はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

米パウエルFRB議長「デジタル通貨には新たな枠組みが必要」

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

金融システムへのリスク

米連邦準備制度理事会(FRB)のジェローム・パウエル議長は23日、国際決済銀行(BIS)主催のイノベーション・サミットで、暗号資産(仮想通貨)を含むデジタル通貨には、新しいルールや法の枠組みを設定する必要があると主張した。

パウエル議長は「デジタル世界における中央銀行総裁の新たな課題」と題した公開討論に、パネリストとして登壇。英、独、マレーシアの中央銀行総裁らと意見を交わした。

パウエル氏は「分散型台帳や分散型金融(DeFi)のような斬新な技術は、決済システムの効率を高め、より競争力のある金融環境を促す可能性がある」とその恩恵を認める一方で、「一部の商品」には、金融の安定性を脅かす可能性もあると懸念を表明した。

特に市場のストレス時にデジタル商品がどのように機能し、大きな不安定化のフローにつながるのかわかっていない。また、仮想通貨市場のストレスが、どのように伝統的な金融システムに波及するのかもわかっていない。

DeFi

DeFi(分散型金融)とは、「Decentralized Finance」の略。ブロックチェーンを活用し、中央管理者不在の状態で行われる金融サービス、またはそのシステムを指す。

▶️仮想通貨用語集

パウエル氏はまた、資金洗浄などの違法行為に仮想通貨が利用されていると主張。さらに仮想通貨投資には、従来の金融商品のような政府の保護が及ばないと警告した。

同氏は、既存の規制の枠組みは、デジタル世界を想定して作られていないと指摘。「ステーブルコインや中央銀行デジタル通貨(CBDC)、そして一般的なデジタル金融には、既存の法律や規制の変更、あるいは全く新しいルールや枠組みが必要となるだろう」と述べた。

CBDCの発行

パウエル氏は、FRBによるCBDCに関する分析は他の六つの中央銀行と共有していると表明。国内外の関係機関との協力の下、「安全性、健全性、金融安定性を維持しつつ、決済・通貨システムを責任ある方法で改善する」ことに努めているとした。

またデジタルドルに必要とされる次の四つの特性についても言及した。

  • ユーザーのプライバシーを確保すること
  • マネロン防止のため本人確認が可能であること
  • 現在の銀行システムに受け入れ可能であること
  • 支払い手段として広く受け入れられること

なお、CBDCの発行については、最終的な決定はなされていないと同氏は強調している。

BISイノベーション・ハブの活動

今回のサミットを主催したBISのイノベーション・ハブは、中央銀行業務に影響を与えるテクノロジーのトレンドを見極め、開発する役割を担っている。また、中央銀行間でイノベーションに関する知識の共有や意見交換を促進する。

イノベーション・ハブはCBDCと決済システムの改善を重点分野としており、2022年は、CBDC、次世代決済システムとDeFiに関するプロジェクトを実施する計画だ。

直近では、複数のCBDCを用いた国際決済を可能にする共有プラットフォームの開発で、プロトタイプを用いた実験に成功したと発表。Project Dunbarと呼ばれるこのプロジェクトには、オーストラリア準備銀行、マレーシア中央銀行、シンガポール金融管理局、南アフリカ準備銀行が参加した。

関連:国際決済銀行、CBDC(中銀デジタル通貨)の国境間利用の実証実験へ

そのほかにも、スイス、香港、イギリスなどの各地で、トークン化やスマートコントラクトなどのDeFi技術を用いたプロジェクト、金融政策の統合やプライバシーに関する研究などが数多く進行中だ。

関連:スイス中銀、ホールセール型CBDC決済の実証実験に成功、商業銀行5行が参加

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
11/25 火曜日
06:50
金融庁、仮想通貨交換業者の責任準備金積立を義務化へ
金融庁は仮想通貨交換業者に対し、不正流出などの事案に備えて責任準備金の積み立てを義務付けることがわかった。金商法適用の議論が進む中、投資家保護を強化する。
11/24 月曜日
17:50
ブラックロック、ビットコイン投資の本質は「デジタルゴールド」 機関投資家が重視する“真の価値”とは?
世界最大の資産運用会社ブラックロックのデジタル資産部門責任者が、機関投資家がビットコインに投資する理由を解説した。「デジタルゴールド」としての価値保存機能が重視される一方、決済手段としての利用は依然投機的との見方を示した。
11:47
ソラナのインフレ率を下げる改善提案 今後6年で2,230万SOLの発行量削減見込む
仮想通貨ソラナのコミュニティがインフレ減少率を引き上げる改善提案を公開した。目標インフレ率への到達が6年から3年に短縮する見込みだ。
10:25
「仮想通貨市場の弱体化、背景にマーケットメーカーの機能不全」トム・リーが指摘
ビットマイン会長が仮想通貨市場の下落が続いている要因を分析した。10月10日の清算イベントがマーケットメーカーを機能不全にしていると見解を示している。
11/23 日曜日
14:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ、ヴィタリック紹介のイーサリアム新ツールやXRPのステーキング導入案など
前週比で振り返る仮想通貨市場の最新動向。ビットコインやイーサリアム、XRP、ソラナなど主要銘柄の騰落率や注目材料を一挙紹介。市場トレンドと関連ニュースを詳しく解説する。
11:30
ビットコイン売られ過ぎでも反転せず、12月FOMCの据え置きが現実味を増す|bitbankアナリスト寄稿
今週のBTC対円相場は1400万円割れまで下落。ヌビディア好決算後も1400万円割れが続き、米雇用統計の強弱まちまちな内容が見通し悪化を助長。12月FOMCでの金利据え置き観測が強まる。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|金融庁の暗号資産規制方針に高い関心
今週は、金融庁の仮想通貨規制方針、ビットコイン採掘割合の95%到達、ビットコインとイーサリアムの市況分析に関する記事が関心を集めた。
11/22 土曜日
13:45
ANAPホールディングス、企業向けビットコイン戦略支援「ビットコイン道場」を開始
ANAPホールディングスが企業のビットコイン活用を支援する継続型プログラム「ANAPビットコイン道場」の提供を開始した。会計や税務などの実務を専門家が包括的にサポートし、参加企業がコミュニティ形式で課題解決に取り組む仕組みを提供する。
13:02
コンヴァノがビットコイン戦略から本業回帰、AI・ヘルスケア事業に注力へ
コンヴァノが仮想通貨ビットコインを最大約2万BTC取得する計画を取り下げ、成長中の事業へ軸足を移す。業績予想を上方修正しており本業成長を重視する戦略転換となる。
10:55
米当局がビットメイン製品を国家安全保障リスクで調査、トランプ関連企業も1万6000台使用
米国土安全保障省が中国メーカーのビットメインを調査し、機器がスパイ活動や電力網破壊に使用される可能性を指摘。トランプ大統領の息子たちの会社アメリカン・ビットコインも1万6000台を購入した。
10:05
コインベース、ソラナのミームコイン取引所「ベクター」を買収
コインベースがソラナ基盤SocialFiプラットフォーム「ベクター・ファン」を買収すると発表した。年内に取引完了予定で、ソラナエコシステムへの参入を拡大し、すべてを取引できる取引所の構築を目指す。
09:35
ベセント米財務長官、ビットコインバーにサプライズ訪問 仮想通貨業界への影響は
スコット・ベセント米財務長官がビットコインバー「Pubkey DC」を訪問し、仮想通貨コミュニティで話題になっている。業界関係者の反応と今後の影響を解説する。
08:54
ビットコインの買い方、取引所選びの完全ガイド
ビットコインの買い方(始め方)を徹底解説。SBI VCトレード・bitbank・Coincheckなど主要取引所を比較し、安全な購入方法や投資メリットを初心者向けに解説します。最適な取引所選びで失敗しないコツも紹介
08:25
NYSEがグレースケールのXRPとドージコインETF承認、25日上場予定
NYSEがグレースケールのドージコインとXRP ETFの上場を承認し、11月25日に取引を開始する。今週はビットワイズのXRP ETFやフィデリティのソラナETFも上場し、アルトコインETF市場が急拡大している。
07:45
「仮想通貨財務企業などの上場後の事業の大幅変更について対応を考える必要」JPXのCEO
日本取引所グループの山道CEOは、ビットコインなどを保有する仮想通貨財務企業への規制強化は現時点では検討していないと説明。一方で、事業の大幅変更については対応を考える必要があるとも述べている。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧