CoinPostで今最も読まれています

仮想通貨市場、FOMC会合前に方向感乏しく

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

世界情勢と仮想通貨市況

激化するウクライナ情勢では、ロシアとウクライナによる4度目の停戦交渉でも特に進展が見られず。ウクライナ西部の都市であるリビウ、及びポーランド国境付近でもロシア軍による軍事施設への空爆やミサイル攻撃が始まっており、北大西洋条約機構(NATO)やポーランド付近に展開する米軍との偶発的武力衝突リスクも懸念される。

米欧からの武器輸送・供与網の遮断と、ウクライナ軍を間接支援する欧米諸国への威嚇を念頭にした作戦と見られる

15日の暗号資産(仮想通貨)市場。ビットコイン価格は、前日比+2.7%の460万円(38,913ドル)とほぼ横ばい。

BTC/USD日足

前日比ではプラスであるが、日本時間10時頃には1、000ドルほど急落するなど不安定な値動きが続く。ボラティリティ(価格変動性)は縮小傾向にある。

リードインサイトアナリストのWill Clemente(@WClementeIII)氏は、ここ最近のビットコイン(BTC)は方向感が定まらず、2ヶ月間ボックス相場にあると言及。約1万ドルのレンジ内で往復していると指摘した。

米金融政策に高い関心

16日には米連邦公開市場委員会(FOMC)の発表を控え、様子見基調となりやすい。米労働統計局が10日に発表したCPI(米消費者物価指数)は、前年同月比7.9%に達し、約40年ぶりのインフレ水準を観測した。

インフレ抑制のために実施される0.25%の利上げについて金利先物市場は織り込み済み。焦点は利上げ幅0.5%の有無や年内利上げ回数、FRB(米連邦準備制度)理事の発言内容になるものと見られる。

昨今では、ウクライナ情勢の影響で、原油高など資源の高騰が加速しており、経済への悪影響が強く懸念される。 自動車会社のテスラ、宇宙事業のスペースXを手がけるイーロン・マスクCEOも例外ではなく、「原材料と物流過程に大きなインフレ圧力がかかっている」と言及した。

この発言を受け、最も多くのビットコイン(BTC)を保有する企業マイクロストラテジーのマイケル・セイラーCEOは、現金やバリュー株などからビットコインのような希少資産への資本逃避がインフレヘッジで加速すると指摘。

これに対しイーロン・マスク氏は、一般的には「ビットコイン、イーサリアム、ドージコインを保有したままで売却していない」ことを明かした。

資源大国ロシア発の供給不安を受け、「S&P GSCIインデックス」などのコモディティ(商品)指標は2008年依頼最高値まで急騰した。週間ベースでは、1970年来の上昇幅となるという。小麦が2月初めから60%上昇したほか、ニッケル、アルミニウム、石炭など幅広い商品が高騰するなど多岐に渡る影響を及ぼしている。

コスト増は物価高へとつながり、国民生活に支障をきたすおそれがある。

15日には、欧州連合における暗号資産の規制枠組みを制定する法案「MiCA」にて、PoW(プルーフオブワーク)に基づく暗号資産銘柄を禁止する条項が委員会の投票で非承認された。

関連:PoW銘柄禁止条項を非承認、EU議会で仮想通貨法案投票

承認された場合、欧州においてビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)を除外する致命的な規制になりかねず、暗号資産市場の発展の足枷になるとして懸念する声が多く挙がっていた。

関連:「NFTを国の成長戦略に」自民党デジタル社会推進本部・平将明議員インタビュー

経済制裁の余波

経済制裁逃れに暗号資産を用いている可能性があるとして、ロシアに対する各国の包囲網は暗号資産業界にも拡大している。

日本金融庁と財務省は14日、「ウクライナをめぐる現下の国際情勢を踏まえた対応について」とする共同声明を発表した。G7(先進7カ国)の声明に応えたものだ。

関連:金融庁、仮想通貨業者に制裁対象者の送金停止を要請

経済制裁先である「資産凍結等の措置の対象者」向けの指示であり、暗号資産の移転に係る支払も支払規制の対象として、措置の徹底遵守を要求。暗号資産に係る取引については、モニタリングの強化も厳命。資産凍結等の措置の対象者の関与が疑われる取引については、「疑わしい取引」として速やかな届出を求めた。

シンガポールは先週、同国内の金融機関に対し、制裁対象となったロシアの銀行との取引を禁止。制裁措置は、暗号資産取引、非代替トークン、その他のデジタル資産を対象としている。

過去に掲載したマーケットレポート一覧はこちら

注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
12/04 月曜日
15:11
グレースケール、「GBTC」のビットコインETF転換についてブログで説明
米グレースケール・インベストメンツは公式ブログで、米国における現物ビットコインETFの承認は時間の問題であるとして、GBTCをビットコインETFとして、ニューヨーク証券取引所Arcaへ上場させることに注力していると強調した。
12:48
オーストラリア退職金ファンド(年金基金)、仮想通貨の保有額増加で900億円規模に
オーストラリア税務局は、退職年金を積立型SMSF(年金基金)の資産運用統計を発表。2019年以降の4年間で仮想通貨への投資額が大幅増加していることがわかった。
12:18
中国外相、ブロックチェーンやAI(人工知能)領域で日中韓協力を呼びかけ
中国の王毅外相は、日中韓外相会議で、ブロックチェーンや人工知能(AI)など最先端テクノロジー分野での三国の協力を呼びかけた。
11:41
ビットコイン1年半ぶり4万ドル水準へ、株式市場では「仮想通貨関連銘柄」が全面高に
暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコインETF(上場投資信託)の上場承認期待やFRBの利上げ終了観測が強まったことで、BTCは4万ドルの節目を1年半ぶりに上回った。米国株ではコインベース株が大幅上昇しているほか、マネックスやセレス株など関連銘柄に資金が集まった。
12/03 日曜日
11:30
米経済減速続けばビットコイン上抜けは時間の問題か|bitbankアナリスト寄稿
3.8万ドル付近を底堅く推移する今週のビットコインチャートを図解。国内大手取引所bitbankのアナリストが今後の展望を読み解く。オンチェーンデータも掲載。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|マイクロストラテジーのBTC買い増しに高い関心
今週は、マイクロストラテジーが仮想通貨ビットコインを買い増ししたニュースや、金持ち父さん著者ロバート・キヨサキ氏がビットコインなどの資産への投資を推奨していることを書いた記事が関心を集めている。
12/02 土曜日
16:25
エルサルバドルのブケレ大統領、2024年再選を見据え職務離脱へ
暗号資産(仮想通貨)ビットコイン支持者で知られる、エルサルバドルのナイブ・ブケレ大統領が総選挙キャンペーンのため職を離れる。再選を目指す中で、国内政治のチェック・アンド・バランスの弱体化と、国際関係への影響を探る。
14:00
2024年に半減期を迎えるビットコインは約1800万円到達、Matrixport分析
Matrixportによる暗号資産(仮想通貨)ビットコインの価格予測を深掘り。2024年に1835万円到達の可能性、歴史的なデータ分析、マクロ経済要因と地政学的影響を詳細に解説。ビットコイン投資の未来を探る。
13:00
米サークル社、「テロ資金調達への関与はない」
ステーブルコイン「USDC」を提供するサークル社は、公開書簡を米議員らに提出。テロ資金など不正金融への関与はないと強調した。
12:00
イーサリアム運用で高利回りを実現、Cegaのデュアルカレンシー戦略とは?
セガ・ファイナンスが新しいオプション戦略「デュアルカレンシー」を発表。暗号資産(仮想通貨)イーサリアム、stETH、USDCホルダーに向けて、年利22%以上の収益を提供。この戦略は、リスクを最小限に抑えつつ、市場での高い固定利回りを実現する。
10:45
コインベースCEOがBaseトークン発行を否定 ソラナなどの統合計画も
米仮想通貨取引所コインベースのCEOは、イーサリアムL2「Base」に関する展望について話した。独自トークンや取引高速化について説明している。
09:55
コインベース・マイニング株大幅高、ビットコイン年初来高値更新|2日金融短観
本日のNYダウは+294.6ドルと続伸し、債券市場は反発した。この日にパウエル連邦準備制度理事会議長の発言からトーンダウンが示唆され2024年にFRBが利下げに動くとの観測がますます広がった格好だ。
08:30
Starknet独自通貨の無料配布、スナップショット実施済み
仮想通貨イーサリアムのL2「Starknet」は今週SNSで出回っていたSTRKトークンのエアドロップのスクリーンショットの真贋を確認し権利獲得にあたるスナップショットはすでに実施されたことを明かした。
07:20
ビットコイン価格は24年に上昇加速か=グレースケールレポート
仮想通貨運用会社グレースケールは、2023年11月版の市況レポートを公開。2024年は複数の条件が重なることによって、ビットコインの価格に上昇圧力がかかる可能性があるとの見解を示している。
06:50
ビットコインETFの上場申請めぐり今週3社目のSEC面談、専門家が承認楽観視
米SECは、GBTCから現物型ビットコインETFへの転換申請について、今週29日に申請側のグレースケール(2度目)と会議を行ったことが判明した。仮想通貨ビットコインは年初来高値を更新した。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア