デジタル事業の重点戦略
株式会社バンダイナムコホールディングスは先週、22年4月から25年3月までのバンダイナムコグループの中期計画を発表。IP(知的財産権)ごとのメタバース開発を進めていく方針を明らかにした。
メタバース(仮想現実)構想は、デジタル事業の重点戦略のひとつとして位置付けられている。開発のため150億円を投資する計画も告知された。
メタバース内では、IPを軸にした複数のエンターテイメントを提供する計画。物理的な商品とデジタルが融合する仕組みの実装を想定しているという。
中長期的なIP価値の最大化のため、メタバースを活用してファン同士のつながり方の質を追求することも発表された。コミュニティやコンテンツを通じて、ユーザーが長期的な関係を築ける環境を構築していくとのことだ。
政治面からの注目も始まる
メタバースに参入する企業の数は、日増しに増えつつある。
15日には米金融大手JPモルガンが銀行初として、メタバースプラットフォーム「ディセントラランド(MANA)」にラウンジを開設したことを発表。国内では1月、国内の暗号資産(仮想通貨)取引所コインチェックが、NFTゲームプロジェクト「ザ・サンドボックス(SAND)」で、メタバース都市開発を行うことを告知するなどの事例も見られた。
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また、政治面からの注目も始まっている。ロイター通信は、欧州連合(EU)のマーガレーテ・ヴェスタガー委員が8日、メタバースを規制するか決定する前に、もっとそれを理解する必要があると述べたと報道した。
ヴェスタガー氏は、欧州委員会のデンマーク代表。独占禁止法やEUのデジタル化を担当している人物だ。同氏は、メタバースへの注力を表明したメタ社に関しても注視しているという。
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