デジタル通貨の国法銀行へ
米ドルステーブルコイン「USDC」の運営などを行うCircleは、米国でデジタル通貨の国法銀行(National Bank)になることを目指していると正式に発表した。
国法銀行の認可を取得するか、国法銀行を買収することによって、サードパーティーへの依存を減らす戦略を検討していると説明。国法銀行になれば、連邦準備制度を直接利用できるようになり、効率性や安全性が向上した、より回復力の強い金融システムを構築できるとしている。
Circleとは
コインベースと共同事業体「Centre」を設立し、米ドルと1:1の割合で裏付け資産が担保されたステーブルコイン「USDC」を発行・運営している。「決済・財務サービス」、「クラウドファンディングプラットフォームの運営」といった事業も行う。
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Circleは先月、ニューヨーク証券取引所(NYSE)に株式を上場することを発表。国法銀行を目指す計画があることは、6日に米証券取引委員会(SEC)に提出した上場に関する書類「Form S-4」で言及している。また、CircleのJeremy Allaire最高経営責任者(CEO)も9日、この計画についてブログで説明した。
同社は創設時から、ブロックチェーンを活用してデジタル通貨の銀行になる計画があることには言及していたが、今回は国法銀行を目指すと主張。国法銀行になれば確かに効率性や安全性に加え、信頼性も高まるが、米連邦準備理事会(FRB)や財務省、米通貨監督庁(OCC)、米連邦預金保険公社(FDIC)の監督下に置かれるため、準備金などの規制要件も厳しくなる。
同社は今後数年で、現在およそ275億ドル(約3兆円)のUSDCの供給量は、数千億ドル(数十兆円)規模まで増加すると予想。摩擦が少なく、信頼性の高い経済活動をサポートし、金融サービスやインターネットの商取引で広く利用されるようになるだろうと説明した。
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Allaire氏は、実体経済でデジタル通貨の可能性を引き出すには、国家レベルの規制のスタンダードを確立することが不可欠だとしている。