CoinPostで今最も読まれています

BitcoinGoldへの被害総額は約20億円に|相次ぐ51%攻撃で主要仮想通貨が再評価か

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ビットコインゴールドも51%攻撃の被害に
ビットコインゴールドの広報責任者であるEdward Iska氏は、仮想通貨取引所から仮想通貨を盗難することを目的とした51%攻撃が行われたことを明らかにしました。この攻撃に関与したビットコインゴールドアドレスは、5月16日以降388,200BTGを獲得し、攻撃者は今回の二重支払いで、取引所から1860万ドル(約20億円)相当のBTGを盗み取ることに成功しています。
主要通貨に再度注目が集まる
ハッシュレートが低く、承認時間が短い通貨の問題点がより明確になったことで、ブロック承認時間が短い通貨の送金速度を利点とする状況から、再度ビットコインのようなブロックチェーンのセキュリティの部分が重要視される時代に立ち返って考える必要があるのかもしれません。
51%攻撃とは
51%攻撃とは悪意のある特定のグループがハッシュレートの51%を支配することで、不当な取引を行うことです。この攻撃の対象とあるのは「Proof of Work」と呼ばれるビットコインも採用するアルゴリズムを利用している仮想通貨です。

▶️CoinPost:仮想通貨用語集

ビットコインゴールドの二重支払い

ビットコインゴールドの広報責任者であるEdward Iska氏は、5月18日に悪意のあるマイナーにより、仮想通貨取引所から仮想通貨を盗難することを目的とした51%攻撃が行われたことを明らかにしました。

そのマイナーは、ネットワーク上の51%以上のハッシュパワーを有し、全員で監視し不正を防ぐPOWのネットワークのシステムを一時的にブロックチェーンコントロールを得ることになりました。

マイニングは、取引情報をまとめたブロックを生成し、承認されたブロックが繋げられ、チェーンを形成する仕組みです。

そして、その承認されたブロックは検証が行われるのですが、ここで、悪意のあるマイナーがネットワーク上の51%以上のハッシュパワーを有していた場合、不正な取引(自分たちが不正に仕込んだ取引)を正当化することや、通常行われる正しい取引の拒否などが行われます。

攻撃者は、そのネットワークのコントロールを得た後、BTGを仮想通貨取引所に預けると同時に、同じ通貨を自身の他のウォレットにも送金を行いました。

一般的に、ブロックチェーンは、その最初の取引しか承認しませんが、今回の場合は、悪意のあるマイナーがネットワークの大半をコントロールしていたため、両取引を承認することを可能にしてしまったのです。

結果的に、あらかじめ取引所に送金したコインを他のウォレットに送金する二重支払い“が故意的に行われたことになります。

この攻撃に関与したビットコインゴールドアドレスは、5月16日以降388,200BTGを獲得し、今回の二重支払いで、攻撃者は、取引所から1860万ドル(約20億円)相当のBTGを盗み取ることに成功しています。

最後の取引は、5月18日で終了していますが、もし攻撃者がまだ51%以上のハッシュパワーを使用することができるのであれば、この攻撃は再び起こる可能性があると言える状況下にあります。

ビットコインゴールドの開発者達は、今回の攻撃者が22個ものブロックに操作を加えたことから、取引所に対し、その取引の正当性の保障を、取引自体が含まれるブロックから50ブロック引き延ばすよう促しました。

他通貨でも不正を働く動き相次ぐ

BTGやVerge、セルフィッシュマイニングの手法となりますがモナコインなど、POWマイニング通貨に不正を働く動きが多く確認されています

実際に狙われているブロックチェーンの多くは、ハッシュレートが低く、複数のブロックチェーンに汎用性が高いGPUマイニングの通貨に多く散見されます。

ASICでも同様に掘る通貨の切り替えを行える汎用性のある通貨もありますが、GPUマイニングの通貨がより顕著にハッシュレートの差が生まれている現状があります。

大きなハッシュを持つグループによる特定通貨への攻撃が続く危険性は今後継続した懸念点になるでしょう。

主要通貨と新興通貨の違い

では、POWシステムを利用するビットコインも危険な状況に置かれているのでしょうか?

セキュリティ専門家で、ビットコイン研究者のAndreas Antonopoulos氏(以下、Antonopoulos氏)は、ビットコインとアルトコイン、そして、小規模のブロックチェーンネットワークの違いは、ビットコインのハッシュパワーが大規模であり、51%攻撃をするためには国家レベルの予算が必要になってくると述べ、以下のように続けました。

「私は、(ビットコインへの51%攻撃について)何の心配もしていません。この51%攻撃は、ビットコインに対しては不可能で、新生のアルトコインに対してのみ可能な攻撃であると言えます。ビットコインは、既に単一の国民国家でも太刀打ちできないレベルに達しているのです。」

そして「仮に数千億円規模の予算を注ぎ込んだとしても、可能な二重支払いはできて1回のみでしょう。」と言及しました。

ビットコインや、イーサリアムなどの長いブロックチェーンを持つ仮想通貨は、過去に様々な脆弱性に対する対策を打ってきたことからも、新生の仮想通貨よりも比較して安全であると言えます。

またブロック承認時間が短い通貨の送金速度を利点とする状況から、再度ビットコインのようなブロックチェーンのセキュリティの部分が重要視される時代に立ち返って考える必要があるのかもしれません。

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
07/27 土曜日
08:10
マスク氏のX(旧ツイッター)、ビットコインなどの仮想通貨絵文字表示を削除
イーロン・マスク氏がオーナーのX(旧ツイッター)は、ビットコインなどの仮想通貨絵文字表示を削除した。ドージコイン擁護のためか。
07:35
BitwiseのETH現物ETFの横断幕、NYSEに掲揚
仮想通貨運用企業Bitwiseのイーサリアム現物ETFの横断幕が、ニューヨーク証券取引所に掲げられた。同社は、取引終了のベルを鳴らすことも報告している。
07:05
野村傘下のレーザーデジタル、利回り提供のイーサリアムファンド販売予定か
野村ホールディングスの仮想通貨資産子会社であるLaser Digital(レーザーデジタル)は、イーサリアム現物ETFの代替商品の導入を計画しているようだ。
06:40
米SEC、グレースケールのミニ版ビットコインETFを承認
仮想通貨投資企業グレースケールが提供するGBTCは手数料(1.5%)が最も高く資金流出は続いていたが、新商品を導入し0.15%という業界最安の手数料設定で競争力を高める狙いだ。
06:20
ビットコイン価格が21年後に最大で75億円に到達か、マイケル・セイラー氏の強気予想
ビットコインを最も保有する米上場企業マイクロストラテジーのマイケル・セイラー氏はカンファレンス「ビットコイン2024」で、BTCの今後の強気予想のプレゼンテーションを行った。
07/26 金曜日
17:10
「米大統領選で価格変動 トランプやハリス由来のミームコインの買い方
トランプトークンの概要 ドナルド・トランプ前米大統領とその「Make America Great Again」(アメリカを再び偉大に)というスローガンからインスピレーションを得…
17:10
ヤマハ発動機が初のVTuberコラボNFTを発行、Yamaha E-Ride Baseを訪れて進化可能
ヤマハ発動機が初のNFTデジタルステッカーを発行。横浜のYamaha E-Ride Baseで進化するダイナミックNFTを体験し、限定グッズをゲットできる。
15:13
ビットフライヤーがFTX Japan買収完了、カストディ事業展開へ
株式会社bitFlyer HoldingsはFTX Japanの株式100%を取得し、完全子会社化を発表。8月26日までに社名を変更し、クリプトカストディ事業を展開予定。法制度整備後の暗号資産現物ETF関連サービス提供も視野に入れている。
14:43
Neo Xメインネットが正式稼働 EVM互換でネオのエコシステムを拡張
Neoは高性能EVMベースのサイドチェーン「Neo X」のメインネット正式稼働を発表。クロスチェーンブリッジで流動性と互換性が向上し、エコシステムの可能性が広がる。
14:15
カマラ・ハリス氏のミームコインが過去最高値を記録、大統領候補指名の期待受け
PolitiFiと呼ばれる政治パロディのミームコインが、仮想通貨領域で独自のジャンルを形成しており、カマラ・ハリス副大統領のパロディコイン「 Kamala Horris(KAMA)」が急騰し話題となっている。
12:55
アルトコインETFの未来、ブラックロックが語る現実と可能性
ブラックロックのデジタル資産責任者は、イーサリアム現物ETFが承認されていても他のアルトコインETF誕生には困難があると話した。
12:14
仮想通貨相場反発、ビットコイン・カンファレンスのトランプ登壇に関心集まる
昨日までの大幅下落とは打って変わり暗号資産(仮想通貨)相場は反発した。強気シグナルのハッシュリボンが点灯しているほか、今週末にはビットコインカンファレンスに米国のトランプ前大統領が登壇予定であり、投資家の関心が集まる。
11:00
トランプ前大統領の陣営、4〜6月期で仮想通貨で6億円の寄付金調達
トランプ前大統領は、ビットコインなど仮想通貨で6億円以上の選挙資金を調達。「ビットコイン2024」でもさらに資金を集める予定だ。
10:30
BTCが290万ドルに到達するシナリオ、VanEckが公開
仮想通貨ビットコインが2050年までに290万ドルに到達するシナリオをVanEckのアナリストが公開。このシナリオを実現するための条件を説明している。
10:00
ソラナ初事例、パラオ共和国がデジタルID発行
主権国家が仮想通貨・ブロックチェーンであるソラナ上で、法的アイデンティティを発行する初めての事例となった。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア