自律分散型組織(DAO)の資金が増加
暗号資産(仮想通貨)イーサリアム(ETH)のブロックチェーン上のDeFi(分散型金融)プロジェクトなどを含む自律分散型組織(DAO)について、トップ20の組織だけで合計60億ドル(約6,500億円)相当の資金を管理していることが分かった。
DeFiのプロトコルやサービスの継続的な発展によって、ガバナンスの手段としてのDAOも普及が拡大。それに合わせ、DAOが様々な取り組みやプロジェクトに配分できる資金が増加しているという。
DAOとは
「Decentralized Autonomous Organization」の略。一般的な企業などとは違い、経営者のような中央管理者が存在しない。参加メンバーやアルゴリズムによって運営管理が行われ、自律的に機能する分散型組織を指す。
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イーサリアムのソフトウェア企業ConsenSysは、2021年2Q(4月から6月)版のDeFiに関するレポートを発表。その中で、イーサリアム上のDeFiのエコシステムに関するデータを示しながら、DAOが保有する資金についても言及している。
DAOの中には、DeFiのレンディングプラットフォームCompoundやDEX(分散型取引所)のUniswap等に加え、メディアなど様々な種類の組織が含まれ、現在は何千という種類があるという。今回の60億ドルという資金の額は、資金の多さでトップ20の組織の合計だ。レポートの中では、一部の組織の資金が紹介されている。
ConsenSysは、DAOが拡大した大きな要因は、新しいツールや開発に関するエコシステムが提供する機能が増加していることだと説明。仮想通貨のプロジェクトが成長してガバナンスが分散されるにつれて、これからDAOの重要性は増していくとの見解を示した。
イーサリアムの利用
今回のレポートでは、イーサリアムのネットワークの状況についても言及している。
7月1日時点におけるイーサリアムのユニークアドレス数は約1.6億。この数は2021年1Q(1月から3月)の終わりから10%増加した。
このアドレスの中で、1回でもDeFiのプロトコルにアクセスしたことがあるユニークアドレスの数は、2021年2Q終了時点で291万、1Qよりも65%増えたという。
また、4月1日から6月1日の期間、ピーク時にはガス価格(Gas Price)の中央値が大きく変動したと報告。変動幅は100Gweiから300Gweiだったとした(1Gwei=0.000000001ETH)。
イーサリアムの価格が下落し、強制清算を防ごうとしてDeFiへのアクセスが増加した5月18日に300Gweiに到達。しかし、6月以降は手数料であるガス代の中央値が30Gweiあたりを推移していると説明しており、通常の送金であれば手数料は1.33ドル(約144円)、Uniswapの取引だと12.65ドル(約1,380円)だったとしている。