CoinPostで今最も読まれています

米議員、対ロシア制裁の仮想通貨法案を提出へ

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

「War Against America ACT」法

暗号資産(仮想通貨)懐疑派として定評のある米エリザベス・ウォーレン上院議員(民主党)は9日、ロシアが仮想通貨を利用し経済制裁を回避することを阻止するための関連法案を起草している。NBCニュースなどが報じた。

私の新たな法案はプーチンや彼の仲間が仮想通貨を利用して制裁を逃れることを防ぐ目的がある。

法案名称は、「War Against America Act(米国に対する戦争の法)」で、主に二次的制裁を実施することを目的とする。具体的には、仮想通貨取引所等業者が制裁対象となっているロシアの個人や企業にサービスを提供することを防ぐために、ユーザーのアイデンティティと個人ウォレットの取引記録を財務省に報告することを要求する。遵守しない海外の業者には「二次制裁」を科すことになる。

ウォーレン議員および上院の3つの主要委員会の委員長は先週、事態が深刻化するロシアのウクライナ侵攻を背景とする米政府の対ロシア制裁下で、財務省がロシアが仮想通貨を利用し制裁を避けるリスクについてどのよう対処するかについて、イエレン財務長官に情報共有を求めた背景がある。

ウォーレン議員だけでなく、共和党のリンゼー・グラム上院議員も先週、「ロシア中央銀行を制裁するのはいいことだが、ロシア人がどのように仮想通貨を利用しているか心配だ」と懸念を示した。

財務省は1日、米国人がロシア政府を利する目的で、仮想通貨を用いた取引を禁ずる規則を実施。また、欧州の民主主義国家の多くや日本も仮想通貨を制裁対象とすることを検討または実施している。

関連日本の仮想通貨業界、ロシアの制裁回避を防止する方法検討か=報道

一方、プーチン大統領率いるロシア政府や新興財閥が仮想通貨で制裁逃れを図っている事実は現時点では確認されていない。財務省も7日に、ロシアが制裁回避のために仮想通貨を使うことに注意するよう警告を発したものの、財務省傘下のFinCENの長官代理は声明でロシアが制裁回避に仮想通貨を使っているという証拠はほとんどないと述べた。

関連米財務省、ロシア制裁回避での仮想通貨利用を警戒

業界の反応

今回、ウォーレン議員の法案が必要以上にユーザーのプライバシーを侵害の目標としかねないと業界の一部は懸念の声を上げている。ウォーレン議員は民主党左派として先進的な政策を掲げているが、仮想通貨に対してはこれまでDeFi(分散型金融)の匿名開発者のことを「影に潜んでいるコーダー」と批判したり、「仮想通貨は新たなシャドーバンクだ」などと指摘してきた。

関連米ウォーレン議員、DeFi市場など支えるステーブルコイン規制求める

大手仮想通貨リサーチ企業Messariの創設者であるライアン・セルキス氏は今回の草案を受け、「ウォーレン議員はウクライナの戦争を利用し、仮想通貨業界を孤立させて罰する他ならない」と非難している。

なお、民主党のバイデン大統領率いるホワイトハウスは米時間9日、仮想通貨に関する大統領令(行政命令)を発令したばかり。仮想通貨業界の急速な成長を受け、適切な投資家保護などの米国政府の理念を新興業界でも導入されることを保証するため、財務省など15以上の政府機関に調査を命じた。

関連: 米バイデン政権、待望の仮想通貨関連の大統領令を発表

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
07/27 土曜日
08:10
マスク氏のX(旧ツイッター)、ビットコインなどの仮想通貨絵文字表示を削除か
イーロン・マスク氏がオーナーのX(旧ツイッター)は、ビットコインなどの仮想通貨絵文字表示を削除した。ドージコイン擁護のためか。
07:35
BitwiseのETH現物ETFの横断幕、NYSEに掲揚
仮想通貨運用企業Bitwiseのイーサリアム現物ETFの横断幕が、ニューヨーク証券取引所に掲げられた。同社は、取引終了のベルを鳴らすことも報告している。
07:05
野村傘下のレーザーデジタル、利回り提供のイーサリアムファンド販売予定か
野村ホールディングスの仮想通貨資産子会社であるLaser Digital(レーザーデジタル)は、イーサリアム現物ETFの代替商品の導入を計画しているようだ。
06:40
米SEC、グレースケールのミニ版ビットコインETFを承認
仮想通貨投資企業グレースケールが提供するGBTCは手数料(1.5%)が最も高く資金流出は続いていたが、新商品を導入し0.15%という業界最安の手数料設定で競争力を高める狙いだ。
06:20
ビットコイン価格が21年後に最大で75億円に到達か、マイケル・セイラー氏の強気予想
ビットコインを最も保有する米上場企業マイクロストラテジーのマイケル・セイラー氏はカンファレンス「ビットコイン2024」で、BTCの今後の強気予想のプレゼンテーションを行った。
07/26 金曜日
17:10
「米大統領選で価格変動 トランプやハリス由来のミームコインの買い方
トランプトークンの概要 ドナルド・トランプ前米大統領とその「Make America Great Again」(アメリカを再び偉大に)というスローガンからインスピレーションを得…
17:10
ヤマハ発動機が初のVTuberコラボNFTを発行、Yamaha E-Ride Baseを訪れて進化可能
ヤマハ発動機が初のNFTデジタルステッカーを発行。横浜のYamaha E-Ride Baseで進化するダイナミックNFTを体験し、限定グッズをゲットできる。
15:13
ビットフライヤーがFTX Japan買収完了、カストディ事業展開へ
株式会社bitFlyer HoldingsはFTX Japanの株式100%を取得し、完全子会社化を発表。8月26日までに社名を変更し、クリプトカストディ事業を展開予定。法制度整備後の暗号資産現物ETF関連サービス提供も視野に入れている。
14:43
Neo Xメインネットが正式稼働 EVM互換でネオのエコシステムを拡張
Neoは高性能EVMベースのサイドチェーン「Neo X」のメインネット正式稼働を発表。クロスチェーンブリッジで流動性と互換性が向上し、エコシステムの可能性が広がる。
14:15
カマラ・ハリス氏のミームコインが過去最高値を記録、大統領候補指名の期待受け
PolitiFiと呼ばれる政治パロディのミームコインが、仮想通貨領域で独自のジャンルを形成しており、カマラ・ハリス副大統領のパロディコイン「 Kamala Horris(KAMA)」が急騰し話題となっている。
12:55
アルトコインETFの未来、ブラックロックが語る現実と可能性
ブラックロックのデジタル資産責任者は、イーサリアム現物ETFが承認されていても他のアルトコインETF誕生には困難があると話した。
12:14
仮想通貨相場反発、ビットコイン・カンファレンスのトランプ登壇に関心集まる
昨日までの大幅下落とは打って変わり暗号資産(仮想通貨)相場は反発した。強気シグナルのハッシュリボンが点灯しているほか、今週末にはビットコインカンファレンスに米国のトランプ前大統領が登壇予定であり、投資家の関心が集まる。
11:00
トランプ前大統領の陣営、4〜6月期で仮想通貨で6億円の寄付金調達
トランプ前大統領は、ビットコインなど仮想通貨で6億円以上の選挙資金を調達。「ビットコイン2024」でもさらに資金を集める予定だ。
10:30
BTCが290万ドルに到達するシナリオ、VanEckが公開
仮想通貨ビットコインが2050年までに290万ドルに到達するシナリオをVanEckのアナリストが公開。このシナリオを実現するための条件を説明している。
10:00
ソラナ初事例、パラオ共和国がデジタルID発行
主権国家が仮想通貨・ブロックチェーンであるソラナ上で、法的アイデンティティを発行する初めての事例となった。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア