キューバが仮想通貨利用認める
カリブ海に位置するキューバの中央銀行(BCC)は26日、国内の暗号資産(仮想通貨)に関する官報を発令。商業取引における仮想通貨の利用を認め、今後取引所などにはライセンス登録を義務付ける方針を明らかにした。
中央銀行の発表した官報215によれば、キューバ中央銀行(Banco Central de Cuba:BCC)は仮想通貨取引の商用利用を認める方針を表明。ただし違法行為に利用しないこと、そして「社会経済的な目的」に限るとした。
仮想通貨サービスプロバイダには「仮想通貨と法定通貨の交換、異なる仮想通貨の取引、仮想通貨の移動、仮想通貨のカストディや管理、または仮想通貨の配布及び販売に関わる金融サービス」を提供する企業が該当すると明記。詳細は明かさなかったものの、今後ライセンス取得が義務付けられる方針を示した。
州立銀行や企業は中央銀行から許可を得た場合にのみ、仮想通貨を利用することができるという。
ただ、地元紙のCuba Standard誌はキューバ政府の見解は前向きなものではないと言及。官報では、仮想通貨のボラティリティの高さや犯罪利用される可能性についても言及しつつ、仮想通貨のリスクについて以下のように説明している。
国民はたとえ個人間の仮想通貨取引が禁止されていなくても、銀行・金融システムの片隅で機能する仮想通貨および仮想通貨サービス・プロバイダーと取引することによる民事および刑事上のリスクと責任を負うこととする。
キューバ情勢
キューバ政府が仮想通貨に対する姿勢を明記する背景には複数の要素がある。
まず挙げられるのが、米国政府から課せられている経済制裁だ。キューバ政府はトランプ政権下の2019年、厳しい経済制裁を課せられたため、各国の金融機関からキューバ国内へのドル建送金が難しい状況に。
海外労働者からの送金(仕送り)に頼らざるを得ない中、匿名で送金できる手段として仮想通貨が着目されている。
また、中米エルサルバドルでは、6月にビットコインの法定通貨化が決定。海外に在住する自国民からの送金を促す狙いもあると考えられる。
なお、エルサルバドルのビットコイン法案(Ley Bitcoin)の施行は9月7日に控えており、2週間を切ったばかり。直近では、ブケレ政権は今週23日、同国に200台のビットコイン対応のATMと仮想通貨と現金の交換が可能な場所を50箇所設置したことを発表している。
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