- 失敗した仮想通貨のプロジェクトは1000以上
- CoinopsyとDeadCoinsの2つのサイトの調査によると、既に1000個以上のプロジェクトが失敗しているとされ、また、テッククランチによると、2017年の詐欺及び失敗したICO通貨は10億ドル(約1,107億円)とのことです。
- 世界のICO規制の状況、日本はICO途上国に
- ICO Ratingのレポートによると、2018年Q1の世界的なICO国としては、アメリカ、シンガポール、スイスが挙げられます。2018年、日本のICO数は極少数となっています。
失敗した仮想通貨のプロジェクトは1000以上
失敗した仮想通貨のプロジェクトをリスト化しているCoinopsyとDeadCoinsの2つのサイトの調査によると、既に1000個以上のプロジェクトが失敗しているとされ、テッククランチが報じたことで各所で話題になっています。
テッククランチによると、2017年の詐欺及び失敗したICO通貨は10億ドル(約1,107億円)とのことです。
この調査結果から分かる通り、膨大な数の仮想通貨プロジェクトが失敗し、なおかつ投資者もそのことを認識し始めているにも関わらず、ICOなどで動く現金の額は膨大なものとなっています。
コンサルティング企業PwCとスイスのクリプトバレー協会のレポートによると、今年の資金調達額は137億ドル(約1.5兆円)以上にものぼっています。
この数値は、既に2017年の70億ドル(約7750億円)以上という数値の約2倍にもなっています。
平均調達額も、2017年の1,280万ドル(約14億円)から2,550万ドル(約28億円)越えと、約2倍になっています。
ICO規制の状況
ICO Ratingのレポートによると、2018年Q1の世界的なICO国として、アメリカ、シンガポール、スイスが挙げられます。
各国の状況としては、アメリカはICOトークンを全て証券として扱う流れが形成され始め、スイスはICOトークンを資産、支払い、ユーティリティートークンの3種類に分類するように進んでいます。
また、シンガポールは、ポジティブな規制と、中国と韓国のICO禁止の流れを受けて、アジアからの需要が高まり増加しているものと思われます。
全体的には、ヨーロッパで最もICOが盛り上がっていると感じられます。
ICO途上国日本の現状
一方で、仮想通貨先進国の日本はICOが非常に少ない国です。
2018年、日本発のICO数は極少数であり、これは日本の資産が国外へ流出し続ける状況であると言えます。
ICOについて、日本では法規制が何もない状態ですが、このことも影響しているかもしれません。
例えば、CoinPostでは、昨今話題になっている取引所が発行する仮想通貨、取引所トークンについて、5月時点でbitFlyer CEO 加納氏に対し質問しました。
- ―bitFlyerではまだ、取引所トークン発行は考えていないのか
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すべてがクリアにならないと難しいですね。
私たちは法律を尊守して運営していますので、法律を破るような行為で物議を醸したくないです。
現状、国内の業界大手になればなるほど身動きが取りづらく、そうでなければ国外で実施すれば良い、といった状況になってしまっているのではないでしょうか。
QUOINEがICOを実施し、国内で人気通貨となった取引所トークンQASHも、ICO時は日本からの購入が不可とされていました。
日本は、仮想通貨規制については、世界に先んじて取引所ライセンス制を導入し、市場健全化を進めています。
しかし、国内の仮想通貨及びブロックチェーン技術開発を促進するためには、企業や投資家にとってやりやすい環境を整備することが重要であり、それは例えばICOの問題であったり、税制、または会計上の処理などの問題もあります。
それらが整備されるまで、開発者や業界の関連企業、コミュニティー数で出遅れている日本が、世界との温度差が生まれてしまうのは避けられないのかもしれません。