はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

日本円のデジタル通貨、今年度内に概念実証開始へ

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

デジタル通貨の実用化へ

暗号資産(仮想通貨)取引所の運営などを行うディーカレットが事務局を務める「デジタル通貨フォーラム」は、日本円のデジタル通貨の概念実証(PoC)を、2021年度内に開始する計画を発表した。

デジタル通貨の仮称は「DCJPY」。デジタル通貨を活用すれば決済や送金において、どのくらい効率化やコスト削減につながるかなどを実証する狙いだ。デジタル通貨フォーラムは3メガバンクやNTTグループ、自治体などを含め、現在は74の主体で構成。PoCの後は結果を踏まえ、2022年度中にデジタル通貨やその運用を支えるプラットフォームを実用化できるように目指すとした。

デジタル通貨フォーラムの設立は2020年12月。設立に合わせ、それまで行ってきた「デジタル通貨勉強会」を発展させて、デジタル通貨の実用化に向けてPoCなどを行っていくことを発表していた。この取り組みには、オブザーバーとして金融庁、総務省、財務省、経済産業省、日本銀行が参加している。

関連日本発「二層型デジタル通貨」の可能性、フォーラム設立などディーカレット主導

ディーカレットは24日、デジタル通貨に関するプレスリリースを発表。デジタル通貨フォーラムは以下の2つのレポートを公表した。上述した今後の計画は、2つ目のプログレスレポート(経過報告)に記載してある。

  • 二層構造デジタル通貨プラットフォームホワイトペーパー
  • デジタル通貨フォーラムプログレスレポート

ホワイトペーパー(事業計画書)の方には、デジタル通貨が持つ機能や法的性質、システムの構成、提供する価値等について、検討を進めてきた内容を掲載。「二層」というのは、デジタル通貨を構成する以下の2つの領域を指す。

  • 残高を記録する元帳の管理、およびそれらに付随する業務を行うための機能、民間銀行がデジタル通貨を発行するにあたり、各銀行のシステムと連携するための仕組みなどを提供する共通領域
  • 様々なニーズに応じたプログラムの書き込みを可能とする付加領域

DCJPYは、このような二層構造を持つ円建てのデジタル通貨として設計されており、当面は銀行が発行主体になることを想定。利用者はアカウント(口座)を開設して、デジタル通貨を保有・利用することになるという。発行される単位は1円が最小であるとした。

プログレスレポートについて

プログレスレポートには、これまでの活動や、デジタル通貨の実現に向けた具体的な取り組み、今後の予定などを記載。デジタル通貨フォーラムで生まれた多種多様なアイデアや要件を開発に反映させ、実用性の高いインフラの構築を進めていくとしている。

本レポートでは、PoCを実施している、または検討している例として、以下の内容を挙げた。

  • クリーンエネルギーの購入
  • セキュリティトークンの取引での活用
  • 電子マネーとの連携
  • 地域通貨への活用
  • サプライチェーンにおける活用
  • エンタメ領域との連携
  • プラットフォームのセキュリティ
  • 産業流通における決済

NFT分科会を設立

上記以外でも24日に、別のプレスリリースで「デジタル通貨フォーラムNFT分科会」が設立されたことも発表されている。

NFT(非代替性トークン)領域におけるデジタル通貨の利用について検討と実証実験を行い、これから成長が期待されるNFT領域におけるデジタル通貨決済の普及に向けた課題の特定と、解決策の提案を行うことを目的とするという。

関連凸版印刷、KDDI、ドコモ、ディーカレットらで「NFT分科会」発足、パレットチェーン使った実証実験検討へ

NFT分科会は、上記の「エンタメ領域との連携」に関して、2022年を目安にNFTマーケットプレイスのベータ版をリリースできるように目指している。

関連大企業の関心集める「NFT」の魅力とは|主な特徴と将来性を解説

なお、日銀はデジタル通貨(CBDC)の研究やPoCを実施しているが、現時点でも、発行する計画はないとの姿勢を変えていない。日銀の内田眞一理事は10月、CBDCを発行しないという選択肢もあるとの考えを示唆した。

関連日銀理事「民間決済サービスとCBDCの共存が必要」 

CBDCとは

「Central Bank Digital Currency」の略で、各国・地域の中央銀行が発行するデジタル化された通貨を指す。仮想通貨との大きな違いは、CBDCは法定通貨であること。

▶️仮想通貨用語集

関連中央銀行デジタル通貨(CBDC)とは|ビットコインとの違いと主なメリット

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
11/23 日曜日
11:00
週刊仮想通貨ニュース|金融庁の暗号資産規制方針に高い関心
今週は、金融庁の仮想通貨規制方針、ビットコイン採掘割合の95%到達、ビットコインとイーサリアムの市況分析に関する記事が関心を集めた。
11/22 土曜日
13:45
ANAPホールディングス、企業向けビットコイン戦略支援「ビットコイン道場」を開始
ANAPホールディングスが企業のビットコイン活用を支援する継続型プログラム「ANAPビットコイン道場」の提供を開始した。会計や税務などの実務を専門家が包括的にサポートし、参加企業がコミュニティ形式で課題解決に取り組む仕組みを提供する。
13:02
コンヴァノがビットコイン戦略から本業回帰、AI・ヘルスケア事業に注力へ
コンヴァノが仮想通貨ビットコインを最大約2万BTC取得する計画を取り下げ、成長中の事業へ軸足を移す。業績予想を上方修正しており本業成長を重視する戦略転換となる。
10:55
米当局がビットメイン製品を国家安全保障リスクで調査、トランプ関連企業も1万6000台使用
米国土安全保障省が中国メーカーのビットメインを調査し、機器がスパイ活動や電力網破壊に使用される可能性を指摘。トランプ大統領の息子たちの会社アメリカン・ビットコインも1万6000台を購入した。
10:05
コインベース、ソラナのミームコイン取引所「ベクター」を買収
コインベースがソラナ基盤SocialFiプラットフォーム「ベクター・ファン」を買収すると発表した。年内に取引完了予定で、ソラナエコシステムへの参入を拡大し、すべてを取引できる取引所の構築を目指す。
09:35
ベセント米財務長官、ビットコインバーにサプライズ訪問 仮想通貨業界への影響は
スコット・ベセント米財務長官がビットコインバー「Pubkey DC」を訪問し、仮想通貨コミュニティで話題になっている。業界関係者の反応と今後の影響を解説する。
08:25
NYSEがグレースケールのXRPとドージコインETF承認、25日上場予定
NYSEがグレースケールのドージコインとXRP ETFの上場を承認し、11月25日に取引を開始する。今週はビットワイズのXRP ETFやフィデリティのソラナETFも上場し、アルトコインETF市場が急拡大している。
07:45
「仮想通貨財務企業などの上場後の事業の大幅変更について対応を考える必要」JPXのCEO
日本取引所グループの山道CEOは、ビットコインなどを保有する仮想通貨財務企業への規制強化は現時点では検討していないと説明。一方で、事業の大幅変更については対応を考える必要があるとも述べている。
07:05
個人マイナーがビットコイン採掘に成功、1億8000万分の1の確率を克服
極めて小規模な個人マイナーがわずか6TH/sのパワーでビットコインブロックの採掘に成功し、約26万5000ドル相当を獲得した。確率は1億8000万分の1で、近年最も幸運なソロ採掘となった。
06:25
トム・リー率いるビットマイン、初の配当実施もイーサリアム保有の含み損は6250億円超 
イーサリアム最大の企業保有者ビットマイン・イマージョン・テクノロジーズが11月21日、2025年8月期通期で純利益3億2816万ドルを計上し、大手仮想通貨企業として初めて配当を実施すると発表した。しかしイーサリアム価格下落で含み損は40億ドル超に達している。
06:02
金持ち父さん著者キヨサキ、3.5億円分ビットコインを売却し広告事業投資へ 以前の姿勢から一転
『金持ち父さん貧乏父さん』の著者ロバート・キヨサキ氏が11月22日、約225万ドル相当のビットコインを売却し、外科センターと看板広告事業に投資すると発表した。以前の「売らずに買い続ける」発言から一転した。
05:45
マイケル・セイラー、指数除外懸念に反論「ストラテジーはファンドではない」
ストラテジー社のマイケル・セイラー会長は主要株価指数からの除外懸念に対し「我々はファンドではなく上場事業会社だ」と反論した。
11/21 金曜日
17:25
米ビットコインETF、1週間で大規模な資金流出が2回
11月20日、米ビットコイン現物ETFは9億300万ドル(約1,395億円)の純流出を記録し、史上2番目の規模となった。1週間前の記録を更新。ブラックロック、グレースケール、フィデリティの主要3ファンドで流出の大部分を占め、全ETFで純流入ゼロという異例の事態に。
16:38
予測市場が急成長 カルシ(Kalshi)が1500億円調達と報道も
予測市場カルシが2ヶ月で評価額2倍超の110億ドルで10億ドル調達。取引量は10月に過去最高の44億ドルを記録。競合ポリマーケットも120億〜150億ドルでの追加調達を協議中で、予測市場への投資が加速。
16:33
暗号資産(仮想通貨)の申告分離課税が実現したら?押さえておきたい税務のポイント|Aerial Partners寄稿
仮想通貨の申告分離課税が現実味を帯びてきた今、投資家が知っておくべき税制変更のポイントを解説。税率の一定化、損益通算、特定口座の導入可能性など、制度導入後の注意点と準備すべきことをわかりやすく紹介します。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧