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野村HDら設立のカストディアン「Komainu」、仮想通貨利回りサービス提供へ

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

保管資産に利回りを付与

機関投資家向けにデジタル資産のカストディサービスを提供する「Komainu」は8日、顧客向けに、利回り付与サービスを開始したことを発表した。

この「Komainu Yield」という名前のプラットフォームにより、同社の顧客はKomainuが代理で保管する暗号資産(仮想通貨)から、利回りを得ることができるようになる。

Komainuは、顧客の仮想通貨資産を安全に保管しながら、ステーキングを行い、様々なPoS(プルーフオブステーク)系の銘柄で提供される利回りを付与するという。

関連仮想通貨ステーキングとは|初心者でもわかる「報酬」の仕組み

ステーキングとは

特定の仮想通貨を保有することで、その通貨のブロックチェーンネットワークを管理することに貢献し、対価として報酬を得る仕組み。厳密には、仮想通貨を保有するだけでなく、ネットワーク上に預け入れておく必要がある。銀行口座に法定通貨を貯金し、一定期間後に利子を受け取る仕組みに類似しているといえる。なお、ステーキングは、PoS(Proof of Stake)のコンセンサスアルゴリズムを採用している通貨で行うことができる。

▶️仮想通貨用語集

Komainuに出資した企業の一つであるCoinSharesが、このプラットフォームを利用する最初の顧客になった。

デジタル資産投資企業CoinSharesはすでに、「CoinShares Physically Staked Tezos」と「CoinShares Physically Staked Polkadot」という、2つの仮想通貨ETP(上場取引型金融商品)の裏付け資産を、Komainuで保管している。

「CoinShares Physically Staked Tezos」は、テゾス(XTZ)の価格と連動し、ステーキング報酬の配分にも間接的に参加できるようにするETPだ。「CoinShares Physically Staked Polkadot」も、ポルカドット(DOT)について同様の商品を提供する。

Komainu Yieldは、銘柄には言及しなかったものの、立ち上げ時にいくつかの主要なデジタル資産についてステーキングサービスを提供するとした。また、2022年を通じて、取り扱う資産を拡大し、機関投資家向けの主要なカストディアル・ステーキング・プロバイダーになるとの姿勢を示している。

「ステーキングへの関心高まる」

今後は、ステーキングの他にも、一連の利回りサービスを打ち出す計画だという。Komainuの社長であるHenson Orser社長は、次のように述べた。

さらに多くのブロックチェーンが、プルーフオブステークへと移行する中、ステーキングという行為は、仮想通貨エコシステムの中で大きな役割を果たすことになるだろう。

Komainu Yieldは、機関投資家に、安全で透明性の高い方法で、預けた資産からリターンを受け取ることができる方法を提供する。

CoinSharesのFrank Spiteri最高歳入責任者は、「私たちの顧客は2021年を通して、仮想通貨投資で受動的に利益を得る手段として、ステーキングを利用することに大きな関心を寄せていた」と説明している。

20年設立のKomainu

Komainuは、20年6月に、日本の野村ホールディングスと英資産運用企業CoinShares、仮想通貨ハードウェアウォレットメーカーのLedgerが合弁事業として設立。

21年3月には、ヘッジファンド業界で著名なAlan Howard氏が主導するシリーズA資金調達ラウンドで約27億円を調達した。

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