新たなコンテンツ収益化の可能性
大手動画共有プラットフォームYouTubeは10日、2022年に提供するサービスのロードマップを発表。Web3.0(分散型ウェブ)がもたらす新たな可能性に言及した。
YouTubeのNeal Mohan最高製品責任者(CPO)は「2022年の展望」と題したブログで、「プラットフォームの核心」であるクリエーターが意欲的に創作し、動画を収益化できる環境づくりの取り組みを紹介。
ショートビデオやライブ視聴、チャット、コメントなどの機能の充実を図ると約束する中、ブロックチェーンやNFT(非代替性トークン)などの新技術が、クリエーターとファンの関係をより深めることができるとの考えを披露した。
Mohan氏は、クリエーターのオリジナル動画や写真、アート、さらに経験そのものを「検証可能な方法で所有する」機会を提供することは、「魅力的な可能性」であると述べた。この発言は、NFTの作成機能を提供することを示唆したものと思われる。NFTの提供は、クリエーターにとってコンテンツ収益化にもつながる。
新たなテクノロジーの使用には責任が伴い、課題もあるが、同時に「素晴らしい可能性を秘めている」と同氏は評価した。
さらにYouTubeの体験をより「実体感のある」ものとするため、メタバース(仮想空間)の構築を考えているという。まずはインパクトの大きいゲーム分野に取り組み、インタラクションを導入する予定。
まだ始まったばかりだが、どのような形でバーチャルな世界を現実として視聴者に届けられるのか、とても楽しみだ。
メタバース
インターネット上に構築された、多人数参加型の3次元仮想現実世界のこと。アバターを使ってゲームや音楽のライブ、オンライン・カンフェレンスに参加できるなど、様々な領域で活用が期待されている。
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イノベーションに投資
YouTubeのSusan Wojcicki最高経営責任者(CEO)は先月、NFT(非代替性トークン)を同社のサービスに導入する可能性を示唆していた。Wojcicki氏は今後、YouTubeが成長を継続するためにも、Web3.0で何が起きているのかを注視しているという。
同氏は、暗号資産(仮想通貨)やDAO(自立分散型組織)、NFTの普及により、クリエーターとファンを繋ぐ新たな方法が生まれつつあると説明。主にショートビデオ、音楽、ゲームなど分野を中心にイノベーションに特化した投資行う予定だと述べた。
NFT
NFTとは、「Non-Fungible Token」の略称で、代替不可能で固有の価値を持つデジタルトークンのこと。ゲームや音楽、アート作品、各種証明書など幅広く技術が活用されている。
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Web3.0へ
Wojcicki CEOがWeb3.0への投資を表明する一方で、同社の重役二人が辞任することが明らかになった。
一人はYouTubeのゲーム部門を7年間率いてきたRyan Wyatt氏で、ポリゴン傘下の「Polygon Studios」のCEOに就任する。ポリゴンではブロックチェーンアプリの開発等を通して「Web2とWeb3のギャップを埋める」ことに注力するという。
もう一人は、同社のクリエイター・パートナーシップ担当シニア・ディレクターのJamie Byrne氏。Byrne氏はNFT関連のベンチャー企業「Bright Moments」の幹部チームに加わるという。
Web 2で活躍した両者の移籍は、Web 3の領域の中でも、ゲームとNFT関連事業が成長を牽引していることの表れかもしれない。