提案

欧州連合(EU)が、新たなマネーロンダリング防止機関(AMLA)の設立を計画していることがわかった。

この提案は、EU内で起きた一連の不祥事を受け、EU全域を対象とした、より厳格な不正資金対策を求める声に答えるもの。ロイター通信が入手したEU文書によると、EUはマネーロンダリングやテロ資金供与などの組織犯罪に対し、EUレベルで対処すべきであるとして、加盟各国の規制の違いを利用した犯罪防止のためにも、「単一のルールブック」と各国の規制当局を統括する中央機関の必要性を訴えている。

AMLAは、EU域内の金融企業を直接監督する権限を持ち、罰金などの制裁を科すことができるようになるという。

また、現在、EUの金融サービス規則の対象外となっている暗号資産(仮想通貨)の送金に関しても、新たな規制が提案されている。

EU文書では、「仮想通貨が不正資金の流用に利用される可能性があるため、仮想通貨保有者はマネーロンダリングやテロ資金供与のリスクにさらされている」と指摘。不正防止のため、仮想通貨サービスプロバイダーに対し、送受金に関するユーザーデータの収集と、当該データへのアクセスを可能にする新たな要件の導入も検討されている。

なお、マネロン対策の国際的な基準としては、金融活動作業部会(FATF)が仮想通貨ガイダンスを発表している。これまでに幾度か改訂されているが、各国のルール遵守状況について調査を行っており、調査結果を踏まえて、今後さらに改訂版が最終決定される予定となっている。

関連:FATFの仮想通貨ガイダンスはどれだけ遵守されているか──レビュー結果を公開

EUのマネーロンダリング問題

欧州刑事警察機構(ユーロポール)は、不審な取引の総額はEU地域GDPの1.3%に上ると推定しており、EUではマネーロンダリングが大きな問題となっているようだ。

例えば、2007年から2015年にかけて、デンマークの金融大手、Danske銀行のエストニアの支店を経由し、2,000億ユーロ(約26兆円)という巨額の不正資金が流出。Danske銀行自ら、報告書で監督責任の不行届を認めた。

2018年には、ラトビアのABLV銀行で組織的なマネーロンダリングが行われていたことを、米国財務省が摘発している。

現在、EU加盟国では、それぞれ独自の規制当局がマネロン防止を実施しているため、加盟国間で取り締りにばらつきがあり、中には実施に消極的な国も見られるという。

欧州委員会(EC)は、AMLAの設置により、域内における規制の整合性を高め、各国当局間の調整強化と情報共有の改善を図ることを目指している。

タイムライン

関係筋によると、ECは今月中にもAMLA設立のための法案を提出する予定だという。一方、同法案は欧州議会と欧州理事会で協議される必要があるため、実際にAMLAがEU域内の金融企業に対し、直接、監督権限の行使を開始するのは2026年頃になると見られている。

欧州銀行監督機構

現在、EUのマネーロンダリング対策当局は、パリに拠点を置く欧州銀行監督機構(EBA)内に設置されている。しかし、前述のDanske銀行スキャンダルの責任追及など、EBAのマネロンに対するアプローチや独立性に対する批判もあるようだ。

AMLA稼働後は、欧州のマネロン・テロ資金供与対策の権限は、EBAからAMLAに移行すると予想されるが、EBAは引き続き、同対策への努力と協力を惜しまないと声明を出している。

EBAとは

EBA(欧州銀行監督機構)は、EU(欧州連合)加盟各国の銀行監督当局を監督・統括する機関。

▶️仮想通貨用語集

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
11:00
米トランプ政権の仮想通貨特命官サックス氏、利益相反報道を否定
米トランプ政権のAI・仮想通貨特命官デビッド・サックス氏がNYタイムズの利益相反報道を否定した。名誉毀損専門の法律事務所に対応を依頼し、倫理規定遵守を主張している。
10:40
ゴールドマンがイノベーター買収、ビットコイン連動ETFも取得で仮想通貨事業拡大
ゴールドマン・サックスがETF大手イノベーターを20億ドルで買収すると発表した。買収にはビットコイン連動ファンドQBFも含まれ、ゴールドマンの仮想通貨関連商品ラインアップが拡大。
10:14
リップル、シンガポールでライセンス範囲拡大 XRPとRLUSDによる決済事業を強化
リップルがシンガポール金融管理局から主要決済機関ライセンスの拡大承認を取得。XRPとRLUSDを活用した決済サービスを強化。アジア太平洋地域のオンチェーン活動は前年比70%増で、同地域での事業拡大を加速。
10:02
ビットコイン100万円幅急落、yETH流出事故で大規模清算|仮想NISHI
ビットコインは軟調な推移が続いている。1日には一時8万5,000ドルを割り込み、日本円ベースでも24時間比で100万円超の下落となった。背景には、イーサリアムが「フサカ・アップデート」を目前に控えロングポジションが積み上がる一方、Yearn FinanceでyETHの流出事故が発生し、ロングポジションの清算が連鎖したことがある。
09:20
リミックスポイント、12億円規模のWeb3関連事業投資を中止へ
リミックスポイントは、事前に予定していた12億円規模のWeb3関連事業投資の中止を決定。仮想通貨ビットコイン購入以外の調達資金使途を変更した。
08:40
ハッキング被害から3.7億円相当回収、ヤーン・ファイナンス
ヤーン・ファイナンスがyETH関連のハッキングで盗まれた資産のうち約240万ドル相当を回収した。回収作業は継続中で被害者への返還を予定している。
07:35
mNAV1倍割れでも「最後の手段」に、ストラテジーがビットコイン清算条件を明示
ストラテジー社のフォンレCEOがビットコイン売却の具体的条件を初めて明言した。株価が保有資産を下回り資金調達が不可能になれば売却も選択肢の1つとなる。
07:05
ストラテジー、約2240億円の米ドル準備金を確保
ストラテジー社は、優先株の配当と負債の利子の支払いのために約2,240億円の米ドル準備金を確保したことを発表。目的を説明し、仮想通貨ビットコインの買い増しも報告した。
07:00
チェーンリンク初のETF、NY証券取引所に上場予定
仮想通貨チェーンリンク(LINK)に投資する上場投資信託(ETF)が12月3日にニューヨーク証券取引所で取引を開始予定。NYSEアーカがグレースケール・チェーンリンク・トラストETFの上場を認証した。
06:45
米バンガードが仮想通貨ETF取引を解禁、5000万人超の顧客にアクセス提供へ
ブルームバーグが報じたところによると、世界第2位の資産運用会社バンガードは12月3日から仮想通貨を主に保有するETFとミューチュアルファンドの取引を許可。遂に長年の保守的姿勢から転換。
06:25
米下院共和党が仮想通貨の「ディバンキング問題」を追及、チョークポイント2.0報告書を公開
下院金融サービス委員会の共和党議員が12月2日、バイデン前政権による仮想通貨業界への組織的な銀行サービス拒否を批判する53ページの報告書を公表した。ストライクCEOの口座閉鎖事例なども議論を呼んでいる。
05:55
ビットコイン8.5万ドル割れ、個人買い増しとクジラ失速が鮮明に=アナリスト指摘
ビットコインは12月1日深夜8.4万台まで続落した。大口保有者の購入鈍化と日銀の植田総裁によるタカ派発言が圧力となり、4億ドル以上の清算が発生。
12/01 月曜日
18:34
日経グループQUICK、ビットコイン指数の算出開始
QUICKは12月1日、円建てビットコイン指数の本格公表を開始した。試験運用から更新頻度を毎日に引き上げ、12月22日からはリアルタイム指数も提供する。暗号資産ETFなどでの利用を想定。
17:07
イーロン・マスク氏「エネルギーこそ真の通貨」、ビットコインは基づくと主張
テスラCEOのイーロン・マスク氏が「エネルギーこそ真の通貨」と主張し、ビットコインはエネルギーに基づいていると説明。一方、著名経済学者やピーター・シフ氏は「本質的価値がない」と批判を続けている。
17:01
政府・与党、暗号資産の分離課税導入を検討へ 調整開始─NHKなど報道
政府・与党が暗号資産投資の分離課税化を巡り調整に入ったとNHKが報道。現行は最大55%の総合課税で、制度見直し議論が年末の税制大綱へ進む見通し。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧