はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

仮想通貨 Decred(DCR)とは|今後の将来性について

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

出典:decred公式

ハイブリッド型のコンセンサスアルゴリズム
Proof of Work(PoW) とProof of Stake(PoS)の二つの承認アルゴリズムを組み合わせたハイブリット型となっています。これにより、プロジェクトの安定性を高めています。
コンセンサス投票システム
プロジェクトの進めていく上で、誰でもプロジェクトを改善していくための提案ができ、開発者側だけでなく、ステークホルダーはその提案の可否を決める投票権を得ることができます。これにより、オープンな管理体制を実現させています。
目次
  1. 概要
  2. 特徴
  3. ロードマップ
  4. Decredが取引できる取引所、およびウォレット
  5. まとめ

概要

通貨コード DCR
公開日 2016/2/8
コンセンサスメカニズム PoW(Proof of Work)、PoS(Proof of Stake)
発行上限 21,000,000
公式サイト Decred公式サイト
ブロックチェーンURL URL
White Paper PDF
ブロック生成速度 約5分

特徴

既存の技術を組み合わせ応用した仮想通貨です。

非中央集権的な管理体制を形成する目的で、DCR保有者には公平な権限が与えられており、自由にプロジェクトへ意見を提案することが出来ます。

Decredの特徴を一つずつ紹介していきます。

ハイブリッド型のコンセンサスアルゴリズム

Proof of Work(PoW) とProof of Stake(PoS)の二つの承認アルゴリズムを組み合わせたハイブリット型となっています。

ブロック生成の報酬は60%がPoW、30%がPoSとなっており、残りの10%は開発の資金に当てられます。

2種類の承認アルゴリズムを採用することで、PoWを採用している場合に発生する51%攻撃、PoSを採用している場合に発生するNothink at Stake などの問題を解決することが出来ます。

51%攻撃とは悪意のあるグループや個人がハッシュレートの51%を支配することで、不当な取引を行うことです。

過去には、Verge(ヴァージ)やBitcoinGoldなどがこの攻撃の被害にあい、BitcoinGoldへの51%攻撃の被害総額は20億円にも及んでいます。

依然として、この攻撃への有効な対策はありません。

Nothing at Stakeとは、PoSではブロックを生成するためには高性能なコンピュータや莫大な電力を必要とせず、不当なブロックを生成しやすくなるという問題です。

さらに、一般的に開発は複数人で行われるため、方向性が違うために通貨の分裂が起こってしまうと言う欠点がありました。

しかし、PoWとPoSの2段階認証により、どちらか一方しか採用してない場合に発生するこれらのリスクを取り除いています。

コンセンサス投票システム

コンセンサス投票システムを構築しており、ステークホルダーは自主的にルールを設定することが出来ます。

また、ステークホルダーがハードフォークの可否にも投票できるシステムが構築されています。

Decredは、コンセンサスを変えるためにはステークホルダーの明確な承認がなければならず、投票の結果によって自動的にコンセンサスの変更が実施される仮想通貨になりました。

投票システムは後ほど説明するPoliteiaというシステムが土台となっています。

アトミックスワップ

Decredはアトミックスワップという技術を兼ね備えています。

アトミックスワップとは、ブロックチェーン上で、取引所などの第三者の仲介を挟むことなく異なる仮想通貨との交換を可能にするシステムです。

これにより、当事者のみでの取引が可能になるため、秘匿性の高い取引を行うことが出来るというメリットがあります。

アトミックスワップについての詳しい説明は下の参考記事をご覧ください。

【仮想通貨取引革命】アトミックスワップとは
アトミックスワップとは、取引所の仲介なしで仮想通貨取引を行う事が可能になる仕組みです。第三者の仲介を省く事で取引速度が向上し、不正な取引のリスクも減ります。アトミックスワップを成功させた通貨にはビットコインとライトコインがあります。

Decredの不安要素

投票システムなどにより、オープンな管理体制を実現させていますが、必ずしもうまくいくとは限りません。

その一例として、The DAOというプロジェクトがあります。

以前、The DAOのセキュリティ懸念点の改善のためのプロポーザル(提案)がなされました。

しかし、投票率が悪く、プロジェクトが立ち止まることが危ぶまれました。つまりは、この投票システムには、通貨保有者が活発にコミュニティに参加することが必要不可欠になります。

もし、投票率が有効値まで達しなかった場合に、機能不全に陥ってしまいます。

また、他の問題点としては、特定の人物の発言力があまりにも肥大してしまった場合、大部分の通貨保有者がその人物に盲従してしまい、Decredの原則である非中央集権性が揺らいでしまいます。

ロードマップ

Decredのロードマップには具体的な実装される日付は記載されていません。

よって、今後の2018年から2019年にかけてのマイルストーンのリストとなっています。

その中でも主要なものを紹介します。

SPV ウォレット

Decredのウォレットは2017から改善され、GUI(Graphical User Interface)ウォレットになりました。

GUI(Graphical User Interface)ではコンピュータ画面上に、ボタン、アイコン、ウィンドウなどのグラフィックが表示され、ユーザーは目的となる動作を表すグラフィックを選択します。

これにより、ウォレットの使いやすさが格段に向上しました。

このGUIに加え、Decredのウォレットは中央サーバーと接続される典型的なウォレットの代わりに、P2Pネットワーク上で作動するSPVメカニズムを用います。

典型的なウォレットは、ある程度の利便性が確保されてはいますが、余分なものまでアップロードしていました。

SPVの利点は、ダウンロードする必要があるデータの量を最小限に抑えることできる一方で、ユーザーのプライバシーを保護することが出来ます。

Politeia

Politeiaは古代ギリシャの「統治のシステム」という意味の単語で、Politeiaによりステークホルダーなどが開発に携わることを可能にしています。

Politeiaの核心部分は完成しており、新バージョンのPoliteiaにより、今後投票システムのさらなる改善がなされる予定です。

Politeiaにより、ユーザーやステークホルダーは提案を行い、プロジェクトレベルの決定事項に参加することが出来ます。

どれだけDecredを保有しているかに関わらず、少しのお金を払うことで開発に関わる提案を行う権限が与えられます。

Politeiaで提案された内容や議論を見ることは可能ですが、提案やコメントをするためには0.1DCRを払うことが求められる予定です。

これは、スパムを防ぐためです。

ある提案が提出されると、ステークホルダーはチケットを買い、どの案を推し進めていくかの投票権が与えられます。

ライトニングネットワーク

Decredのブロック生成速度はビットコインの半分に留めていますが、まだ十分とは言えません。

そこで、ライトニング・ネットワークが実装されます。

ライトニング・ネットワークとはオフチェーン上でいくつかのトランザクションをまとめてから、効率化されたトランザクションのみをブロックチェーン上に送ることで、マイクロペイメントを可能にします。

これにより、手数料を抑えたり、スケーラビリティの問題の解決に繋がります。

資金管理の分散化

完全な非中央集権的なプロジェクトになるための最後の一歩がこの資金管理の分散化です。

しばらくの間は、Politeiaでの意思決定により開発者の資金を管理することになりますが、いずれは、スマートコントラクトを利用して完全にステークホルダーによって開発者側の資金管理が行われる予定です。

Decredが取引できる取引所、およびウォレット

取引所

現在、国内でDecredを取り扱っている取引所はありません。

海外取引所では、主に UpbitFEXBittrexOOOBTCPoloniex などで取り扱われています。

また、2018年6月14日にはHuobiにも上場しました。

ウォレット

Decredの保管方法は、Decredが提供する公式のGUIウォレットDecreditonがあります。

このウォレットはWindows、macOS、Linuxに対応しています。

自分でウォレットを管理したい方には公式ウォレットがオススメです。

まとめ

DecredはPoWとPoSのハイブリッド型のシステムが導入されており、安定性が高いと考えられています。

通貨の管理体制システムも公平性が高いとされていますが、逆にプロジェクトの進捗は投票によって決定するため、コミュニティが積極的に参加しなければプロジェクトは立ち止まってしまうという欠点もあります。

今後、Decredの将来に期待が寄せられます。

CoinPostの関連記事

Decred(DCR) チャート・価格・相場一覧
仮想通貨ディークレッド(Decred/DCR)のチャート・価格・相場一覧を掲載しています。また、ディークレッド(Decred/DCR)とは何か、通貨の概要やその詳細も解説しています。
仮想通貨時価総額ランキングTOP50|将来性と最新ニュースを徹底解説
ビットコイン、リップル、モナコインなど仮想通貨(暗号通貨)の「仮想通貨時価総額ランキングTOP50」です。通貨の特徴などポイント解説、前週比の相場変動まで一覧表で掲載。最新の海外ニュースや2017年仮想通貨ランキングもあるので、将来性の確認や参考投資情報としてお役立て下さい。
CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
11/01 土曜日
09:20
欧州中央銀行がデジタルユーロ開発加速、2029年導入目指す
欧州中央銀行が中央銀行デジタル通貨(CBDC)デジタルユーロの開発を次段階に進めることを決定した。2027年にパイロット実験を開始し、2029年の正式導入を目指す。
07:40
ビットコイン、サトシ・ナカモト執筆のホワイトペーパー公開から17周年に
仮想通貨ビットコインは10月31日、ホワイトペーパー公開から17周年を迎えた。SNSでは祝福の声が投稿されており、コインベースのCEOは、1つのPDFが世界を変えたとコメントしている。
07:30
米連邦控訴裁、仮想通貨銀行カストディアのマスターアカウント請求認めず
米連邦控訴裁判所が仮想通貨銀行カストディアに対するFRBのマスターアカウント拒否を支持した。裁判所はFRBがアクセスを認めるかどうかの裁量を持つと判断し、地方裁判所の判決を支持した。
06:45
コインベースが民主党議員の政治献金批判に反論 、「中立的活動」と主張
仮想通貨取引所コインベースが民主党マーフィー上院議員からの政治献金批判に公開反論した。同社幹部は仮想通貨業界PAC活動が非党派的で企業献金は歴代政権で標準的慣行だったと説明。
06:10
ストラテジーのセイラー会長、ビットコイン企業買収に消極姿勢
ストラテジーのセイラー会長が他のBTCトレジャリー企業の買収に関心がないことを明らかにした。不確実性が多く時間がかかることを理由に挙げ、デジタルクレジット販売とビットコイン購入に注力する方針だ。
05:45
カナン、日本の電力会社と契約 ビットコインマイニングで送電網安定化図る
BTC採掘機器メーカーカナンが日本の大手地域電力会社とマイニングサーバー販売契約を締結した。水冷式アバロンサーバーで送電網バランシングとエネルギー効率最適化を実現し、2025年末に稼働開始する予定だ。
10/31 金曜日
18:45
American Bitcoin CEOが語る、環境配慮型マイニングの未来|独占インタビュー
American BitcoinのMichael Ho CEO独占インタビュー。ビットコインマイニングの60%以上が再生可能エネルギー由来という実態や、トランプファミリーとのビジネス関係、日本市場への期待について詳しく聞く。
18:41
万博ウォレットがリニューアル、JPYC対応開始&総額1億円配布へ
EXPO2025デジタルウォレットが「HashPort Wallet」としてリニューアル。JPYC対応を開始し、総額1億円プレゼントキャンペーンを開催。Ethereum・Polygon対応も。
18:33
SBIホールディングスが上半期で過去最高益 暗号資産事業は堅調・Web3戦略を本格化
暗号資産事業も堅調 SBIホールディングス株式会社(東証プライム:8473)が31日に発表した2026年3月期第2四半期(2025年4〜9月)連結決算は、純利益が前年同期比3….
16:59
ゲーム会社gumi、子会社で予測市場サービスの事業化を検討
gumiが子会社gC Labsで予測市場サービスの事業化検討を開始。AIとブロックチェーンを活用し、政治・経済・エンタメなど幅広いテーマで集合知を生成。海外で急成長するPolymarketを参考に、日本での新市場創出を目指す。
16:53
金融庁、ビットコインなど暗号資産ETF関連デリバティブの国内提供を「望ましくない」と牽制
金融庁は31日、海外で組成された暗号資産(仮想通貨)ETFを原資産とするデリバティブ商品の取扱いについて「望ましくない」との見解を表明した。IG証券が開始したブラックロックのビットコイン・イーサリアムETFのCFD取引が背景とみられる。国内では暗号資産ETFの制度整備が進行中で、税制面の不透明さも課題となっている。
14:38
バンクマン=フリード被告のXアカウント、「FTXは破産していなかった」とする文書を公開
破綻した暗号資産取引所FTXの創設者サム・バンクマン=フリードが「FTXは破産していなかった」と主張。収監中の身ながら、X上で14ページの反論文書を公開した。
14:08
コインチェック、『Eternal Crypt - Wizardry BC -』関連NFT取扱い終了へ
Coincheckは、ブロックチェーンゲーム『Eternal Crypt - Wizardry BC -』のサービス終了に伴い、NFTコレクションの取扱い終了とBCトークン購入の一時中止を発表しました。
13:50
RWAトークン市場、2028年に約60倍拡大予測「大部分はイーサリアム上で」=大手銀行分析
スタンダードチャータード銀行がステーブルコインを除く実物資産トークン化市場が2028年までに現在の350億ドルから2兆ドルへ約60倍拡大すると予測した。マネーマーケットファンドと上場株式が市場を牽引する見込みだ。
13:40
ビットコイン苦戦の理由は「投資家の確信欠如」=Glassnode分析
オンチェーン分析企業Glassnodeは最新の週次レポートで、ビットコイン市場は現在、調整と再評価の段階にあると指摘した。オンチェーン分析では、長期保有者による継続的な売りが市場構造に重くのしかかっている状況を説明。一方、オプション市場では、「危機モードから再建モードへと移行」しており、安定性の改善が示唆されるとしている。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧