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スイス中銀、ホールセール型CBDC決済の実証実験に成功、商業銀行5行が参加

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

国際決済銀行との共同プロジェクト

スイスの中央銀行にあたるスイス国立銀行(SNB)は13日、5つの商業銀行との実証実験で、ホールセール型の中央銀行デジタル通貨(wCBDC)による決済を既存のシステムへ統合することに成功したと発表した。

この実験は、SNB、国際決済銀行のイノベーション・ハブ(BISIH)およびスイス証券取引所(SIX)の多段階にわたる共同調査「プロジェクトHelvetia」の一環として実施されたもの。今回の実験はフェーズ2(第二段階)に当たるが、中央銀行がwCBDCによる決済をどのように提供できるか、運用、法律、政策の問題に焦点を当て、検証したという。

2020年12月に終了したフェーズ1では、wCBDCの発行や中央銀行決済システムと外部プラットフォームのリンク構築に関する概念実証を行い、法的に実現可能であると確認された経緯がある。

ただしプロジェクトHelvetiaは、中央銀行発行通貨がトークン化された金融エコシステムへスムーズに移行できるのか、その可能性を探る実験的なものであり、SNBがwCBDCの発行を意図して行なっているものではないと強調されている。

ホールセール型CBDCとは

ホールセール型CBDC(wCBDC)とは、中央銀行に口座を持つ金融機関が利用するためのデジタル通貨で大口決済に使用される。一方、個人や一般企業が利用する小口決済用のCBDCは、リテール型と呼ばれる。

▶️仮想通貨用語集

関連:大口決済用デジタル通貨の概念実証に成功──国際決済銀行の共同プロジェクト

実験の内容

フェーズ2の共同実験は昨年第4四半期に実施された。

今回はwCBDCに焦点を当てるため、UBS、Hypothekarbank Lenzburg、Citi、クレディ・スイスとゴールドマン・サックスの商業銀行5行が参加。中央銀行と商業銀行の基幹銀行システムにwCBDCを統合し、取引をエンドツーエンドで実行することに成功した。

実験では、商業銀行とSIXが運営するデジタル取引所のテストプラットフォーム、スイス銀行間決済(SIC)テストシステム、基幹銀行テストシステム間の相互運用性を検証することで、DLTベースと従来のシステム間の相互運用性の実現可能性を証明することができたという。

スイスにおける法的評価としては、中央銀行がwCBDCの発行、決済、償還に関する管理・監視機能を保持している場合、第三者が運営・所有する DLTプラットフォーム上でwCBDC を発行することは、法律上可能であると確認された。

また、公開市場操作をはじめとする金融政策取引や国際取引(クロスボーダーやオフショア取引)の決済においても、デジタル資産プラットフォームで運用可能であることも実験で確認されたという。

今後の課題

国際決済銀行がまとめたプロジェクトHelvetiaフェーズ2の報告書では、実験で明らかになった今後の課題としてを次のような点を挙げている。

  • 市場と決済の複雑性が増大:異なるプラットフォーム間の相互運用性を高める必要性
  • 流動性管理:即時決済導入により流動性の確保が必須

報告書は、トークン化されたエコシステムはまだ初期段階にあると指摘。トークンベースのエコシステムへ安全に秩序を持って移行するためには、金融市場参加者の調整と協力が必要だと結んでいる。

関連:スイス中銀エコノミスト「現在デジタルフランは必要ない」=報道

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