はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

破産申請のVoyager、FTXとアラメダによる買収提案を拒否した理由

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

「単独再建計画の方が顧客の利益に」

米国で破産申請した暗号資産(仮想通貨)投資プラットフォームVoyager Digitalは24日、仮想通貨取引所FTXとその投資部門アラメダ・ベンチャーズによる買収提案を拒否する文書を裁判所に提出した。

Voyagerは連邦破産法第11条の適用を申請しているところで、書類はその手続きの一環として作成されたものである。

米連邦破産法11条(チャプターイレブン)とは

日本の民事再生法に似た再建型の倒産法制度。経営を継続しながら負債の削減などを実施し、企業再建を行う。申請後に債権取り立てが停止され、債務者は負債の整理に取り組み、原則120日以内に再建プランを策定する。

▶️仮想通貨用語集

Voyager側の弁護士は今回の文書で、アラメダとFTXの提案は「両社に有利な条件で暗号資産(仮想通貨)を清算することに他ならず、Voyagerが提出した(単独)再建計画の方が、顧客の利益になるものだ」と主張している。

Voyagerは、単独再建計画案を提示する一方で、80社以上の第三者投資家や買い手と交渉し、単独計画よりも顧客にとってより良い代替取引があるかどうかを探ってきた。21日には、そうした取引を行うにあたっての入札手続きを申し立てたところだ。

これを受けてアラメダとFTXは22日、Voyagerの顧客に対する出金支援を行う提案をプレスリリースで公開。このことについてVoyager側は今回の文書で、提案を公の場で発表することは、「機密保持された競争入札プロセス」を破壊するものだと批判している。

関連FTX、破産したVoyagerの顧客出金を支援へ

提案拒否の理由

さらにVoyager側は、アラメダとFTXが「二重の取引構造」を考えていると指摘。Voyagerの仮想通貨資産と仮想通貨ローンを「公正市場価値」で購入した後に、仮想通貨を両社の口座に移動し、その後これらの資産およびローンに相当する米ドルをFTXのプラットフォーム上で顧客に返却するものだという。

Voyager側によると、米ドルで資産を分配する場合、顧客はその分配金に対してキャピタルゲインを始めとする税金を支払わなければならず、回収額が希薄化する可能性がある。Voyagerの単独再建プランでは、顧客の請求をドル建てにすることは計画されていない。

さらに、アラメダとFTXは、顧客の仮想通貨投資に基づく請求額は7月5日時点での、その資産の米ドル価値を上限とすることを提案していると続けた。Voyagerの単独再建プランでは、このような上限を設けないことを明確にしているという。

その他にも、両社の提案は、Voyagerの独自トークンVGXを実質的に廃止することなど、合計して6つの点で、顧客資産に損害を与える可能性があると説明した。

FTXサムCEOの主張

こうしたVoyager側の申し立てについて、FTXのSam Bankman-Fried CEO(通称サム)は25日、一連のツイートを行った。FTXとアラメダの提案は、Voyagerの顧客が出来る限り早く資産を取り戻せるようにするものだとしている。

サム氏は、マウントゴックスの破産手続きについて言及。顧客の資産は何年も凍結され、様々なコンサルタントがその過程で手数料を引いていると指摘した。破産プロセスが長引くほど、顧客に損害が発生する可能性があると示唆する形だ。

サム氏は「もし私達の提案が受け入れられれば、希望する顧客は誰でも、できるだけ早く、残っているすべての資産のうち自分の分を取り戻しにいくことができる」と述べた。「顧客が望む場合は、コンサルタント手数料などを引かれる前に、資産を取り戻せるようになる」とも続けている。

「破産プロセスが長引けば、顧客の犠牲の上に、Voyager株式の価値が上がる可能性もある」ものの、今大切にするべきは株主よりも顧客の方ではないかと述べた。

Voyagerやセルシウスなど仮想通貨融資企業の破綻が続く中で、サムCEOは19日、業界の健全さを保つために「ある程度、条件の悪い取引をしてもいい」と話していた。

関連FTXサムCEO、市場停滞やビットコイン購入を語る

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
07/13 日曜日
14:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ、ETHの企業購入増加やXRPLの約300億円の資産トークン化計画など
前週比で振り返る仮想通貨市場の最新動向。ビットコインやイーサリアム、XRP、ソラナなど主要銘柄の騰落率や注目材料を一挙紹介。市場トレンドと関連ニュースを詳しく解説する。
11:30
ビットコイン最高値1700万円突破 さらなる相場の上昇余地見込めるか|bitbankアナリスト寄稿
ビットコインが過去最高値を更新し1700万円を突破。米FOMC議事要旨による利下げ期待の高まりと、DeFi規制緩和発表が相場を押し上げた。来週の米「クリプトウィーク」では重要法案の審議が控える一方、6月CPIの発表でインフレ再燃リスクにも注意が必要。bitbank長谷川アナリストが市場動向を詳細解説。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|ビットコインの最高値更新に高い関心
今週は、イーロン・マスク氏による新政党での仮想通貨ビットコイン支持示唆、14年間休眠していたビットコインの動向、ロバート・キヨサキ氏によるビットコイン関連投稿に関するニュースが最も関心を集めた。
07/12 土曜日
14:00
テザーUSDT、5ブロックチェーンでサービス終了へ 9月1日から償還停止
世界最大のステーブルコイン発行企業テザー社が、アルゴランドやビットコインキャッシュなど5つのレガシーブロックチェーンでのサービス終了を発表。9月1日から償還停止。
13:15
ビットコイン上昇の背景に「大きく美しい法案」=The Kobeissi Letter
アナリストが米トランプ政権の「大きく美しい法案」が仮想通貨ビットコイン上昇の背景にあると分析した。米ドル下落と歩調を合わせてビットコインは過去最高値に到達したと指摘する。
11:32
NYSE上場DDC、アニモカブランズと1億ドル規模ビットコイン戦略提携発表
NYSE上場のDDCエンタープライズがアニモカブランズと1億ドル規模のビットコイン戦略提携を発表。企業の仮想通貨準備金戦略の新たな枠組みを構築し、収益最大化を目指す。
10:40
アーサー・ヘイズがアルトシーズン到来を予想 その背景は?
仮想通貨アナリストのアーサー・ヘイズ氏がビットコイン史上最高値更新を受けて強気転換。イーサリアム主導のアルトシーズン到来を予想し、投資ファンドで積極投資を再開。
10:10
イーサリアム、「世界最大のZKアプリ」に メインネットにゼロ知識証明を導入へ
イーサリアム財団が1年以内にメインネットへzkEVMを導入するロードマップを発表した。ゼロ知識証明技術でスケーラビリティとプライバシー保護を強化する計画である。
09:40
カリフォルニア州仮想通貨決済法案、ビットコイン除外でステーブルコインに限定
カリフォルニア州のAB1180法案が上院委員会で修正され、ビットコインなど仮想通貨を除外しステーブルコインのみの決済受け入れに変更。可決されれば2029年施行予定となる。
09:00
ATH更新のビットコイン、今後の価格はどうなる?【価格予測まとめ】
ビットコインが史上最高値を更新する中、スタンダード・チャータード銀行、ARKインベストなど主要機関・専門家による2025年末〜2030年の価格予測をまとめた。
08:30
グレースケール、仮想通貨投信のETF申請は「自動承認された」と主張
グレースケールが米SECによる仮想通貨ファンドETF化承認停止に反発。240日期限切れによる自動承認を主張し、投資家への損害を指摘。
07:30
イーサリアム、5カ月ぶりに3000ドル突破
仮想通貨イーサリアムの価格は節目となる3,000ドルを約5カ月ぶりに突破した。価格上昇の要因には、ETFへの資金流入や企業購入の増加などが挙げられる。
07:10
ビットコイン11.8万ドル突破も売り圧力低下、長期保有者は静観か=グラスノード
仮想通貨ビットコインが史上最高値11万8000ドルを更新する中、取引所流入量は2015年以来最低水準に。グラスノードとクリプトクアントが売り圧力減少の実態を分析。
06:20
Upexi、2億ドル調達でソラナ保有量を165万SOLに拡大予定
ナスダック上場のeコマース企業ウペクシが2億ドルの私募調達を発表。ビッグブレイン・ホールディングスが主導し、ソラナ保有量を73万6000枚から165万枚に倍増へ。
05:55
シャープリンク、イーサリアム財団から1万ETH直接購入
ナスダック上場のシャープリンク・ゲーミングが、イーサリアム財団から1万ETH(約37億円)を直接購入。同社のETH保有量は215,634枚となり、世界第2位の企業保有量を拡大。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧