イーサリアム共同創設者ブテリン氏、NFTのプライバシー機能を高めるステルスアドレス実装を提案

匿名でNFTを所有可能に

イーサリアムの共同創設者ヴィタリック・ブテリン氏は8日、NFT(非代替性トークン)のプライバシー機能を高めるステルスアドレスの実装について、より簡易なアプローチを提案した。

アイデア:ERC721のステルスアドレス。

NFTエコシステムに相当量のプライバシーを追加するためのローテクアプローチ。

例えば、私(新たな所有者)以外に、新所有者が誰であるかを知られることなく、ENS(Ethereum Name Service)の「vitalik.eth」にNFTを送ることができるようになる。

ウィーン大学の研究者であるAnton Wahrstätter氏は、イーサリアムのリサーチチャンネルに、「基本的に全てのERC721トークン(イーサリアムのNFTトークン規格)をステルスアドレスに保管する」方法を提案。ブテリン氏はWahrstätter氏の提案に対して、「より軽量な技術で達成できるかもしれない」として、通常のステルスアドレスを使う方法を示唆した。

Wahrstätter氏は、データの要約と検証を行う技術「マークルツリー」の使用を提案。一方、ブテリン氏はマークルツリーやゼロ知識証明ベースの暗号化方式「zk-SNARKs」レベルの匿名性は必要ではなく、受信者の公開IDへのリンクを隠す方法で十分だとの考えを示した。

その場合、課題となるのは手数料の支払い方法だが、NFT送付の際に「5〜50回分の手数料として十分なETH」を含めることが考えられるという。しかし、専門のサーチやブロック構築などを用いた、より良い汎用的なソリューションがあるかもしれないとブテリン氏は付け加えた。

一方、ツイッター上にはNFTのステルスアドレスについて反対する意見も散見される。透明性を重んじるブロックチェーンの目的に反するのでは、というのがその理由だ。今後、匿名性と透明性のバランスについて、活発な議論が高まることが予想される。

マージ後の仮想通貨決済

同日、ブテリン氏は韓国ブロックチェーンウィークで基調講演を行い、レイヤー2ソリューションにより、取引コストが大幅に減少し、仮想通貨決済が再び「意味を持つ」ようになると述べた。

レイヤー2(L2)とは

「2層目」のブロックチェーンのこと。取引履歴の一部をオフチェーンサイドチェーンに記載するようにすることでメインチェーンへの負荷軽減や処理速度向上を期待することができる。

▶️仮想通貨用語集

イーサリアムの大型アップグレード「マージ」が来月に予定されているが、アップグレード完了後は、ネットワークのスケーリングに焦点を当てた開発が加速すると見られている。

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ブテリン氏は現在、L2ソリューションであるオプティミスティック・ロールアップで「確実な進展が起きている」と指摘。その有効性により取引コストが格段に減少する可能性があると次のように述べた。

今日、ロールアップで取引手数料は一般的に0.25ドル、時には0.10ドルの間だが、将来的には、これまで述べたような効率化のため、ロールアップであらゆる改善を行う。取引手数料は0.05ドル、あるいは0.02ドルにまで下がるかもしれない。これほど安く、手頃な価格になることで、完全にゲームチェンジャーとなる。

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ブテリン氏は、2018年以降、手数料の高騰により仮想通貨による決済は「人気がなくなった」が、マージ後はスケーリング技術の発展により「実際に仮想通貨決済を再び主流にすることが可能になる」と主張した。

さらに、安価な仮想通貨決済はドメインネームシステム(DNS)サーバーやWeb3のアカウント管理サービスなど、金融以外のアプリ開発を促進すると指摘。スケーラビリティの問題は、低コストの実現というレベルにとどまらず、「全く新しいクラスのアプリ」が誕生することにつながると述べた。

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