ステーキングサービスの機能を追加
米暗号資産(仮想通貨)取引所クラーケンは21日、ノンカストディアルのステーキング・スタートアップ企業Stakedを買収したことを発表した。
買収金額など取引の詳細は明らかにされていないが、クラーケンは、「これまで仮想通貨業界で行われた最大の買収の1つ」と表現。
クラーケンが「すべての顧客のために、革新的な新しいステーキングサービスを開発し、プラットフォームでサポートされているプルーフオブステーキング(PoS)ネットワークの数を拡大するのに役立つ」と説明している。
PoS(プルーフオブステーク)とは
保有(ステーク)する仮想通貨の割合に応じて、ブロックを新たに承認・生成する権利が得られるコンセンサスアルゴリズムのこと。承認を行うと、報酬として新規発行される仮想通貨を受け取ることができる。
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また、クラーケンのJesse Powell CEOは、次のようにコメントした。
利回りサービスには、ますます多くの仮想通貨投資家が注目するようになっており、そうした製品の一つとしてStakedを追加できて大変嬉しい。
Stakedは、クラーケンの既存ステーキング事業を新たに機能強化するものだ。ステーキングされた資産の自己管理を希望するユーザーのために、世界クラスのインフラを提供することができるようになる。
投資部門は74億円の資金調達完了
クラーケンは投資部門についても事業拡大を進めているところだ。
クラーケンの投資部門「クラーケンベンチャーズ」は17日、その最初の投資ファンド設立のための資金として6,500万ドル(約74億円)を調達完了したと発表した。クラーケン本社の他、様々なグローバル機関投資家から資金を調達したという。
クラーケンベンチャーズは、仮想通貨とフィンテックを支える基礎技術に投資。金融インフラ、分散型ウェブ(Web3.0)、分散型金融(DeFi)、さらにAIや機械学習などのテクノロジー分野に重点を置く。
公式発表によると、ブロックチェーン・インフラを提供するBlockdaemon、仮想通貨カストディ企業Anchorage、仮想通貨データベース提供のMessari、DeFi関連企業Acalaなど、すでに多くの企業に投資を行っているという。
ファンドはこれから、50万ドル(約5,700万円)から200万ドル(約2億円)の範囲で、革新的なスタートアップへ初期投資を行っていく方針だ。米国を拠点としているが、今後は欧州での投資事業も拡大していく計画がある。