仮想通貨暴落の余波
米ニューヨーク州のLetitia James司法長官は1日、昨今の暗号資産(仮想通貨)の暴落で影響を受けた投資家に向けて注意喚起を発表。「仮想通貨プラットフォームにより欺かれた」ニューヨーク在住者は司法長官室へ報告するよう「強く推奨」した。
さらに、仮想通貨産業従事者で不正行為や詐欺を(オンチェーン上などで)目撃した可能性がある場合は、内部告発者として申し立てを行うように呼びかけた。
We're also urging any worker in the crypto industry who may have witnessed any misconduct or fraud to file a whistleblower complaint:
— NY AG James (@NewYorkStateAG) August 1, 2022
https://t.co/0nPg3YLArj
James氏は声明で次のように述べている。
最近の仮想通貨市場の混乱と多大な損失は大変懸念されるところだ。投資家は仮想通貨で大きなリターンを約束されたが、その代わりに苦労して稼いだお金を失った。仮想通貨プラットフォームに騙されたと思っているニューヨーカーは、私のオフィスに連絡し、不正行為を目撃した可能性のある仮想通貨企業の雇用者は、内部告発を行うよう奨励する。
注意喚起文書では、仮想通貨LUNAなどの「劇的な切り下げ」やAnchor、Celsius、Voyager、Stablegainsなどのステーキング/収益プログラムによる口座凍結を被害の具体例としてあげた。
BlockFiと100万ドルで和解
James司法長官は、投資家保護のため仮想通貨規制の一環として、これまでにも警告発令や厳しい措置をとってきた。
James氏は昨年10月、仮想通貨融資プラットフォーム2社に対し、未登録で違法な活動を行なったとして同州での営業停止を命じた。当時、対象となった事業者の名称は明らかにされていなかったが、その1社が先月破産申請したCelsius Network(セルシウスネットワーク)である可能性が指摘されていた。
セルシウスは同年、テキサス州とニュージャージー州、アラバマ州の証券規制当局から、仮想通貨の有利子口座の提供が「未登録有価証券の販売」にあたるとして警告を受けていた。
さらにJames司法長官は今年6月、仮想通貨投資のリスクについて注意を喚起。また同月、未登録の証券提供に関して、仮想通貨融資サービスBlockFiと約1.3億円(100万ドル)の和解に達した。
BlockFiとは
2017年に設立された仮想通貨レンディングプラットフォーム。売買取引の他、仮想通貨を預けることで利子を受け取れる口座や、仮想通貨を担保とした現金貸し出しサービスを提供している。一部の国で、購入額に対してビットコインで報酬還元されるVisaカードも導入した。
▶️仮想通貨用語集
なお、 BlockFiは今年2月、仮想通貨の有利子口座の提供に関して、米証券取引委員会(SEC)とも約130億円(1億ドル)で和解。同社は今後、同サービスを利子付きの証券としてSECに登録する予定があると発表した。
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