米OCC、大手仮想通貨信託銀行Anchorageに改善命令

マネロン防止策などについて改善命令を発行

米通貨監督庁(OCC)は21日、暗号資産(仮想通貨)カストディ企業(信託銀行)Anchorage Digitalに対して、同意命令を発行した。マネロン防止関連の法的遵守体制を整えるように要請している。

具体的には、Anchorage Digital(以下、アンカレッジ)に、マネロン防止基準(AML)と顧客身元確認(KYC)を定める銀行秘密保護法の遵守を担当する、銀行秘密保護官を設置することを要求するものだ。

さらに、少なくとも3人のメンバーからなるコンプライアンス(法的遵守)委員会の設立と、既存の高リスク顧客を確認することも義務付けている。

OCCとは

米財務省に所属する独立機関の一つ。米国で連邦法によりライセンスを受けて営業する国法銀行などを監督している。

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同意命令は、会計監査人の所見を次のように示した。

2021年時点で、アンカレッジは、特に、顧客デューディリジェンス(リスク評価)のための内部体制、疑わしい行動を監視するための手順、銀行秘密保護法(BSA)担当者や、研修など、要求されるBSA/AMLプログラムを適切に行うプログラムを導入することができていなかった。

また、OCCのMichael Hsu長官代理は次のようにコメントしている。

OCCは、全国的に認可されたすべての銀行に対し、従来型の事業を行っているか新しい事業を行っているかに関わらず、同じ高い基準を設けている。

金融機関がこの基準を満たさない場合、我々は行動を起こし、連邦法と規制の遵守を確実なものにするために、当該機関に責任を負わせる。

同意命令は通常、両当事者(今回は、OCCとアンカレッジ)がこの先の法的遵守手続きに関して合意に達したことを意味するものだ。このため、OCCがアンカレッジに業務停止命令などを発行することは免除される。

ただ、もし命令の内容について、アンカレッジが充分に行動を継続しない場合は、何らかの強制措置が取られる可能性は残している。

背景

背景として、OCCは2021年1月、アンカレッジに条件付きで国法銀行の設立許可書を付与。同社は、仮想通貨企業として米国初の国法銀行になっていた。

連邦公認の信託銀行としてアンカレッジは、金融機関の代わりに、仮想通貨を含む資産を保有することができるようになった格好だ。

この際、承認条件として、同社はBSA/AML要件などを定めた業務委託契約を締結。この契約に定められた要件を満たしていなかったため、今回同意命令が発行された。

フィンテックの銀行設立許可は保留中

なお、このようなフィンテック企業への条件付き国法銀行設立承認は、前OCC長官代理Brian Brooks氏が発行していたものだが、Michael Hsu氏が同職に就任して以来は、発行されていない。

Hsu氏は21年8月、この政策の「必要性や関連分野への影響を調査するため」に一時保留し、見直すとした。同じ頃、一部の議員などから、仮想通貨関連企業を銀行と同様に扱うべきではないという意見も上がっていた。

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