はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

東芝、JPモルガンら、ブロックチェーン活用の量子暗号通信実験に成功 

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

量子暗号通信の実証実験

株式会社東芝、米大手銀行JPモルガン及び米シエナは17日、米国にて量子暗号通信(QKD)ネットワークの実証実験に成功したと発表した。

量子暗号通信は、金融取引など秘匿性の高い情報を安全にやり取りするために用いられる暗号通信技術の1つ。量子鍵配送(QKD)とも呼ばれ、情報を暗号化して解読されないようにするために、復号に必要な鍵を光子に乗せて伝送する。光子は何かに触れると状態が必ず変化するという量子学的な性質を活用して、第三者による鍵の盗難を確実に検知する仕組みだ。

量子コンピューター時代に備え

同実証実験は、JPモルガンの研究施設にて、東芝の子会社でIoT(モノのインターネット化)・AI(人工知能)・ICT(情報通信技術)分野の開発を行う東芝デジタルソリューションズが手掛けるQKDシステムと、シエナ提供の伝送を最適化するプラットフォームを用いて行われた。

3社は、金融分野におけるブロックチェーンアプリケーションで送受される情報を保護するためにQKDネットワークを使用。大都市において、最大100キロの距離かつ実用レベルの速度での暗号通信を成功させた。

今回の発表に際し、JPモルガンのエンジニア兼FLARE Researchグループ責任者Marco Pistoia氏は次のように述べている。

JPモルガン・チェースにとってセキュリティは最優先事項です。東芝グループとシエナとの実証実験は、私たちが実用レベルの量子コンピューターの導入に向けて準備を進めている非常に重要なタイミングで行われています。

この実証実験を機に、ブロックチェーンや暗号通貨などのテクノロジーのセキュリティ環境が近い将来変化するでしょう。東芝グループやシエナなどの業界リーダーと提携し、実世界の金融アプリケーションにQKDを応用する最前線にいることを誇りに思います。

Pistoia氏も言及しているように、今回の取り組みの背景には量子コンピューターの存在がある。量子コンピューターは、量子の性質を利用することで、既存のコンピュータと比較して処理能力を飛躍的に高めたもの。ビットコイン(BTC)など暗号資産(仮想通貨)・ブロックチェーンで利用される秘密鍵の情報をも解読できる可能性があると指摘する有識者もいる。理論上解読が不可能とされる量子暗号通信の導入によりセキュリティ強化を図る狙いだ。

東芝は、実証実験を成功裏に収めたことにより、来る量子コンピューター時代に備え、盗聴者を即座に検出・防御しより安全で効率的なネットワークを構築することが可能になったと述べている。

同社は、量子暗号通信の事業を2020年より開始。2021年10月には量子暗号通信システムの半導体チップ化し、これらを実装した「チップベース量子暗号通信システム」の実証実験に成功したと発表。同社によれば、量子暗号通信を光集積回路ベースで実装したのは世界初だという。2024年の実用化に向けて研究開発を進める方針を示した。

2021年1月には、NEC(日本電気株式会社)、野村ホールディングスなどと共に株式取引で扱うデータを量子暗号通信で円滑に伝送する実証実験に成功したと発表した。

関連:Twitter投稿が3億円の価値に|大企業も注目する「NFT」の仕組みと可能性

厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
03/29 土曜日
13:45
イーサリアム創設者ヴィタリック、L2セキュリティの進化と「2-of-3」証明システムを提案
ヴィタリック・ブテリン氏が新たなブログで、L2セキュリティの現状と将来展望を公開。ブロブスペース拡張、ZK・OP・TEEを組み合わせた「2-of-3」証明システム、証明集約レイヤーの必要性について詳細に解説。
12:55
南カロライナ州で新たにビットコイン準備金法案提出 対コインベース訴訟取り下げも
米国サウスカロライナ州が、コインベースへのステーキング関連訴訟を取り下げた。また同日には州がビットコインなど仮想通貨の準備金を持てるようにする法案が提出されている。
10:45
ブラックロックのビットコインETFを保有、トランプ大統領の息子が顧問の米上場企業
米ドミナリ・ホールディングス社がビットコイン保有戦略を開始し、ブラックロックのETFを購入。機関投資家の仮想通貨投資最新動向は。
10:00
欧州保険・年金機構(EIOPA)、保険会社が仮想通貨を100%裏付ける義務提案
EIOPAが保険会社の仮想通貨保有に100%の資本要件を提案。高リスクに対応するためとしている。欧州では特にルクセンブルクで保険会社の仮想通貨エクスポージャーが確認されている。 。
09:30
SEC、イーロン率いる政府効率化省(DOGE)と連携開始
米証券取引委員会(SEC)がイーロン・マスク氏の政府効率化省(DOGE)との連携を開始。トランプ政権下での規制機関改革と仮想通貨政策転換の最新動向を解説。
08:30
ビットコイン80万円下落、BTCメジャーSQ通過で需給悪化|仮想NISHI
仮想通貨ビットコインは前日比で一時80万円の下落となった。アルトコイン市場も、ビットコインの急落に連動するかたちでほぼ全面安の展開となった。
07:45
トランプ大統領、仮想通貨取引所BitMEXの共同創設者3名に恩赦
トランプ大統領は、アーサー・ヘイズ氏ら仮想通貨取引所BitMEXの3名の共同創設者に恩赦を与えたことがわかった。同氏らは、意図的にマネーロンダリング対策を導入せず銀行秘密法に違反したと告発されていた。
07:15
アバランチ現物ETF、米グレースケールも申請
VanEckの後に申請 米ナスダックは3月27日、グレースケールのアバランチ(AVAX)現物ETFに関する19b-4申請書を米証券取引委員会(SEC)に提出した。この申請は、既…
07:02
ブラジル政府高官「ビットコイン準備金は国の繁栄に不可欠」
ブラジル副大統領首席補佐官がビットコインを「デジタルゴールド」と評価し、国際準備金の5%をビットコインに投資する法案を支持する。
06:40
イーロン・マスク氏、人工知能開発のXAIがX社を買収と発表 企業価値16兆円超の巨大統合に
イーロン・マスク氏が率いるAI企業XAIが旧ツイッター社X社を全株式交換で買収。XAIを800億ドル、X社を330億ドルと評価する統合により、AIとソーシャルメディアの融合を目指す。
06:15
Bybitハッカー、40億円相当のイーサリアムを売却 ETH価格は前日比6%安
Bybitハッキング犯による40億規模のイーサリアム大量売却が仮想通貨に影響。ETHが前日比-6.3%。
03/28 金曜日
13:15
イーサリアム「ペクトラ」の実装日が4月30日と仮決定、次期「フサカ」の動向は?
カオスつうかイーサリアムのコア開発者ティム・ベイコ氏が「ペクトラ」アップグレードの実装日を4月30日と仮決定。次期開発に関しても進捗が確認された。
11:30
米司法省、ハマス関連の仮想通貨約3000万円を押収 資金調達を阻止
米司法省が、イスラム系組織ハマスからUSDTなどの仮想通貨を20万ドル相当押収した。ハマスは仮想通貨による寄付募集やマネロンを行っていたとみられる。
10:50
リップル社、アフリカの決済企業Chipper Cashと提携
リップル社は、アフリカの決済企業Chipper Cashとパートナーシップを締結。仮想通貨を活用するリップルペイメントを導入し、アフリカにおける国際送金の速さやコスト効率を向上させる。
10:45
トランプ指名のアトキンス氏が仮想通貨規制方針示す SEC委員長指名公聴会で
米上院銀行委員会が、次期SEC委員長候補ポール・アトキンス氏の公聴会を開催した。ウォーレン議員が利益相反の可能性を追及した他、仮想通貨関連の議題も俎上に上った。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧