NFT「ラグプル」事例
米司法省は24日、NFT(非代替性トークン)を悪用して詐欺とマネーロンダリングを行ったとして、20歳の容疑者を2名起訴したことを発表した。
被告は「Frosties」というNFTを購入した人に報酬や特典を与えるプロジェクトをローンチ。その後、投資家にNFTの購入を呼びかけ、売上金を所有したままプロジェクトを中止している。被害額はおよそ110万ドル(約1.3億円)相当で、売上金の暗号資産(仮想通貨)の出所を分からなくしようとマネーロンダリングも行っていた。逮捕前には、次のNFTプロジェクトも計画していたという。
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今回の犯罪はNFTを悪用した「ラグプル」。米国の内国歳入庁犯罪捜査部門(IRS-CI)と国土安全保障省(HSI)は、被害者の訴えに基づき、2022年1月ごろから調査を実施していた。
ラグプルとは
英語で「Rug Pull」と表記される出口詐欺のこと。今回のようにNFT購入者から得たお金を返却せずに持ち逃げしたり、DeFi(分散型金融)プロジェクトの開発者などの運営側が、密かに仮想通貨のプールから流動性を引き抜いて持ち逃げするなどの事例がある。
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Frostiesの公式ウェブサイトでは、NFT保有者に報酬やメタバースゲームへの先行アクセス権などの特典を付与すると告知。全てのNFTが売れた数時間後に突然プロジェクトを中止し、ウェブサイトを閉鎖したという。
その後、具体的な銘柄までは説明されていないが、投資家が支払った仮想通貨を様々なウォレット間で送金し、マネーロンダリングを行った。
次に計画していたプロジェクトのNFTは「Embers」。3月26日ごろのローンチを計画しており、これも詐欺だったと見られている。Embersでは、およそ150万ドル(約1.8億円)の利益が得られる予定だった。
今回の発表に際し、IRS-CIの特別捜査官の責任者は以下のようにコメントしている。
NFTの購入は新しい時代の金融投資だが、NFTや不動産開発にも同じルールが適用される。投資家のお金を持ち逃げすることは許されない。
IRS-CIやHSIは、今回のような企みを暴くために、仮想通貨取引を厳重に追跡する。
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