CoinPostで今最も読まれています

米FRB、ステーブルコインの資金調達リスクを指摘

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

金融システムの安定性への影響

米連邦準備制度理事会(FRB)は8日、最新の金融安定性報告書を発表。資産評価と企業及び一般家庭の借入、財務レバレッジ、資金調達リスクに関する脆弱性を分析し、金融システムの安定性に与える影響をまとめた。

関連初心者にもわかるステーブルコインとは|特徴やユースケースを解説

その中で資金調達リスクに関しては、銀行は収益性が高く資本も充実していたと評価する一方で、一部のMMF(マネー・マーケット・ファンド)や債券、銀行ローンのミューチュアル・ファンドなどの資金運用手段には、構造的な脆弱性が見られると指摘。さらに、ステーブルコインにも資金調達上の脆弱性があると付け加えた。

ステーブルコインとは

ビットコイン(BTC)などの一般的な銘柄と違って、価値が常に安定している(=stable)仮想通貨を指す。米ドルと1:1の価値になるように運用されるものなど、複数の種類のステーブルコインがある。

▶️仮想通貨用語集

急成長したステーブルコインがもたらすリスク

報告書では、今月1日に米金融市場作業部会(PWG)が発表したステーブルコインのリスクに関する内容を踏まえ、ステーブルコインがもたらすリスクを分析している。

PWG報告書では、ステーブルコインの発行量はこの12ヶ月間で500%増加し、2021年10月時点で全ステーブルコインの時価総額が1,270億ドル(約14.3兆円)に達したと指摘した。

関連:米バイデン政権、ステーブルコインの政策提言レポートを公開

FRBは、このように急激な成長を遂げたステーブルコインの懸念について以下のように説明した。

  1. ステーブルコインの裏付け資産の一部には、価値や流動性が低下する可能性のある資産を含んでいる
  2. 裏付け資産の価値が損なわれた場合、保証された価値で償還に応じることができない可能性がある
  3. MMFと同様の構造的脆弱性があり、取り付け騒ぎにつながる恐れがある
  4. このような脆弱性は、裏付け資産に関する透明性やガバナンス基準の欠如によって悪化する可能性がある
  5. 決済にステーブルコインが使われた場合、その成長力とも相まって決済及び金融システムにリスクをもたらす可能性がある

市場参加者のセンチメント

報告書では今後12ヶ月~18ヶ月間の金融安定性に対するリスクについて、ブローカー・ディーラーや投資ファンド、政策諮問企業及び大学の有識者などを含む26人の意見をまとめたコラムを公表している。調査は8月から10月中旬にかけて行われた。

出典:FRB

回答者の約70%が、持続的なインフレ圧力と金融引き締めを最大の懸念事項として挙げ、コロナウィルスに対する懸念を上回った。

次に大きな割合を占めたのが、中国の規制及び不動産リスク、米中関係の緊張が高まるリスクについてだった。報告書本文の中でも、中国の不動産部門からの圧力が中国の金融システムの緊張を高め、米国に波及する可能性があると指摘された。

今年5月の調査では9位だった仮想通貨及びステーブルコインに関する懸念は、今回の調査では第5位となった。仮想通貨市場の成長に伴い、市場参加者の関心が高まった結果とも捉えられるかもしれない。

PWG報告書の作成にあたっては、ステーブルコインの規制について、仮想通貨業界関係者からのインプットも含め活発な議論が行われたようだ。最終的に報告書では、投資家保護、市場の完全性、違法利用の防止の観点から、国家レベルの法律の枠組みを決めることを進言し、リスク対応の具体的な提言も行なった。

注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
12/07 木曜日
07:35
Bitcoin Core、最新バージョンをリリース
仮想通貨ビットコインのソフトウェアBitcoin Coreは、最新バージョンv26.0がリリースされた。一方で、OrdinalsやBRC-20トークンの発行ができなくなる可能性が浮上している。
07:20
仮想通貨Worldcoin、分散化目標と助成金プログラムを初公開
OpenAIのCEOであるサム・アルトマン氏が他のメンバーとともに立ち上げたAI・仮想通貨プロジェクトWorldcoinは、初の助成金プログラムを公開した。開発者の参入を促す狙いだ。
06:30
アマゾン、プライムゲーミングでGods Unchainedのカード配布実施へ
米アマゾンはAmazon Prime Gamingを通じてWeb3カードゲーム「Gods Unchained」と提携し、ゲーム内カードを無料で入手できるキャンペーンを開始した。
06:02
コインベース、Jitoのガバナンストークン「JTO」新規上場予定
エアドロ前に上場発表 仮想通貨取引所コインベースは、ソラナ(SOL)の大手ステーキングプールJitoのガバナンストークン「JTO」の新規上場予定を発表した。JTOはまだ流通して…
12/06 水曜日
16:05
米コインベース関連団体、大統領候補による仮想通貨討論会を開催
米コインベースが立ち上げた仮想通貨の権利擁護団体「Stand with Crypto Alliance」は、米大統領候補による仮想通貨をテーマとした公開討論会を開催すると発表した。
15:59
オプション市場で5万ドルが意識されるビットコイン相場をプロが解説|寄稿:仮想NISHI
1BTC=45000ドルまで上昇した暗号資産(仮想通貨)ビットコイン(BTC)相場とデリバティブの指標について、暗号資産取引所SBI VCトレードのクリプトアナリスト「仮想NISHI」氏が解説。
13:30
ふるさと納税のNFT採用進む、記念SBTで地域振興図る
日本各地の自治体がふるさと納税の返礼品としてNFTを導入する新しい動向を紹介。JPYC商品券の活用や、海陽町、高松市、岸和田市の先進的な取り組みを探り、デジタル技術を駆使した地域活性化の可能性を探る。
12:23
ビットコイン45000ドルまで大幅続伸、「ビットコインETF」巡るSECの動きに高い関心
暗号資産(仮想通貨)市場ではビットコインが45000ドルまで急騰した。ブラックロックや米SEC(証券取引委員会)を巡る動きを受け、ビットコイン現物ETFの承認思惑が加速している。
12:00
ビットコインマイニング企業Riot、マイニングマシンを6万台以上発注
米上場仮想通貨マイニング企業Riotは、MicroBTに6万台以上の最新ビットコインマイニングマシンを発注した。これまで最大規模の注文となる。
10:50
自民党主導の「デジタル先端金融議連」、ビットフライヤー等も参加
自民党がデジタル先端金融議員連盟を発足。暗号資産(仮想通貨)交換業者のビットフライヤー、コインチェックが参加。金融DX推進、Web3技術活用で現行制度の課題克服を目指す。グローバルな金融革新の状況を解説
10:30
新作Web3ゲーム「Apeiron」、Sky MavisのRoninチェーンに登場へ
アクシーインフィニティの開発スタジオSky Mavisはゲーム開発企業Fooni Magusとの提携を発表。新ゲーム「Apeiron」をRoninチェーンで展開する。
09:45
仮想通貨法人税制、2024年度も見直しへ
自民・公明の与党は、2024年度に向けた税制調査会を開催し、各省庁から出されている税制改正要望を査定。仮想通貨の法人税制を見直すことが決定したという。
08:40
ビットコイン続伸でマラソンなど仮想通貨関連株も続伸
主要な仮想通貨関連株はビットコインが44,000ドルに続伸したことを受け、6日にも続伸した。伝統金融では昨夜は10月の米求人件数データが発表され、労働市場が冷え込みつつあることが再び示されている。
08:05
IBM、仮想通貨向けコールド・ストレージ技術を発表
IBMは、仮想通貨などのデジタル資産向けの新たなコールド・ストレージ・ソリューションを発表。リップル傘下のMetacoらと協業し、このソリューションを開発したという。
07:30
コインベース、TikTokやインスタで仮想通貨送金無料に
米国の大手仮想通貨取引所コインベースは、世界で最も利用される通信・SNSアプリを通じて顧客同士が無料で仮想通貨を送金できる新サービスを導入した。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア