ビットバンク独自開発のアプリ
暗号資産(仮想通貨)取引所bitbankを運営するビットバンク株式会社は16日、ビットコインのレイヤー2(セカンドレイヤー)技術である「Lightning Network」の実用化に向け、独自開発のアプリ「NLoop」を公開した。
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— ビットバンク bitbank, inc. (@bitbank_inc) February 16, 2022
Lightning Network の実用化に向けて弊社が独自開発した「NLoop」について、開発者のクリプトエンジニア @joemphilips が技術的な詳細を解説しております。
ぜひご覧ください。#LightningNetwork #bitcoinhttps://t.co/jqM3QI9Nwm
Lightning Networkは、ビットコインのスケーラビリティ(拡張性)問題や送金手数料などの課題解決を目指して考案されたレイヤー2技術。トラストレスな性質を保ったまま、より高速で安価なビットコイン(BTC)送金を可能にする。
ブロックチェーンの外(オフチェーン)で取引を実行することで、送金速度の大幅な向上やマイクロペイメント(1円以下の小額送金・少額決済)にも対応した安価な送金手数料を実現することができる。昨今では、ビットコインを法定通貨化したエルサルバドルでの国家レベルでの採用やTwitterを含む送金市場での導入、ブロックチェーンゲームにおける利用が増加傾向にあり、ビットコイン決済普及のきっかけになり得るとして注目される。
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今後bitbankにおいて、Lightning Networkを活用した入出金の実装も検討するとした。
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「NLoop」の詳細
NLoopは、Lightning Networkを安定使用するためのアプリ。
ネットワーク参加者が、世界中の流動性プロバイダ(流動性提供者)に接続して、チャンネルを常に使用可能な状態に保つ処理を行うことを自動化。Lightning Networkを普及させる上で課題となっている「流動性」不足に対するソリューションとして開発された。
同社によれば、Lightning Networkにおいて、流動性プロバイダとのやり取りを自動化するサービスの提供は国内初だ。
今回の発表に際し、同社は以下のようにコメントしている。
当社では、取引所bitbankにおけるビットコイン入出金への活用も視野に入れ、Lightning Networkの研究開発に注力しています。
Lightning Networkを活用することで、よりスムーズな入出金を可能にし、裁定取引(アービトラージ)などにおける利便性を高めるだけでなく、少額決済など様々な送金需要に対応した機能性を実現することができます。
同社所属のNLoopの開発者である宮本丈氏も、技術的な側面から解説コメントを寄せた。
インターネットに Internet Service Provider(ISP)が存在するように、インターネットオブマネーであるビットコインには、ライトニングネットワークへの接続を担保するLightning Service Provider(LSP)という主体が必要になります。
現在「暗号資産取引所」と呼ばれれているものの多くは、近い将来LSPになると私は考えています。本ソフトウェアは、弊社がその過程を歩むための第一歩です。技術的な詳細については、こちらをご参照ください。
LSP事業の潜在的な重要性自体は多くの事業者が認識していることと思いますが、現時点で R&D を行っている会社はそう多くはないと思います。ビットバンクは、 Lightning Networkの普及を目標に研究開発を行っている数少ない会社のうちの一つです。
ビットバンク代表取締役社長の廣末紀之氏は、2021年9月に東証1部上場企業ミクシィとの資本業務提携を発表した際、検討している新規事業について明かしていた。その中に「レイヤー2決済」も含まれていた。
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