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テザー社がFATFのルール対応へ 国際送金にNotabene社の技術を試用

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

トラベルルール準拠のためのソリューション

ステーブルコインUSDTの発行企業テザー社は26日、金融活動作業部会(FATF)が推奨する「トラベル・ルール」準拠の対策として、Notabene社の技術を試験的に導入すると発表した。

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トラベル・ルールとは

トラベル・ルールとは、資金洗浄等防止のため国際的な電信送金に関するルールで、仮想通貨取引所などのサービス・プロバイダー(VASP)に、送金者と受取人の情報を収集・交換し、その情報の正確性を保証することを求めている。

対象となるVASP間の仮想通貨送金で、国際的な本人確認(KYC)ルールが適用されることになる。

▶️仮想通貨用語集

Notabene社は、暗号資産(仮想通貨)取引における規制リスク及びカウンターパーティ・リスクを管理するプラットフォームを開発している。プロトコルにとらわれないエンド・ツー・エンドのトラベル・ルール準拠のためのコンプライアンスソリューションだという。

マネーロンダリングおよびテロ資金供与防止のための国際的な基準を策定するFATFは、仮想通貨及び仮想資産サービスプロバイダー(VASP)に対するガイダンスの改訂版を、今週発表する予定。その中でステーブルコイン発行者も対象となることが、すでに声明で明らかにされている。

関連:FATF、改訂版の仮想通貨ガイダンスを来週公開予定

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テザー社の姿勢

テザー社とその関連会社である仮想通貨取引所Bifinexは今年2月、8.5億ドル(約970億円)の不正融資疑惑を巡る訴訟で米ニューヨーク司法当局(NYAG)と和解に至った経緯がある。両社は不正行為は認めなかったが、1,850万ドル(21億円相当)の和解金を支払うことで、2年に及ぶ係争に終止符をうった形となった。

さらに今月、同社はUSDTの裏付け資金問題で、4,100万ドル(約47億円)の支払いを受け入れ、米商品先物取引委員会(CFTC)と和解に至った。なお、同社は違法行為を認めたわけではないとしている。

関連:テザー社とBitfinexが米CFTCと和解 USDTの裏付け資産や取引所の運営巡り

多額の罰金支払いを受け入れ、規制当局と和解したテザー社だが、和解の条件には「透明性に関する継続的努力」を示すことが含まれている。そのため、四半期ごとに保有資産の内訳を公開するとしている。

今回、FATFの新たなガイダンス発表に先立ち、テザー社はNotabene社との試験的な提携を通して、規制準拠と透明性の向上に取り組む姿勢を示す意向のようだ。

テザー社のコンプライアンス担当主任のLeonardo Real氏は、VASPへのトラベル・ルール適用を一つのチャンスと捉え、積極的に取り組む姿勢を表明している。

他の主要VASPと協力して、この業界を一から作り上げることが重要だ。ブロックチェーン技術の先駆者として、また透明性におけるリーダーとして、我々は新しいルールに歩調をあわせるだけではなく、ルールづくりの支援に精魂込めて取り組んでいきたい。

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