ブロックチェーンが一時停止
暗号資産(仮想通貨)イーサリアム(ETH)のスケーリングソリューションを提供する「ポリゴン(MATIC)」は11日、「Polygon PoS」のネットワークが停止していたことを発表した。
現在、ネットワークは稼働を再開。ユーザーの資産やデータに影響はないと説明している。問題を早急に解決するために一時的な修正(hotfix)を行っており、これからも継続的な対策を講じていくとした。
【拡散希望】
— Polygon ($MATIC) Japan💜 (@0xPolygonJapan) March 11, 2022
◆Polygonのネットワーク遅延発生
・Polygon PoSチェーンで使用されているTendermintの実装に問題がありました
・Polygon PoSは、この問題に対処するための一時的なホットフィックスを導入したため、運用を再開しています
・資金やデータへのリスクはありませんので、ご安心ください https://t.co/jwCMhPdXQf
Polygon PoSは、ポリゴンのスケーリングソリューションの1つで、代表的なプロダクト。イーサリアムの仮想マシン(EVM)と互換性のあるネットワークである。名称の「PoS」はコンセンサスアルゴリズムを指す「プルーフ・オブ・ステーク」の略。ネットワークのセキュリティは、パーミッションレス(自由参加型)のバリデータが支えている。
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問題の経緯
今回の問題については、日本時間の11日午前2時に「2時50分にネットワークが停止する可能性がある」と発表。その後、稼働再開が報告されたのは、それから8時間後だった。今回の問題の原因については、現在も調査を実施。現時点では、最近行ったアップグレードにバグがあった可能性が高いと見られている。ネットワークのコンセンサスに影響を与え、バリデータが3分の2の合意形成に達しえない状況になっていた模様だ。
ポリゴンのMihailo Bjelic共同創設者は、CoinPostの提携メディア『The Block』に対し、「Polygon PoSには2つのレイヤーがある」と説明。1つはコスモス(ATOM)の開発キット(SDK)とTendermintをベースにしたコンセンサスレイヤー「Heimdall」で、もう1つはブロックを生成するレイヤー「Bor」である。
Tendermintとは
中央管理者のいないネットワークで合意を取るための方法やソリューションを指す。Tendermintの機能を使用することによってブロックチェーンを開発することが可能になり、Tendermintを使用するブロックチェーン同士をつなげようという発想が、コスモスのプロジェクトの原点である。
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Bjelic氏は「Borレイヤーに小さなアップグレードを行ったことがHeimdallレイヤーに影響し、ネットワークがブロックを生成できなくなった」と説明した。
ポリゴンはこれからも調査を継続して、正確な原因を追求するとしており、随時情報を更新していくと述べている。