CoinPostで今最も読まれています

米FBI長官「ロシアの仮想通貨を利用した制裁回避の可能性は低い」

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

「ロシア政府の仮想通貨利用の可能性低い」

米FBI(連邦捜査局)のクリストファー・レイ長官は10日、ロシア政府が暗号資産(仮想通貨)を利用して制裁回避を行うリスクは国際社会から過剰評価されていると発言した。米上院諜報活動特別委員会の公聴会で明らかにした。

同公聴会ではロシアのウクライナ侵攻を受けた国際情勢について、米議員がFBIやCIA(中央情報局)などの諜報機関のトップらを召喚。質疑応答の一部では、民主党所属のマーティン・ハインリック議員がロシア政府が仮想通貨を利用して制裁を逃れるリスクについて質問した。

FBIのレイ長官は以下のように発言した。

仮想通貨を利用して制裁を回避するロシアの能力は(国際社会から)非常に過大評価されていると思う。

我々の対策はコミュニティーとして、また海外のパートナーとともに、(国際社会の)評価している以上に効果的だ。そのような取り組みを阻止するためのツールや戦略など専門知識を持ち合わせている。

レイ長官は仮に、ロシアが仮想通貨を利用して制裁を回避してもいずれかは法定通貨に換金する必要があると指摘。西欧諸国からの厳しい制裁下で、これは困難であると述べた。

また、同氏はこれまでFBIが仮想通貨を利用した犯罪捜査の大体的な押収を行ってきたと説明。「仮想通貨を利用した制裁回避手段の脆弱性は明らかだ」とコメントした。

FBIは21年10月、ユーロポール(欧州刑事警察機構)などと連携して、150人以上の麻薬密売人を逮捕。累計6億円相当の仮想通貨の押収に成功し、30億円相当の現金や大量の武器や麻薬の差し押さえていた。

FBIは2020年にも「Operation DisrupTor」という取り組みで7億円相当の現金と仮想通貨を押収していた事例がある。

関連:FBIやユーロポール、麻薬密売人から5.6億円相当の仮想通貨を押収

その他の制裁回避手段

また、アブリル・ヘインズ国家情報長官は2014年のクリミア危機など、米政府の過去の傾向を基に、プーチン政権は一定の経済制裁に対抗する手段を用意していたと言及。具体的には、石油などの販売や金準備、中国人民元などを用意していたが、「制裁は外貨預金へのアクセスを難しくした」と説明した。

ルーブルの急落やロシアの株式市場の閉場などが経済制裁の効果を裏付けていると語った。

ウクライナ侵攻が開始した直後から、ロシア・ルーブルとウクライナ・フリヴニャ建のビットコイン取引量は一時急増。一部の米議員や欧州中央銀行のクリスティーヌ・ラガルド総裁などはロシア政府が仮想通貨を制裁回避手段として利用する可能性を危惧していた。

関連:米議員、対ロシア制裁の仮想通貨法案を提出へ

関連:欧州連合、ロシアの仮想通貨取引監視を強化へ 制裁逃れを警戒

出典:CoinShares

ただ、業界専門家のJake Chervinsky氏などは取引履歴がパブリックに残る仮想通貨をロシア政府にとって好ましくないと指摘。米財務省の関係者もブロックチェーン上の追跡は容易であると指摘しており、FBIのレイ長官と同様の見解を示していた。

関連:ルーブル建てのビットコイン取引量急増、制裁逃れに仮想通貨が利用されるリスクは

なお、米政府は今週9日に仮想通貨の調査を多数の政府機関に命じる大統領令を発表したばかり。

仮想通貨シンクタンクCoinCenterのJerry Brito氏はこの大統領令は「連邦政府が仮想通貨業界が米国経済の重要な一部分であることを認めた」ことを示すと評価するなど、バイデン政権が仮想通貨を冷静に評価する姿勢を見せていると分析していた。

関連:反響広がる仮想通貨関連「米大統領令」、政府関係者や有識者らの見解まとめ

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
03/29 金曜日
17:08
HSBC銀行がトークン化されたゴールド商品を香港で提供開始
HSBCは香港の個人投資家に向けて、オンラインバンキングとウェブサイトを通じたトークン化されたゴールド商品のアクセスを提供開始した。トークンはHSBC Orionプラットフォームで発行され、リテール向け、HSBCオンラインバンキングおよびHSBC香港モバイルアプリを通じて提供される。
15:30
Filecoinステーキング大手、Glifがポイントプログラム開始
暗号資産(仮想通貨)ファイルコイン(FIL)の、ステーキング・プロトコルGlifがポイントプログラムを開始した。FILトークン保有者は流動性プールにFILを預けることで、Glifのネイティブ・リキッド・リース・トークンである「iFIL」を受け取り、運用できる。
14:34
イーサリアム共同創設者ブテリン氏、Dencun後の改善点を語る
仮想通貨イーサリアムの共同創業者ヴィタリック・ブテリン氏は、Dencunが完了した今後の技術的な改善点を提案した。
14:11
CoinTradeがソラナ含む4銘柄の取扱い開始、ステーキングサービスにSOL追加
暗号資産(仮想通貨)販売所CoinTradeがソラナを含む4銘柄の取り扱いを開始。ステーキングサービスにSOLを追加した。条件をクリアすることでSOLをプレゼントするキャンペーンを開催中。ジパングコイン(ZPG)など三井物産デジタルコモディティーズも新規で取り扱う。
12:55
日本DAO協会4月1日に立ち上げ 府令改正も同日公布
日本DAO協会が4月1日に設立される。DAOの自主規制や健全なエコシステムづくりを推進していくもので、協会自体の運営もDAOで行う計画だ。
12:24
ビットコイン7万ドル台で高止まり、ブラックロックの新規ファンド好調でRWA関連銘柄買われる
暗号資産(仮想通貨)市場ではビットコインが7万ドル台新高値をうかがう展開。アルト相場ではブラックロックのトークン化ファンド「BUIDL」絶好調の影響で、ONDOなどのRWA関連銘柄が買われた。
11:30
Googleサーチ、ビットコインやArbitrumなどのアドレスで資産残高を確認可能に
全ての資産を表示するわけではなく、残高は各ネットワークのネイティブトークン(ETHやARB、OPなど)のみを表示。
10:50
5月のローンチ目指す、香港でビットコイン現物ETF申請のVSFG
仮に香港で承認された場合、アジア初の事例となり、今後日本でのビットコインETF上場や発行にも追い風になりうるとみられる。
10:00
FTXのサム前CEOに懲役25年の判決 カリフォルニアで服役へ
米国地方裁判所の判事は28日、破綻した仮想通貨取引所FTXのサム前CEOに対して懲役25年、および最大1.7兆円の資産没収という判決を言い渡した。
08:40
2.6兆円相当のBTC保有数到達、ブラックロックのビットコイン現物ETF
純流入再び加速 ブラックロックのIBIT・ビットコイン現物ETFの運用資産は初めて、250,000 BTC(2.6兆円)を超えた。1月11日の取引開始からわずか11週間で2兆円…
08:10
Wormholeの仮想通貨「W」、取得開始日明かす
Wormholeは、今月7日に、Wトークンのエアドロップアロケーションや適合対象アドレスを公開。ソラナ、EVM系、Sui、Aptos、Osmosis、Injectiveといったネットワークでのユーザーや、ソラナNo.1NFTコレクションである「Mad Lads」のホルダーを対象としている。
07:40
米投資会社、マイクロストラテジーの株はBTCより割高と指摘
マイクロストラテジーの株価から概算する仮想通貨ビットコインの価格は17万ドル超であると米ケリスデールが分析。同社の株は、ビットコインに対し正当ではないプレミアムがついて取引されているとの見方を示した。
07:20
アバランチ財団「Codebase」、最初の支援プロジェクト15社を選出
アバランチではすでに「Colony Lab」という分散型アクセラレーターが活動しているが、今回Codebaseと連携し支援対象への資金提供を拡大し、1プロジェクトにつき、100万ドルを超える金額を提供する可能性がある。
06:45
5月承認の可能性低いもBitwiseらがイーサリアム現物ETFの上場申請行う
イーサリアムETFが現在の多くの申請の最終期限となる5月に承認される見込みは、SECがイーサリアム財団を調査しているとの報道などを受け大幅に後退している。1月には70%あったが、現在は20%程度まで低下してきた模様だ。
05:50
Bybit、ソラナミームコイン「POPCAT」の永久先物提供
ソラナの仮想通貨ミームコインへの需要は未だ高い。代表的な犬系ミームコイン「WIF」は29日過去最高値を更新し、前日比で20%上昇している。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
イベント情報
一覧
2024/04/06 ~ 2024/04/09
香港 香港コンベンション・アンド・エキシビション・センター3FG
2024/04/09 14:00 ~ 16:00
その他 オンライン
2024/04/13 ~ 2024/04/14
東京 東京都港区
2024/04/13 10:00 ~ 17:00
その他 オンライン
重要指標
一覧
新着指標
一覧