今週(6日〜12日)の仮想通貨相場
今週のビットコイン市場は67,500ドルを突破し、過去最高値を記録した。その後は反落し、64,000ドル付近を推移している。
各指標の騰落率一覧
12日の終値時点の週間騰落率は、以下のようになった。
月初来騰落率
年初来騰落率
(今週の騰落率は、先週の終値、今週の終値を用いて計算。月初来、年初来についても前の月、年の終値で計算)
(仮想通貨の価格は取引所コインベースを参照、各銘柄の価格はTradingviewを参照)
6日〜12日のBTCチャート
bitbankアナリスト分析(寄稿:長谷川友哉)
6日〜12日レポート:
今週のビットコイン(BTC)対円相場は底堅い展開となり、12日正午時点で、740万円台中盤で推移している。
一時間足の200本移動平均線を挟み込み揉み合いに終始した前週のBTC相場だったが、週明けにCMEのBTC先物取引が開始されると、ETHの史上最高値更新も追い風となり上値を追う展開となり、700万円周辺から740万円台に浮上。翌9日にも相場は一段高を演じ史上最高値を更新した。
その後の相場はアルトターン気味に失速すると、SWELLを控えたXRPの下げや米株の反落、さらにはCoinbaseの決算が市場予想を下回るなどの悪材料で上値を重くしたが、6.6万ドル付近では買い支えられ、10日の米消費者物価指数(CPI)が前年比で6.2%と90年代ぶりの衝撃の水準となると、BTCは反発し780万円にタッチ。対ドルでは6.9万ドルに達した。
しかし、この日は中国恒大集団がデフォルトするとの報道が出回り相場は反落。インフレ加速による米長期金利上昇も株価の重石となり、リスクオフムードもBTC相場に追い打ちとなると、ロングの投げが発生し相場は720万円近辺まで急落した。
一方、Bloombergがその後、中国恒大集団のデフォルトを否定したこともあり、相場は6.5万ドル(≒741万円)周辺まで戻し、目星い材料もないなか、足元、揉み合いとなっている。
CPIの上振れに上昇で反応したBTCだったが、高ボラティリティであることから、金融市場全体のリスク選好度萎縮には弱い面もあり、CPI発表後の上げ幅をあっという間に掻き消すこととなった。
しかし、チャートを俯瞰して見ればBTCは依然として6万ドル台を維持しており、本稿執筆時点では週足で、プラス圏で推移している。また、10日時点の相場と米10年物ブレークイーブンインフレ率(BEI)の過去30営業日の相関係数は75以上を維持しており、リスクオフムードが一服すれば相場は買い支えられよう。
中国恒大集団も10日期限分の利払いは履行され、かろうじてデフォルトが回避されており、来週はリスクオフムードも少しは緩和されるか。
10日の市場下落後からもイーサ(ETH)やライトコイン(LTC)など主要アルトの物色は継続しており、循環物色の流れも依然として止められた様子はない。先週指摘の通り、Taproot実装で相場の流れを変えるほどの資金流入にはそれほど期待していないが、バグもなく無事に実装されれば不透明感の払拭に繋がるか。
関連:bitbank_markets公式サイト
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