メタバースは1兆ドルの機会をもたらす可能性
米最大手暗号資産(仮想通貨)投資企業グレースケールは24日、メタバースとWeb3.0についてのレポートを発表。その可能性や活用事例を説明した。
グレースケールは、メタバースを「相互に接続された体験型の3D仮想世界で、空間的な制約を超えて人々とリアルタイムで交流し、デジタルと物理の世界にまたがる、ユーザー所有のインターネット経済を形成することができるもの」だと定義している。
「メタバースのビジネスチャンスは様々な分野に広がっている」とも続けた。メタバースは、ゲーム、広告、デジタルイベント、ハードウェア、開発者やクリエイターの収益化などで、将来1兆ドル(約115兆円)規模の収益機会になることが見積もられているという。
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仮想空間と現実をつなぐゲーム世界
レポートは、メタバースの一例として、Decentraland(ディセントラランド)のようなゲームを挙げた。
Decentralandのようなプロジェクトでは、ユーザーがゲームで遊びながら、独自の暗号資産(仮想通貨)トークンを獲得したり、仮想の土地やアイテムなどのNFTを購入したり、運営に関わる投票を行ったり、NFTを作成したりすることが可能。現実世界で使える報酬を得ることもできる。
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グレースケールは、こうした仮想ゲーム世界の収益は、2020年の1,800億ドル(約21兆円)から2025年には4,000億ドル(約46兆円)にまで拡大することが予測されていると指摘した。
自由度の高いWeb3.0のメタバース
レポートは、メタバースにはWeb2.0上のものと、Web3.0で構築されているものがあると論じている。Web2.0のメタバースは、一般的に大企業が集中的に所有・管理しており、一方でWeb3.0のメタバースは分散型で、世界中のユーザーが民主的に所有・管理しているという。
Web3.0とは
現状の中央集権体制のウェブをWeb2.0と定義し、ブロックチェーン等を用いて非中央集権型のネットワークを実現する試みを指す。代表的な特徴は、仮想通貨ウォレットを利用したdAppsへのアクセスなど、ブロックチェーンをはじめとする分散型ネットワークのユースケースがある。
▶️仮想通貨用語集
レポートは次のように、Web3.0メタバースの利点を説明した。
多くの場合、Web2.0では、ゲームプレイヤーは、お金と時間を費やしてゲームで遊ぶものの、そこで行われた投資や努力は、現実世界では収益化できない。
Web3.0のメタバースでは、ゲーマーが自分のデジタル世界での資産をNFTとして所有し、他の人と取引したり、他のデジタル・プラットフォームに持ち込んだりして、現実的な収益を稼げる、全く新しい自由市場を作り出すことができる。
レポートは、こうした仮想世界で行われている活動として以下のものを挙げ、その可能性を示している。
- アートギャラリー:オークションハウス「サザビーズ」などがギャラリーを開設し、NFTアートの展示や販売を可能にした
- ビジネスオフィス:企業が、仮想空間に従業員が共同作業を行えるオフィスを開設
- ゲーム&カジノ:プレイヤーがトークンを獲得できるゲームやカジノ
- 広告:デジタルビルボードを設置し、広告料を得る
- コンサート会場:DJやミュージシャンが音楽を演奏することができる