IOSTがBITPOINTに上場
2022年5月10日、暗号資産(仮想通貨)アイオーエスティー(IOST)が、国内取引所ビットポイント(BITPOINT)に上場しました。初心者向けのBITPOINTと中上級者向けのBITPOINT PROにてIOSTを売買可能になっています。
IOSTは、シンガポールに設置された「インターネット・オブ・サービス財団(Internet of Services Foundation)」により発行された独自の暗号資産で、IOSTプラットフォーム上で使用される基軸通貨です。 本記事では、IOSTの基本概要やユースケースについて解説します。
IOSTの概要
IOSTは、2019年2月にメインネットをローンチしたパブリック・ブロックチェーンです。分散型経済におけるエンタープライズレベルのセキュリティ水準と処理能力を備えた、アーキテクチャの提供を⽬指しています。
「Proof of Believability(PoB)」と呼ばれる独自の合意形成アルゴリズムを利用しており、ネットワークセキュリティとノードの分散性を維持しながら、高い処理能力と実質ゼロの取引手数料を実現します。
現在、イーサリアムとの互換性の実装とマルチチェーン展開が計画されており、他のブロックチェーンプラットフォームと連携しながらエコシステムの拡大を図っています。
IOSTの特徴
スケーラブルなスマートコントラクトプラットフォーム
IOSTは、パフォーマンスと開発者の利便性を重視したスマートコントラクト・プラットフォームです。 IOSTでは、開発者が最も多いプログラミング言語JavaScriptを使っており、dApps(分散型アプリ)を構築できます。スマートコントラクトをデプロイ後の修正機能を備えているため、開発者はバグ修正、バージョンアップなど、必要に応じてコントラクトを更新することができます。
また、IOSTは0.5秒のブロックタイム、8,000TPS(Transaction Per Second)の取引性能を発揮できるよう構築されており、開発者はユーザビリティの優れたアプリケーションを構築できます。
高い分散性を備えるPoB(Proof of Believability)
IOSTは、独自の合意形成モデル「PoB(Proof of Believability)」により、高性能な処理能力と、DPoS(デリゲーテッド・プルーフ・オブ・ステーク)よりも高い分散性を備えています。
IOSTではノード(ネットワークに参加するコンピュータ)が保有するIOSTの量や、「SERVI」と呼ばれるサブトークン、ネットワークへの貢献度(レピュテーション)など、複数の評価項目によりブロック生成権を割り当てます。PoBは各ノードがより公平に報酬の機会を得られる仕組みで、ブロック生成者の寡占化を防ぎ、ネットワークの分散性を高めます。
IOSTの分散型エコシステムには、20カ国以上で400以上のノードが参加しています。日本からは、暗号資産取引所、ゲーム開発者、メディア、有名な法律事務所、投資家が含まれ、ノード別の総投票数数で2位にランクされています。(*2022年5月時点)
ステーキングエコノミー
さらに、IOSTは市場で屈指のステーキングエコノミーを構築しています。
IOSTの公式サイトによると、2022年6月2日時点の暗号資産IOSTの価格は約2.2円(0.01686ドル)、供給量は185億8875万IOST、時価総額は約400億円(3億1,000万ドル)です。データサイトStaking Rewardsによると、供給量の26%に相当する49億IOST(約107億円)がステーキングノードに預けられています。
IOSTのパートナーノードには、Binance Staking、OKcoin Japan、Huobi Wallet等、業界トップのステーキングサービスプロバイダーが参画しており、ユーザーは簡単にIOSTのステーキングから受動収入を得ることができます。 例えば、世界最大の取引所Binanceでは、IOSTを120日間ステークして20.19%のAPY(Annual Percentage Yield)を得られます。
ステーキングとは
一定量の暗号資産(仮想通貨)を所定の期間、預け入れることで報酬が得られる仕組み。 特定の仮想通貨をネットワーク上にロックすることで、その通貨のブロックチェーンネットワークを管理することに貢献し、対価として報酬を得る。PoS(Proof of Stake)のコンセンサスアルゴリズムを採用している仮想通貨で行うことができる。
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IOSTのユースケース
次に、IOSTの主なユースケースと関連サービスを紹介します。
EVM互換・インターオペラビリティ
IOSTは2022年5月現在、イーサリアムとの互換性獲得とマルチチェーン・エコシステムの強化により、エコシステム(生態系)の拡大を図っています。
2022年4⽉12⽇にIOST財団は、クロスチェーン・ブリッジ・プロジェクト「Entroverse(エントロバース)」を立ち上げ、EVM開発者を支援するために1億ドルのインセンティブファンドを設⽴しました。Entroverseのロードマップには、IOSTスワップのクロスチェーン・ブリッジのローンチ、イーサリアム仮想マシン(EVM)互換の実装、Web Assembly(Wasm) サポートの開発、そして開発者への⽀援など、さまざまなソリューションが含まれています。
EVMとは
イーサリアム仮想マシンの略。イーサリアムのスマートコントラクトのコードを実行するための「翻訳機」として機能する。EVMはイーサリアムクライアントのネットワークに保持されるステートマシン(入力条件と現在の状態によって次の状態が決まる論理回路)で、ブロック生成の度にトランザクションやスマートコントラクトを実行してネットワークの状態を計算する役割を担う。
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今後、開発者はイーサリアムのプロトコルをIOSTで簡単に統合できるようになります。ユーザーはIOSTからイーサリアムへ、またはその逆へ⾃由にトークンを転送できるようになり、さらなるユースケースを利用できるようになります。
産学連携で社会貢献
IOST財団はブロックチェーン技術の普及を目的に、産学連携で研究・開発を行っています。2020年1月には、精密医療や患者ケアのデータ管理のためのブロックチェーン技術の研究開発で近畿大学発ベンチャー企業であるプラクス株式会社と提携しました。
2020年2月にはelDesign株式会社らと共同で、長野県富士見町エリアで太陽光発電や風力発電といった分散型電源に由来する、電力取引システムの実証実験を行いました。
2019年には、法律事務所ZeLo・外国法共同事業と提携し、ブロックチェーンへの参入を検討する開発者や暗号資産に詳しい弁護士と、法規制に関する勉強会を開催しました。
IOSTはまた、2018年から「ブロックチェーン無償教育プログラム」を開始しており、2021年9月までに9つの大学や教育機関、400名以上の学生に、ブロックチェーン技術とスマートコントラクトに関するワークショップを無償で提供しています。
2021年10月にIOSTブロックチェーンは、日本ブロックチェーン協会(JBA)に正会員として加盟しました。JBAの会員企業との産学連携活動を強化することにより、日本でさらに教育活動や人材育成を行う計画です。
日本ブロックチェーン協会(JBA)とは
ブロックチェーン技術の普及・発展に取り組む団体。業界を牽引するブロックチェーン関連企業をはじめとした様々なメンバーで構成され、改正資金決済法が定める「認定資金決済事業者協会」となることを目指している。
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国内企業パートナー
IOSTは多くの日本企業と提携しているため、様々なWEB3(ウェブスリー)サービスを日本語で利用できるようになっています。
2021年8⽉には、RIZINのデジタルコンテンツを売買できるNFTマーケットプレイス「RIZIN FIGHTING COLLECTION」がIOST上でローンチされました。 RIZIN FIGHTING COLLECTIONは、試合のハイライトやベストショットを収録したNFTを購⼊し、コレクションやトレーディングを楽しむことができるデジタルトレーディングサービスです。
2022年3月には、NFTマーケットプレイス「tomonity」がローンチしました。tomonityの特徴は、プラットフォームのユーザー登録時に専⽤ウォレットが⾃動付与され、暗号資産のウォレットを持っていない、またはウォレットの知識がないユーザーでも利⽤できることです。また、tomonityでは、本来ユーザー側に発⽣するトランザクション費⽤をサービス提供側が負担します。
2021年9月、ブロックチェーン「パレット」の開発を行う株式会社HashpaletteがIOST財団と戦略的パートナーシップを締結。両者は特にIP(知的財産)分野で拡大を図り、両方のブロックチェーンのエコシステムの成長を加速させ、ブロックチェーン間の相互運用についても検討を進めていきます。
パレットとは
パレット(Palette)はマンガ・アニメなど、日本が強みを持つエンターテイメントコンテンツのNFT(Non-Fungible Token:非代替性トークン)形式での流通に最適化されたブロックチェーンネットワーク。
▶️仮想通貨用語集
国外に目を向けると、2022年5月にIOSTは持続可能な音楽知的財産のNFTエコシステムの構築に取り組むLabel財団と提携、ミュージックNFTの可能性を模索しています。2021年10月には、世界中で300万⼈以上のゲーマーが利⽤するPlay2Earnゲームソーシャルプラットフォームの開発・運営に成功したLudena Protocolが IOSTに参画しました。
このように IOSTのエコシステムは⾶躍的に発展してきました。今後もIOST財団は国内外の多くの企業およびブロックチェーンプロジェクトと協力して、NFT(非代替性トークン)、GameFi(ゲーム+金融)、メタバース(仮想空間)プロジェクトを積極的に展開していくことを目指しています。
ビットポイントの特徴とサービス
ビットポイントは2017年9月、金融庁より第一陣として「暗号資産交換業者」の登録を完了しました。金融庁のライセンスは、世界的にも特に厳しい基準が定められています。
ビットポイントは、顧客の資産管理を重要視しており、セキュリティ対策では、異常を即座に検知できるよう24時間の監視体制を敷いています。
1. BITPOINTとBITPOINT PRO
ビットポイントでは暗号資産の売買手段として、「BITPOINT」と「BITPOINT PRO」の2種類のサービスを提供しています。各種手数料は業界最低水準です。
「BITPOINT」では、売買したい銘柄の数量を入力するだけで簡単に売買ができるため、取引初心者に向いています。
一方、「BITPOINT PRO」では、板取引で成行・指値・逆指値(成行)の注文ができるため、株式投資経験などがある中・上級者向けのサービスとなっています。
2. 「貸して増やす」レンディングサービス
「貸して増やす」は、同社とユーザー間で暗号資産貸借契約を締結し、ユーザーが保有する暗号資産を貸し出すことで、貸借料を受け取ることができるサービスです。貸出時に「自動更新」を選択することで、更新前の貸借料を含めて再契約が可能です。
同サービスを利用するには、公式サイトやアプリ上での募集に対し応募する必要があり、応募多数の場合は抽選となります。
3. 暗号資産即時出金サービス
手数料無料でリアルタイム出金できるというメリットがあります。
取扱い銘柄一覧
ビットポイントでは、以下の13銘柄を取扱っています。
- ビットコイン(BTC)
- ビットコインキャッシュ(BCH)
- イーサリアム(ETH)
- ライトコイン(LTC)
- リップル(XRP)
- ベーシックアテンショントークン(BAT)
- トロン(TRX)
- エイダ(ADA)
- チェーンリンク(LNK)
- ポルカドット(DOT)
- ジャスミー(JMY)
- ディープコイン(DEP)
- アイオーエスティー(IOST)