CoinPostで今最も読まれています

週明けから二段安を演じたビットコイン相場、下値目途を探る 仮想通貨・週次市況(bitbank寄稿)

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

11/13(土)〜11/19(金)の仮想通貨相場

13日に731万円を付けていたビットコイン(BTC)価格は、19日に一時636万円まで大幅下落。高値圏での調整局面となっている。

bitbankアナリスト分析(寄稿:長谷川友哉)

11/13(土)〜11/19(金)レポート:

今週のビットコイン(BTC)対円相場は上値の重い展開を繰り広げ、19日正午時点で、約5週間ぶりの安値となる640万円周辺で推移している。

シカゴマーケンタイル取引所(CME)のBTC先物取引開始と同時に、週明けから750万円台に乗せたBTC相場だったが、ナスダック上場の暗号資産(仮想通貨)マイニング企業、Marathon Digital(MARA)が米証券取引委員会(SEC)から召喚状を受けたと伝わると、MARAをはじめ関連株が急落。

BTCもこれに連れ安となると、米バイデン大統領がインフラ法に署名したこと、さらには節目の6.4万ドルを終値で割ったことで、16日は東京時間から下げ足を速め、6万ドル水準となる686万円まで安値を広げた。

週央の相場は6万ドルを巡り方向感に欠ける展開。16日に取引初日となったVanEckのBTC先物上場投資信託(ETF)が、先月のProShares BITOの初日取引高の数%にも満たなかったことで失望感を誘ったが、相場は5.85万ドル(≒674万円)絡みで買い支えられた。

一方、18日には6.1万ドルにタッチした後に反落すると、欧州株の下落を眺め相場はジリ安に。この日は寄付きの米株市場が軟調となったことも相場の重石となり、5.8万ドルはおろか5.7万ドルをも割り込み、相場は週明けから二段安を演じる格好となっている。

【第1図:BTC対円チャート(1時間足)】
出所:bitbank.ccより作成

5.8万ドルは、10月下旬に相場の押し目となった水準であり、同水準を割り込んだことで、チャート上では高値圏での揉み合いを下方ブレイクしたこととなる。

テクニカル的にも、均衡表と遅行スパンの逆転と、早期売りシグナルが2つ点灯しており、相場は雲の中に押し返されている。さらに、ボリンジャーバンドは相場の下落に伴い拡大しており、強い下降トレンドシグナルとなる下降バンドウォーク(下降する-2σに沿って相場が下落する現象)が始まる公算が出てきた(第2図)。

足元の出来高から鑑みても、相場の底入れを示唆する「セリングクライマックス」と言えるほどの出来高はなく、相場の下値余地はまだあるかと指摘される。目先では、一目均衡表の雲下限や節目の5.4万ドル(≒617万円)の密集するエリアが下値目途としてある。

【第2図:BTC対円チャート(日足)】
出所:bitbank.ccより作成

BTCは、週末のTaproot通過やVanEckの先物ETF取引開始で材料出尽くし感もあり、目先ではテクニカル的な売りが入りやすいだろう。

来週は、米PMI(23日)、個人消費支出とFOMC議事要旨公開(24日)といった重要指標の発表がある。10月の米消費者物価指数(CPI)の上振れを受け、最高値を記録したBTCだが、市場で物価上昇加速が織り込まれていくなか、PMIの物価指数やPCEが、BTC相場が切り返す切っ掛けとなるか注目だ。

寄稿者:長谷川友哉長谷川友哉(ハセガワ ユウヤ)
英大学院修了後、金融機関出身者からなるベンチャーでFinTech業界と仮想通貨市場のアナリストとして従事。2019年よりビットバンク株式会社にてマーケットアナリスト。国内主要金融メディアへのコメント提供、海外メディアへの寄稿実績多数。

関連:bitbank_markets公式サイト

過去のレポート:リスクオフムード一服すれば買い支えもあるか、主要アルト物色は継続|仮想通貨・週次市況(bitbank寄稿)

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
09/13 金曜日
15:00
ヴィタリック・ブテリン氏、L2プロジェクトの分散化を促す基準適用を宣言 
イーサリアムの共同創設者であるヴィタリク・ブテリン氏は、L2で分散化に関する一定の基準を満たさないプロジェクトについては、来年からは公に支持することはないと宣言。同氏が定義した分散化の三段階で「ステージ1」に達していないプロジェクトは「失敗」とみなすと述べた。
13:40
SWIFT、現実資産(RWA)トークン化分野で新たなソリューションを開発
SWIFTがトークン化資産と法定通貨の相互運用性を高めるソリューションを開発中。CBDCやステーブルコインも利用予定。
10:50
eToroがSECと和解 米国でビットコインなど3銘柄のみ提供へ
eToroがSECと和解し、2億円の罰金支払いに同意。米国顧客向け仮想通貨取引をビットコインなど3銘柄に限定へ。
09:50
ディーカレット、63億円超を資金調達
デジタル通貨DCJPYの事業基盤強化に向け、ディーカレットホールディングスは第三者割当増資で総額63億4,900万円の資金調達を実施したことを発表。今後の計画も説明した。
08:30
コインベース、仮想通貨ビットコインの代替資産「cbBTC」をローンチ
仮想通貨取引所大手コインベースは9月12日、8月に予告していたcbBTCトークンをイーサリアムとベースチェーン上で展開した。
07:45
米SEC、採用方針が法違反の可能性
米SECは、メンバーを採用するに政治的な考え方を考慮している疑いが持たれている。米議員3名がゲンスラー委員長に書簡を送り、情報提供を求めた。
07:00
USDT発行企業テザー、ブラックロックを上回る収益
米ドルステーブルコイン「USDT」を発行するテザー社は2024年第2四半期の財務証明書で、同社は今年上半期の純利益が史上最高の52億ドルに達したと報告した。USDTの準備金として保有する米国債からの収益が大きく貢献している。
06:40
トランプ氏のDeFi「ワールド・リバティ・ファイナンシャル」、9月16日に正式立ち上げへ
米国のドナルド・トランプ前大統領らが関わる暗号資産(仮想通貨)プロジェクト、「ワールド・リバティ・ファイナンシャル」は、正式なリリース日時が判明した。
06:15
仮想通貨XRP投資信託、米グレースケールが再開 価格急上昇
米資産運用会社グレースケールは12日、新たに暗号資産(仮想通貨)XRPを対象とした投資信託「グレースケール・XRP・トラスト」の販売を発表した。この発表を受けて、XRPは一時前日比+7%上昇していた。
09/12 木曜日
16:14
仮想通貨シバイヌ(SHIB)の買い方とおすすめ取引所
シバイヌ(SHIB)は、2024年注目のミームコイン。ドージコインに次ぐ時価総額を誇り、その特徴や将来性、購入方法を徹底解説。
15:29
『岩合光昭 ニッポン看板猫』、NFTデジタル特典付きで9月13日発売
「世界ネコ歩き」で人気の岩合光昭が日本全国の看板猫60匹を撮影。NFTデジタル特典付き特装版も同時発売。猫の魅力と人との絆を捉えた珠玉の一冊。9月13日発売。
12:55
フレンドテック、実質閉鎖か ユーザー離れと収益低下で存続危機
フレンドテックは、事実上管理権限を放棄したと伝えられる。FRIENDトークン急落、収益低下で存続懸念。エアドロップ効果も一時的。
11:05
国内食品メーカー初、カルビーがWeb3ゲームとコラボ NFTアイテム販売開始
カルビーは11日、人気スナック「じゃがりこ」「かっぱえびせん」と複数のWeb3ゲームとのコラボレーションを発表。2024年9月11日より、ゲーム内で使用可能な限定NFTアイテムの販売を開始した。
10:30
英国、仮想通貨を法的財産にする新法案 トークンの法的地位を明確化
英国政府が仮想通貨やNFTを法的財産とする法案を提出した。デジタル資産所有者の保護を強化する。
08:30
米CPI、コア指数が予想以上の伸び
8月の米CPIでコア指数が市場予想を上回り、FRBに対する大幅利下げ観測が後退。一方、現在の仮想通貨の相場は方向感がなく、利下げ幅の見通しだけでは投資判断がつきにくい状況にある。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア