CoinPostで今最も読まれています

米コインベース、2つの集団訴訟に直面

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

情報開示などめぐる集団訴訟

米大手暗号資産(仮想通貨)取引所コインベースに対して4日、2つの集団訴訟が立ち上げられた。どちらも、コインベースの情報開示に問題があり、未登録証券を扱っていたと主張している。

Bragar Eagel&Squire法律事務所が担当する訴訟は、2021年4月14日から2022年7月26日の間にコインベース株式の購入や取得を行った投資家を代表して起こされたものだ。

まず、2022年第1四半期(1-3月)の報告書で開示された次の内容を問題視している。

(万が一コインベースが破産した場合)当社のカストディに保有される仮想通貨は破産資産を監督する財団のものとみなされる可能性がある。このため、破産の場合、当社がユーザーに代わって保有している仮想通貨は破産手続きの対象となり、ユーザーは、当社の一般無担保債権者として扱われる可能性がある。

米国で無担保債権者(unsecured creditors)は一般的に、担保なしでお金を貸している債権者のこと。このためにもし債務者が破産した場合、法的手続きなどを経なければ資産を取り戻すことが難しいとされる。

訴状によると、ジョージタウン大学法律センターのAdam J. Levitin教授は、仮想通貨取引所が破産申請した場合、裁判所はカストディにある資産を、顧客の財産ではなく、破産した取引所の財産とみなす可能性が高いと論じているという。

コインベース側の説明

米コインベースのBrian Armstrong CEOは、この開示情報が話題になった5月、「当社に破産の危険はない」「仮想通貨を第三者のために保管する企業に対して、米SECが新たに要求した開示要件により項目を追加した」と説明していた。

また、「カストディに保有されている顧客資産の扱いについては、法廷でもまだ前例がない」ことや、そのため不透明であるが「可能性は低いものの、破産手続きにおいて、裁判所がカストディ資産をその会社の資産の一部とみなすことも考えられる」と述べた。

Armstrong氏は以上のような説明をした上で、「もっと早く利用規約を更新し、新しい開示情報についても積極的にユーザーに知らせるべきだった」と反省し、謝罪していた。

カストディとは

投資家の代わりに資産を保有・管理することを指す。仮想通貨以外の資産にも広く使われる用語。資産の保管や売買に係る決済、また元利金・配当金の受領や議決権行使など、幅広い業務を代行するサービスを指す。カストディを行う企業を「カストディアン」と呼ぶ。

▶️仮想通貨用語集

二つ目の問題点

訴状はさらに、7月に、コインベースが未登録証券の取引を提供していた可能性についてSECが調査していると報じられたことを二つ目の問題点として挙げている。

新たな情報開示の件と、SECによる調査という報道で、二回に渡ってコインベースのクラスA普通株式の価格が下落し、投資家に損害を与えたと申し立てる格好だ。Robbins Geller Rudman&Dowd法律事務所が担当する訴訟も、ほぼ同様の主張を展開している。

訴状は、報道後の7月26日時点でコインベース株式が21%ほど下落し、1株当たり52.93ドルで取引を終えたと指摘した。なお、コインベースは4日、ブラックロックとの提携を発表しており、これを受けて現在、同社の株式は執筆時現在で93.05ドルまで回復している。

関連米ブラックロックがコインベースと提携、仮想通貨取引を提供へ

未登録証券問題については、コインベース側は再度、取り扱いはないと明言した。同社最高法務責任者Paul Grewal氏は、「私たちの取引所で利用可能にする前に、各デジタル資産を分析・検討する厳格なプロセスを行っており、そのプロセスはSECもチェックしている」と述べている。

注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
12/05 火曜日
13:58
「証拠不十分で仮想通貨企業を提訴した疑い」米連邦判事、SECに理由開示命令を下す
米連邦地方裁判所のロバート・シェルビー判事は、米証券取引委員会に対し仮想通貨企業DEBT Boxの資産凍結について、誤解を招きかねない不十分な証拠提示で提訴に踏み切ったと指摘。理由を説明するよう命じた。
12:15
ブラジル最大手銀行イタウ、ビットコインなど仮想通貨取引サービス開始
ブラジル最大手銀行イタウ・ウニバンコは仮想通貨の取引サービスを開始した。まずビットコインとイーサリアムを取り扱うとしている。
11:59
仏ソシエテ銀、イーサリアム上でデジタル証券を発行 ESG戦略の透明性を強化
ソシエテ・ジェネラルがイーサリアムブロックチェーンでセキュリティトークンを発行。ESGへの取り組みと透明性の向上を目指し、カーボンフットプリント情報を含むデジタルグリーンボンドを活用する。
10:45
「ビットコインは米国の利益を守る最善の手段」コインベースCEO
米仮想通貨取引所コインベースのCEOは、ビットコインなど仮想通貨が、インフレを背景に米ドルの代替手段として注目される可能性があると発言した。
10:20
Bybit、仮想通貨投資に関するレポート公開
Bybitは、投資に関するレポートを公開。このレポートでは、各種類の投資家が仮想通貨ビットコインやイーサリアムなどに、どのように資金を配分しているかを調べている。
08:30
仮想通貨ビットコインマイニング株大幅高、NYダウ反落
主要仮想通貨関連株はビットコインが42,000ドルに復帰したことを受け、5日に続伸した。一方、本日のNYダウは小幅反落しエヌビディアなど大型IT株も売られた。
07:30
「2024年まで20もの仮想通貨ETPを提供へ」カナダValour
カナダの仮想通貨ETP発行会社Valourは新たに2024年まで欧州で20もの仮想通貨ETP(上場取引型金融商品)を提供する目標を掲げた。機関投資家の資金流入が追い風になっている。
07:02
エルサルバドル、ビットコイン投資の含み益がプラスに
エルサルバドルのナジブ・ブケレ大統領は、同国の仮想通貨ビットコイン投資の利益がプラスに転じたと公表。公表時点で約5.3億円の利益が出ている。
06:30
コインベース、仮想通貨ポリゴンなどの先物も提供
米仮想通貨取引所大手コインベースは先週末、ポリゴン(MATIC)とビットコインキャッシュ(BCH)のパーペチュアル先物取引を新たに提供する予定を発表した。COIN株価は5.5%高。
06:00
国際版バイナンス、銘柄新規上場
仮想通貨取引所大手バイナンスは新たなステーブルコイン「Anchored Coins EUR (AEUR)」新規上場を実施した。先月バイナンスに上場した「ORDI」は一ヶ月で約9倍も上昇した。
05:30
米Franklin TempletonのCEO、ビットコインやアルトコイン保有を明かす
米Franklin TempletonのCEOはFortune誌のインタビューで自身が仮想通貨ビットコイン(BTC)や一部のアルトコインを保有していると明かした。
12/04 月曜日
15:11
グレースケール、「GBTC」のビットコインETF転換についてブログで説明
米グレースケール・インベストメンツは公式ブログで、米国における現物ビットコインETFの承認は時間の問題であるとして、GBTCをビットコインETFとして、ニューヨーク証券取引所Arcaへ上場させることに注力していると強調した。
12:48
オーストラリア退職金ファンド(年金基金)、仮想通貨の保有額増加で900億円規模に
オーストラリア税務局は、退職年金を積立型SMSF(年金基金)の資産運用統計を発表。2019年以降の4年間で仮想通貨への投資額が大幅増加していることがわかった。
12:18
中国外相、ブロックチェーンやAI(人工知能)領域で日中韓協力を呼びかけ
中国の王毅外相は、日中韓外相会議で、ブロックチェーンや人工知能(AI)など最先端テクノロジー分野での三国の協力を呼びかけた。
11:41
ビットコイン1年半ぶり4万ドル水準へ、株式市場では「仮想通貨関連銘柄」が全面高に
暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコインETF(上場投資信託)の上場承認期待やFRBの利上げ終了観測が強まったことで、BTCは4万ドルの節目を1年半ぶりに上回った。米国株ではコインベース株が大幅上昇しているほか、マネックスやセレス株など関連銘柄に資金が集まった。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア