DeFiやゲーミングに焦点を置いたファンド
米国に拠点を置くベンチャーキャピタル「ホワイトスターキャピタル」は11日、暗号資産(仮想通貨)分野に投資するファンドの立ち上げで資金調達を行っていることを発表。フランスの大手ゲーム企業Ubisoft(ユービーアイソフト)が主導していることも報告した。
ホワイトスターキャピタルは、このファンドについて約150億円(1億2,000万ドル)確保することを目標としており、現在までのファーストクローズ(第一段階の資金募集)で約75億円(約6,000万ドル)を調達した。これを主導したのが、ユービーアイソフトである。ユービーアイソフトは、アサシンクリードなどで有名なフランスのゲーム開発企業だ。
今回の、「デジタル資産ファンド2(DAF II)」は、DeFi(分散型金融)やゲーミングを中心にして、仮想通貨ネットワークやブロックチェーン対応Web3.0ビジネスへの投資を行っていくものである。
公式発表によると、DAF IIは、北米、ヨーロッパ、アジアを中心として、20~25社に約1億円(100万ドル)から約9億円(700万ドル)の規模で、トークンや株式の投資を展開していく予定だという。
Web3.0とは
現状の中央集権体制のウェブをWeb2.0と定義し、ブロックチェーン等を用いて非中央集権型のネットワークを実現する試みを指す。代表的な特徴は、仮想通貨ウォレットを利用したdAppsへのアクセスなど、ブロックチェーンをはじめとする分散型ネットワークのユースケースがある。
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NFTに積極的なユービーアイソフト
The Blockによると、ホワイトスターキャピタルの運営パートナーであるセプ・アラヴィ氏は、「ユービーアイソフトは、Web3.0などの分野を戦略的に注視しており、それがこのファンドで私たちと提携する理由だ」と話している。
実際に、ユービーアイソフトは特にNFT(非代替性トークン)に関して積極的な取り組みを行っているところだ。昨年12月には、NFTプラットフォーム「Ubisoft Quartz」をローンチした。
さらに、このプラットフォームに対応するNFTとして「Digit」を導入。まず「ゴーストリコン ブレイクポイント」というアクションゲームで採用した。
取引はあまり活発ではなく、懐疑的なユーザーが多いとも報じられているが、ユービーアイソフトは「実験的な試み」として、今後も、新しいプロジェクトでNFTを取り入れていくとの姿勢を示している。
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また、NFTカードゲーム「Cross the Ages」への出資や、メタバース系NFTゲーム「ザ・サンドボックス(SAND)」との提携も行っている。ザ・サンドボックスのメタバースでは、ユービーアイソフトのゲームの知的財産(IP)を利用できるようにするという。
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20年より仮想通貨セクターに投資
ホワイトスターキャピタルは、2020年に最初のデジタル資産ファンドを立ち上げて以来、7カ国20社への投資を行ってきた。
投資先の中には、ビットコイン(BTC)やUSDC(USDコイン)の貯蓄口座を提供するLedn、DeFiプラットフォームALEX、分散型取引所のアグリゲーター(集約プラットフォーム)Paraswapなどが挙げられる。
今回のファンドDAF IIは、運営パートナーのセプ・アラヴィ氏が管理していく。アラヴィ氏は、ホワイトスターキャピタルの仮想通貨ファンドについて、次のように語った。
ホワイトスターキャピタルは、2年弱の間に、その後世界で成功した仮想通貨企業の多くを、スタートアップしたばかりの頃から支援してきた。私達の戦略、グローバルネットワーク、および専門知識がうまく機能してきた結果だ。
新たなファンドを通じて、明日のWeb3.0、DeFi、ゲームを構築する先見性のある創業者を支援し続けたい。彼らが、世界中の何十億もの人々のために価値ある新しいインターネットを切り開くことを楽しみにしている。
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